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同じ色の

日曜日の夜、夫と映画を見た帰り、旧市街のオペラ駅から地下鉄に乗った。
ふと目を上げた時、向かいの席に座った男の子に目が止まった。

あまり色落ちのない黒のデニムジャケット。その下には、ファーの襟がついたグレーのニット。細身の黒いパンツに、黒いエナメルのレースアップシューズ。その間にのぞく足首は、薄手の黒いストッキングに包まれている。すね毛が少し透けている。
そして、きれいなピンク色のマスクをして、手元には同じピンク色のスマホ。左耳の軟骨にスワロフスキーのピアスが1つ。

おしゃれ。

ダークブロンドの髪の毛が、くしゃっとラフなのも絶妙。もしベタベタになでつけていたら、そのへんによくいるタイプになる。

小物の色が合っている。まず、マスクとスマートフォン。それに、身につけている金具類がすべてシルバーカラー。ピアス、ニットの襟元のジッパー、ジャケットのボタン。

なぜ、こうまで統一感あるスタイルが可能なんだろう。どこまで意図的なのか?

小物の色(濃淡、色調まで)が統一されている人は、本当によく見る。素敵な人は、たいていそうだと言ってもよいくらい。

しかも、個性のある色なのだ。あの男の子のピンクのように。ピーコックグリーン、ワインレッド、ターコイズ……。
どうして、そんな同じ色のバッグと靴とイヤリングがクローゼットに揃ってるの?と思ってしまう。
以前、母がマドリードに来た時に、母も「(色があまり統一されているので)同じ店で買ってるんじゃない?」と言っていたくらい。
私はカラーアイテムは鞄だけとか、アクセサリーだけとか、単体でしか持っていない。統一できるとしたら、黒とか茶色とかネイビーとか、よくある色になってしまう。
色をもっと楽しみたいなぁ。

タイトル画像は、同じ日曜日に通りかかったLOEWE本店のウィンドウ。千と千尋コレクションのディスプレイ。

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