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見知らぬプリン

朝は好きじゃない。また1日が始まってしまったとわかるので。午後は好き。今日がどんな日か、ほとんど確定しているので。

最近よく夢を見る。夢の中では楽しんだり苦しんだりしている。でも、終わってほしいとは思わない。そんなことを考えている余裕はない。何も考えずにただ受け止めている。夢は何もしなくとも進んでいくのに、現実では布団の上から動かなければそのまま1日を終えることもできてしまう。自発的に今日を始めるのはすごく憂鬱だ。昨日の負債が残っている場合はなおさら嫌だなと思う。

でもさっき、冷蔵庫を覗いたら見知らぬプリンが鎮座していた。ああそうだ、昨日酔った勢いでコンビニで買ったプリンだ。昨日のことも覚えていられないおかげで、思わぬプレゼントをもらった気になれた。プリンが冷蔵庫にあるとわかっていれば、今日だけは何となく頑張れそうな気がする。もし今日食べなかったら、明日も頑張れるかもしれない。そうやって賞味期限ギリギリまで取っておいて、最後はプッチンして食べよう。


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