建築and旅〜THE BLEND INN〜

「THE BLEND INN」設計:島田陽
この前、「THE BLEND INN」設計:島田陽 に行ってきました。
「THE BLEND INN」はゲストハウス経営者によって、ドミトリー形式を主体として建てられたホステルです。

■建築家 島田陽について

設計は島田陽さん、建築学生の誰もが知っている建築家と言っても過言ではないでしょう。
私の印象は「間」をデザインする建築家です。「六甲の家」や「川西の住居」など家と敷地との接点をとても繊細に作られているように感じます

島田陽さんの経歴
1972年兵庫県生まれ
1997年京都市立芸術大学大学院修了
1997年タトアーキテクツ/島田陽建築設計事務所設立
現在:神戸大学、神戸芸術工科大学、広島工業大学、大阪市立大学非常勤講師、京都造形大学客員教授
主な作品:「六甲の家」「石切の家」「宮本町の住居」「THE BLEND INN」
(新建築 2017年6月号 P209抜粋)

■「THE BLEND INN」の敷地周辺と価格


敷地は大阪市此花区梅香1-24-21
アクセス:大阪環状線 西九条駅から徒歩10分程度
     阪神千鳥橋駅から5分程度
大阪駅とユニバーサルスタジオジャパンの中間に位置し、どちらも2駅で訪れることができます。
実は私の地元で、週に一度は西九条のボルタリングに行きジャンカラで歌い居酒屋にいくのが定番で、この日もそのようなコースで泊まりました。
金額:1人6480円(+消費税)朝食付き
二人部屋(二人12960円)

■「THE BLEND INN」の紹介

エントランス

平面

▲平面図(新建築 2017年6月号)

1.ファサード
マッシブな躯体、エントランスまでのアプローチは圧迫感を与えなようなヴォイド空間があり、道路との距離を保っていました。段差があるため車椅子などは難しそうです。
螺旋階段が上部に見えているので、ひとの動きがファサードに現れます。
島田さんは住宅の印象が強いのでコンクリート打ちっ放しは珍しく感じました。


2. 一階フロント・ダイニング・キッチン
多種多様な家具が並べられています。統一感がないようでまとまっている
RCのグレーが個々の色に落ち着きをもたせているような。別の作品では「山崎町の家」や「比叡平の家」の浴室などカラフルなカーテンなどを使用していました。ベースの色とパキッと映えるさし色のバランスが好きです。

設計の特徴として家具と建築の関係がとても面白い。後に出てきますが、この建物のコンセプトとして、ブリコラージュ的な要素で内装空間をデザインしているようで、面白い家具もいくつかありました。

ダイニング

ダイニング2

「小豆島のバス停」と同じデザインのテーブル。

吹き抜け

▲吹き抜け1。印象的な照明がとても可愛い。

吹き抜け2

▲吹き抜け2。

RCなので吸音は大丈夫なのか?と思いましたが木繊を使用しているためか音はあまり響かなかったです。基本静かに話していたのもありますが。

便所 ドアストッパー

▲便所 ペーパーホルダーがドアストッパーになっていました。


2.二階、水廻り・部屋・吹き抜けに面した共用部

階段

▲RCの中に薄く軽やかに作られた階段

二階 共用部

▲二階共用部
吹き抜けに面しているので気持ちよく読書などができそうです。

二階 家具2

▲二階 ジャッキアップで作られた椅子

2回 家具

▲こちらもブリコラージュ家具

2階 光階段

▲二階の一室に入る階段ですがアクリルをライトアップしています。
今思うと、二段目の鉄板支持はどうなっていたのかな。確認するの忘れていました。

3.三階、水廻り・各部屋・外部螺旋階段

3階からの階段

▲一階から三階階段 

シャワー

▲二階シャワー、三階にも同じタイプのシャワーがあります。
上部が通通のため女子には気が引けるシャワーでした。カップルで泊まる際は、同じ時間にシャワーを浴びてあげてください。

3階 水廻り

▲シャワー室前の洗面台

三階廊下

▲三階廊下、木で囲われた廊下。サイドの木のどこかに部屋の入り口が紛れています。一瞬どこが自分の部屋かわからなくなりました。

螺旋階段

▲屋上に上がる外部螺旋階段

部屋

▲部屋はこんな感じ。程よい明るさで落ち着きのある部屋でした。

部屋2

▲緑のカーテンに映る木漏れ日で気持ちのいい朝を迎えました。
風で木々が揺れるのをずっと見てられます。

ドットアーキ

ドットアーキテクツ 「THE BLEND STUDIO」

■感想

RCの外郭にカラフルなカーテンやブリコラージュ家具など、非日常のなかにどこか身近に感じられるような印象を受けました。街のどこかで見たことがある物が別の役割を与えられているからでしょうか。

「形式を操作することでひとの認識を操作する事。ある形式を誤用して、それが様々に認識可能な状態を作り出す事で意味を宙づりにできないか。」(注1)電球、ペーパーホルダー、ジャッキアップなど、一つの使用形式を思い浮かべますが、そこに新しい意味を与えることで使い手の認識は変わります。普段使用しない工業製品も身近に感じる事ができたのかもしれません。

また、島田さんは住宅設計でも工業製品など安価な素材を使用し設計を行っておられます。「高価な意匠で空間を組み立てると、意味や価値、制度に取り囲まれてしまい息苦しくなるから」だと語っていました。(注2)空間はひとの心に影響を与える大きな力を持っていると思います。その心に余白やゆとりを与えているように私は感じました。

ぜひみなさん「THE BLEND INN」に宿泊してみてください。

写真:Nのひと
図版出展:「平面図」新建築社 2017/6月号 P124
注1:島田陽「日常の設計の日常」LIXLI出版2016/3/15 P58
注2:島田陽「日常の設計の日常」LIXLI出版2016/3/15 P54

「THE BLEND INN」サイト:http://www.theblend.jp/

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