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【再発防止を考える】多額の給与未払いを起こしたゲーミングチームーQuintette静岡ーについて


0 はじめに

 以下に述べる文章は、私が、関係者から資料(契約書やメッセージのやりとり)を提供頂き、精査をした結果、「給与未払いの疑惑はおおむね事実である」と判断した上で、作成した文章です。
 今後の業界がより良くなることを、そして、これを見た本人が速やかに支払いをすることを期待して、投稿させていただきます。

1 またしても起きた給与未払トラブル

発端は、以下のツイートです。KaRmaさんのツイートをきっかけに、多くの関係者が給与未払い(及び遅延)の事実を明らかにしました。

過去にも、レインボーシックスシージで一躍有名となった某ゲーミングチームで、給与未払騒動がありました(疑惑は実際と異なる所もあったようであり、すでに和解で終息を迎えています)。
ところが、今回の件は、後述する通り、代表がアカウントを削除して雲隠れするという事態に発展しています
上記騒動とは比べ物にならない程の、悪質性が見られます。

2 問題を起こしたゲーミングチーム

問題のチームは、静岡県袋井市出身の代表である乗松蒼汰氏が地元を拠点に立ち上げたゲーミングチーム「Quintette静岡」です。
PUBGのゲームをきっかけに急成長したそうで、令和元年からは法人成りもしています。他にもAPEX部門、シージ部門などを立ち上げました。

こちらは、袋井市で開催された袋井eスポーツカップです。レインボーシックスシージのゲームタイトルで、有名なチームやキャスターさんを招いて大々的なイベント(兼町おこし)を行いました。
(実は、私も観客の一人として出席していました)

代表の乗松氏の取り組みは、静岡のテレビや、記事でも大きく取り上げられました。

https://gamer2.jp/post/fukuroi-esports-cup2021/

3 給与未払いの経緯

そんな名門チームが、どうしてこうなったのか。細かな経緯は割愛しますが、当時の関係者の方は、以下の通り、記事を投稿しています。

分かりやすく言うと、だいぶ前から、自転車操業の状況だったようです。毎月のスポンサー収入等を、選手への報酬などへとそのまま充てていく。余剰資金は十分に生まれない。それでは、緊急の支出に間に合うことはできないでしょうし、給与も払えなくなっていくのは当然の流れですよね。

4 未払いが積み重なったのは紛れもなく代表の責任


eスポーツ企業は、いわゆるベンチャー企業とされています。こういう金銭トラブルが生じてしまうのは、やむを得ないところもあるでしょう。

今回の件、特にひどいな、と思ったのは、代表がこれまで給与未払いをごまかしてきた経緯です。

彼は、要旨、以下の発言をして、支払いを求める選手に対して、待つよう求めていました。

①(スポンサー料が払われたら給与を払うことを前提に、スポンサー料が入ってないのか、という選手からの問合わせに対して)「まさかの入ってないんですよ。どうしましょうか。一応僕らのスポンサー料の入金が次20日なんですよ」
(→だから払えません)
「私は来週までは忙しく返信が遅いです」
(→だから連絡できません)
③(いつ払えますか?の質問に対して)「分かり次第連絡を入れさせて頂きます。」
(→だから今は連絡できません)
「お金がないとかそーゆーことではなく、私は今会社から事情があり外されています。」
(→だから待ってください)
5「僕は今会社の役職を外れて休養中です。」
(→だから連絡できません、払えません)

少しの間連絡できない、払えない、というのはまだ分かります。
しかし、何か月も支払いを待たせて、それでも待ってくれ、と言い続けるというのは、法的な意味はともかく、もはや「だましていた」、と評価されてもおかしくはないでしょう。

他方、スポンサードを受けていた某パソコンメーカーのデバイスに関しては、給与未払いをしている立場でありながら、早く機材を返してくれ等と催促をするやりとりも確認されました。
第三者目線で見ても、この人は何様なんだ、と思ってしまいます。

