見出し画像

涙の完封!絶対王者に立ちはだかった6年目左腕、ついに花開く🌸|京葉ガス・沢井 椋投手

国体千葉県予選は京葉ガスが初めての千葉県代表をつかみました。

優勝の立役者は6年目の沢井投手。
県内では絶対王者、全国有数の強豪である京葉銀行をこの大会だけで2度、完封しました。

1度目の完封/代表決定戦1回戦

予選3試合を勝ち上がった京葉ガスは、代表決定戦から登場する京葉銀行に挑む形で、大事な試合に先発を任されました。

画像2

1球目を投げる前、大きく息を吐く沢井投手

沢井投手は長身の左腕で、130km後半のストレートが最大の魅力です(この大会で140出たそう)。この試合では3回くらいまで全球ストレート勝負でした。そして1安打も許さない、快投を披露します。

援護は5回の1点のみ。それでも終盤まで球威は落ちず、初戦で硬さのあった京葉銀行は終始差し込まれ、外野に打球が飛んだのはわずか4度。見事に2安打完封をやってのけました!

画像1

もうそれはそれは驚きですよ。すごいよ、沢井くんすごい!!って独り言が止まりませんでした(笑)

なぜか。それは、この5年間で目立った活躍がほぼなかったから。

試合後「すごかったね!!どうしたの?何かきっかけがあったの?」って私の聞き方もひどいですが、沢井投手はキラキラした満面の笑みで答えてくれました。

「何もないです!(笑)ただ楽しく投げられました!」

え、これまでと別人だったけど何もきっかけないの。それでこんな京葉銀行完封とかできる??ともう謎。謎しかない。もう少し話を聞きたかったので、球場を出てくるところを待ちました。

「練習したことは出せました。いつもは自分と戦っていたけれど、今日はしっかり打者と勝負できました。走者を背負っても、守りがいいので安心して投げられました」

なるほど。

今までの沢井投手は救援登板が多く、本人に聞くと先発自体がもう3~4年ぶりで、オープン戦でも先発はしてこなかったそうです。

ただ、お話を聞いてピンと来たのは「いつもは自分と戦っていたけれど、今日はしっかり打者と勝負できた」というところ。

私が今まで見た沢井投手は、自分の納得した球が投げられていないのか、考えすぎるがゆえ制球が定まりにくく、自滅してしまうという印象でした。それが「自分と戦っている」状態だったのだと思います。

それを脱して、練習してきたことをしっかりと出す。自分を解放して相手と対することで素直に持っているものが出せたのだと思います。

2度目の完封/2日後の代表決定戦最終日/もつれた2戦目で再び大仕事!

再び沢井投手が大一番のマウンドにあがります。

さすがに京葉銀行が同じ投手に2度やられることはないよな……そう思って見ていました。

前回よりはピンチも多かった。それでもマウンドで臆することなく、堂々と、最後まで投げ切り3安打完封。チームを初めての国体千葉県代表へ導きました。

画像3

最後の打者を打ち取ると、少し驚いたような喜びの表情があり、スタンドに挨拶をしたあと、涙がこみ上げました。

おそらく、チームのみなさんも「ここまでやってくれるとは!」と驚いたことでしょう。みんな笑顔でしたから。

マウンドでは常に笑顔を忘れず

「1度完封していたし、自信はあった?」と尋ねると「自信はなかったです」と控えめでした。

「これまでずっと自信も実績もなかったので、これで少しは自信がついたと思います」

もうたくさん自信にしてください!京葉銀行相手に2完封なんて、まぐれではできませんから!!

2完封を支えた青山捕手に沢井投手の何がよかったのか聞きました。

「技術的なことではなくて、マウンドでずっと笑顔でいられたこと。ピンチでは顔がこわばることもあったけど、笑え!バカになれ!ってずっと言ってました

画像5

これまで「いい球(ストレート)は持っていたけれど、実績がなかっただけ」と話す青山捕手。
1度目の完封の時、序盤は全球ストレート勝負。「打たれるまで真っ直ぐでいいかな」と考えていたそう。打たれたら、その時また考えようと。

画像4

沢井投手の頑張り、意識の変化はもちろんのこと、経験豊富な青山捕手の腹をくくったリードもまた、良さを引き出し、最高の結果へとつながったのだと思います。

「国体はベンチ入り人数が少なくなる(20人→16人)ので、まだまだギリギリ(の立場)です。ベンチ外れたらどうしよう(笑)」

沢井投手は最後にこう言って笑わせてくれました。

確かにここまで結果が出ない時間が長かったので、そう思う気持ちもわからなくないです。オープン戦で投げても「あの左、新人?」と毎年やっているチームからも聞かれるほどで、笑い話にしていましたが、相当悔しかったでしょう。

でも、今回の成功体験は今後を変える大きな経験になるはずです。ならないわけがないです。

そして、県内のライバルチームはみな、沢井投手の活躍を見てますから、これからが本当の勝負です。ただ、私はもう大丈夫だと思っています。

もしうまくいかない日があっても、もう以前の沢井投手とは違います。笑顔で自分を取り戻し、バックを信じて相手としっかり勝負できるはずだから。


【Twitterや検索からこの記事を読んでくださった方々へ】
noteはアカウントをお持ちでない方もスキ(♡)が押せます。
「記事よかったな~」と思ったらぜひ押していただけると、次回更新の励みになります。よろしくお願いいたします🙂
TwitterやFacebookなど、シェアも大歓迎です🙌

お問合せ・ご連絡はこちらからお願いします📩

この記事が参加している募集

スポーツ観戦記

野球が好き

何か感じてくださったのでしたら、そのお気持ちだけで十分です。ありがとうございます。