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あなたの中の感覚が壊れる時

40~60の間で好きな数字を思い浮かべてください。
じっくり思い浮かべたら、ある質問に答えてほしい
坂本龍馬が亡くなった年齢は、何歳だと思うか? と言う質問だ。
さぁ、あなたはなんと答えるだろう。
答えは1836年~1867年まで生き、31歳で亡くなった。
40歳や50歳ぐらいで亡くなったと思われたのなら、あなたは僕の作戦にまんまと引っかかった。

あなたは、まず何を考えただろう。40~60の間の数字を思い浮かべた。
そして、あなたはなんの根拠にもならない、ただ思い浮かべた数字を基準に死亡年齢を40~60の間でおさめた。
40~60の間の数字を必死になんらかの意味のあるものにしようとして後の質問と因果関係を作り、あなたの中の基準率が左右されてしまった。
このような現象を一般的に「アンカリング効果」と呼ぶ。
だからもし、40~60の間を思い浮かべるのではなく、50~70や70~90であれば、あなたの答える死亡年齢も高くなるのだ。(実験で確かめられている)

もちろんこのアンカリング効果も日常ではさまざまな場所で使われる。
電化製品の値下げ交渉の大半が上手くいくのはこのためだ。
電化製品を値下げできたぐらいじゃあなたの値下げ交渉力が高いとは判断できないということでもある。

ここで重要なのが、アンカリング効果はでたらめでもそうでなくとも働いてしまう。
平均15年以上のドイツの裁判官に対して行われた実験である。
万引きで逮捕された女性の調書を読んだ後に2個のサイコロから1個を選んでもらう。サイコロにはある仕掛けがあり、おもりがついていて3か9しか出ないようになっている。サイコロの目が出た時点で刑期(月単位)は出た目よりも長くすべきかどうかを答える。そして、最後に自分が裁判をした場合にその女性に伝える刑期を答える。
そしたら、9の目が出たグループの平均刑期は8か月、3の目が出たグループは5か月という結果になった。

僕達は僕たちの認識している世界が全てだと思い込んでしまう傾向がある。
気づいていないことには気付けないからである。
このアンカリング効果という効果により、僕たちが認識している世界は狭いと改めて再確認できたことであろう。しかし、重要なのはそれは、僕たちが思っているよりもずっと多くのことを認識できていない、かつ、僕たちが思っている以上に認識できていないものの影響は強力ということである。
自由とはなんだろうと考えさせられる面白い効果である。

アンカリングの対処法としてもまず、なんらかの数字が出てきたらアンカリング効果を意識すること。
その上、自分の結論とアンカリングの原因の数字を見比べ、自分がなぜその結論に至ったかをしっかり考えることである。

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