地元を盛り上げよう、若い子たちに活躍する場を与えよう、というのは本当に立派なことだと思います。応援もしていま「した」。
それが、こんな形で選手を裏切って、生活が苦しくなるような結果をもたらして、ひいては、自らが盛り上げようとした袋井市、静岡県、他のゲーミングチーム(特に、給与をしっかり払おうと頑張っているプロチーム)、そしてeスポーツ業界全体に泥を塗るようなことをしたわけです。

体調を崩しているとかいろんな事情があったようですが、簡単に許されることではありません。

そう言われても仕方ないのが、代表であり、社長でもあるからです。

また、これは意地悪なことを言いますが、このチームを運営する株式会社Quintetteの登記情報も調べました。(その気になればだれでも調べることができますので、興味がある方は調べてみてください)
こちらの会社、経緯は分かりませんが、令和4年に多額の出資を受けたようであり、資本金は令和3年に320万円だったのが令和4年に720万円にまで上がっています。まさか、この出資金もすべて使ってしまったのでしょうか。あるいは個人の支出に充ててしまった可能性もあるのではないでしょうか(本店所在地は、代表の自宅(戸建て)のように思われ、個人と法人の峻別がなされているかは疑問です。)

憶測を書いてしまいましたが、そのお金があったなら、選手に払ってあげろよ、、と思わざるを得ません。

自分の口から説明しようとせず雲隠れを続けて、大衆の興味が薄れるのを待っている、というのであれば、そのような対応は決して許してはなりません。

5 今後の対応策を考える

今回のように、契約書がしっかりあっても未払いが起きるのは、業界にとっても衝撃的なトラブルではないでしょうか。

ただ、普通は、何か月も支払いを待たされて我慢することはあり得ません。みなさん、近くのお店でバイトをして、給料が払われなかったら、我慢するでしょうか。ほとんどの人は、1か月分でも払われなかったら、すぐに両親や信頼できる大人、労働基準監督署、弁護士に相談すると思います。さっさと退職もするでしょう。

それをしないのは、代表との信頼関係(それは悪く言えば代表の口車に騙されてしまったとも言えますが)があったりするからでしょうが、まだまだ、「これで食っていく」という意識が足りてないのかもしれません。

見方を変えれば、選手たちを我慢させられるほどの口の上手さ、あるいはカリスマ性が、乗松氏にはあったのかもしれません。
ただ、これはあえて言いますが、「その人が好きだから」信用する、のではなく、「その言っていることが正しいから」信用する、という意識づけをすることも大事なんだろうと思います。
特に、SNSは、フォロワー数や影響力でその人の価値が左右されやすい世界です。しかし、フォロワーや再生数なんてものは、その気になればお金で買うことができます。炎上商法で増やしてるだけの場合もあります。
誰が言ったかではなく、何を言っているか、ということにも、目を向け、耳を傾けるようにしましょう。

以上は、選手に対する苦言、とも誤解され得るところですが、今回の被害にあった子たちを悪く言う気はありません。業界全体の問題として、考えてもらいたいと思っています。

6 最後に

この記事がきっかけで業界がより良くなることを祈ります。

また、私は、この件について、ほぼほぼボランティアの条件で、依頼を受ける旨を案内していました。

実際に相談を頂き正式に受任して介入する直前まで準備をしていましたが、、、詳細は割愛しますが、本人の意向により、対応は取りやめることになりました。(本投稿については快諾を頂いています)

泣き寝入りのような結果になるのは忸怩たる思いですが、引き続き、選手のために活動を続けたいと思っています。

もし、共感頂き、応援いただける方は、noteやツイッターをフォロー、メンバーシップの加入等を検討頂けたら幸いです。(営業チックになるのは申し訳ないですが、、今後の活動をどこまで続けられるかにもかかわりますので、ぜひご検討ください!)

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