ジャニーズ性加害調査報告書をザッと読んだ感想


0 はじめに

例の性加害疑惑の件、事実であると認定した調査報告書が公表されました。

全文はこちら

ザッと読んで気になったことをいくつか感想程度で記します。ジャニーズのファンの方、同様の被害を受けた方は、閲覧注意とも読めるような報告書の内容だったと思います。

1 調査の経緯について

2023年3月18日、BBCでジャニーズ事務所を取り上げたドキュメンタリー映画がきっかけだと言いますが、大きなきっかけは、それより前のガーシー氏の暴露配信・動画に岡本カウアンさんが出演したことではないかと思います。

(更に言えば、そもそもジャニー氏の疑惑は、これまでも週刊誌や裁判で明らかにされていました。が、調査報告書も指摘する通り、マスコミはこれを取り上げてきませんでした)

2 調査方法について

過去の記事、裁判記録、社内規程(※多くがそもそもないこと)を確認したそうです。
また、ヒアリングは、被害者など23名、事務所関係者などが18名の計41名でした。被害者などについては関係者の同意なく、対面やzoom等を利用して実施したそうです。例の被害者の相談窓口も連携を取ったそう。

3 ジャニーズ事務所のガバナンス能力

取締役会は開催されず、決算や役員改選、登記等の際に議事録だけ作成。(中小はよくありますが、、ここまで大きな企業でもそのような実態が認められたようです)監査役は会計監査権限のみで業務監査権限はなし。社内規程もそもそも制定されておらず。コンプライアンスの部署が存在しなかったというものです。
社内研修は、2018年から年1回でジュニアに対して実施されたそう。それでも遅いですね。

ジャニーズジュニアの採用手続きはほとんどジャニー氏の独断。

株式は、当時はジャニー氏、メリー氏の半々ずつで保有。ジャニー氏に気に入られればジュニアとしてデビューできる、というのが周知の事実のようでした。

4 性加害の結果について

口腔性交、肛門性交(※ジャニー氏が入れるのではなく、被害者がジャニー氏の肛門に挿入するというものも)、射精するまで性器を弄る、等多岐にわたりました。
時には対価として1万円程度を渡され、行為の最中には「YOUはソロでデビューさせるから」と約束したという場面もあったと。せいか害を受けてからは仕事は明らかに増えたそう。逆に行為を断れば、冷遇をされ無視されるようにもなった被害者もいると。
場所は合宿先、ジャニー宅(※家政婦がいたそうですが、決まって家政婦がいなくなってから、あるいは隠れて行為に及んだと)、宿泊ホテルなど。
被害者の数は少なく見積もっても数百人。

ジュニアが接する大人はジャニー氏とマネージャー、振付師だけが基本。他の社員とは基本接しないため、相談できる相手も見つからなかったそう。見方を変えれば、マネージャーも黙認していたのではないかと。

5 被害者の苦悩

自殺願望、過呼吸、同性不信、(逆に)性的依存症、真っ直ぐ夢を追いかけるのが難しくなる、フラッシュバックする、ボディータッチに過激になる、自分の中で蓋をし続けるようになった、うつ、性行為に恐怖心、等々。様々な後遺症が残っている様子。
もちろん中には完全に気にしていないと言う者も居たようだが、それはむしろ「蓋をした」からと言える。

6 事務所の責任

メリー氏、ジュリー氏などなど、放置していた、知っていただろう、ということまで認定。かなり踏み込んだ内容。

7 再発防止のために

マスコミなどでも大きく取り沙汰されるが、ジュリー氏の退任が一つ。他には研修を実施したり相談窓口を設ける等。

疑問に少し思ったのは、被害者からの声として、ジュリー氏を退任させるよう求める意見は(ザッと読んだ限り)見られなかったこと
第三者のチェック、宿泊体制等を廃止、ジャニーズ事務所として謝罪を公表などの声はあったが、ジュリー氏、メリー氏に対する怒りや恨みを感じさせるような声はなかった。
被害者の方々は、事務所全体が悪いというよりはジャニー氏が悪い、と言う気持ちが大きい模様。
ここは、少なくとも現時点では、自分も調査報告書と同意見で、トップから変えていく必要はあるんじゃないかと思う。同族経営の弊害が強く目立っている。


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