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仮説/請求書/地下鉄のチェリスト

2022.1.10
道の少し先を、中学生くらいの女の子たちが歩いていく。4人並んでおしゃべりしながら、学校に行くところだろうか。4人のうち3人は、VANSのリュックサックを背負っている。そのうち2人は、同じデザインの色違い。そして、4人ともスニーカーはNIKE。
一緒に歩いている人たちは同じような格好をしている、というのが10年以上前からの私の仮説なのだが、スペインでも時々、事例が見つかる。

2022.1.12
ポストに、telefonicaからの郵便が届いていた。去年の11月に解約した電話会社だ。
実は、10日ほど前に、私の銀行口座からこの会社名義で引き落としがあった。身に覚えのない129EUR。電話で問い合わせたら、「新しい契約をしたことになっている」と言われた。もちろん、そんな事実はない。払い戻しを依頼した。
今日届いたのは、その129EURの請求書だった(解約以降、telefonicaのマイページにログインできないので、明細を確認するため送付を依頼した)。
電話でやりとりしたとおり、手続きは進んでいるらしい。しかし、返金が確認できるまで油断はできない。
自分に関するもの(身体、精神、お金、なんでも)は、自分で管理する。必要なら、適切な人を頼る。最近、こんなことにいくつか対処している。ともかく、終わりよければすべてよしと思っている。

2022.1.14
次々と仕事が舞い込んで、慌ただしく1日が終わった。集中している時の緊張感が抜けないまま、帰りの地下鉄に乗った。
車内で、チェロを演奏している男の人がいた。その近くの席が空いていたので座る。音楽が、頭をじわりとほぐす。ひたすら前だけを見て歩いてきたのが、ふっと力が抜ける気がする。ストリートアーティストは時々見かけるが、チェロはめずらしい。思えば、こんなに近くでチェロの演奏を見るのははじめてだ。楽器の表面のつやが美しいな、と思う。
逆さにして置かれた帽子の中に、硬貨を入れた。チェリストは、”Gracias(ありがとう)"と笑顔で言った。こちらこそ、音楽をありがとう。

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