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【詩】鳥と花

唄を忘れたカナリヤは
月夜の海で心を取り戻すらしい
きっと波で涙を思い出すように
じっくりと不死鳥のように生まれ変わって

わたしの命は一度きりだけれど
どうやら 心が茨で縛られてしまって
生まれ変わらないと羽ばたけないみたい


わたしを見ているあなた
どうか慈悲があるなら 夢を見させて


もしも棘が血を吸わなければ
美しい薔薇が咲かないというならば
わたしは花を纏う鳥になりたいな

いろんな国を渡り飛び
虹のように煌めく知識を食べながら
わたしに咲く花へ美貌を与えるの

わたしが羽ばたくと人々は見上げるの
花は華やかに視界を彩って
その人達の心にそっと寄り添うの

どんなに世界が味気なくたって
少しの「いいこと」で元気は出るの
そんなことで明日が見えることはあるのよ


だからね 夢を見させてよ
あなたに夢を見る力が無いならば
わたしがたくさん羽ばたくから

たとえ唄うことができなくても
飛ぶことができたら 咲くことができたら
わたしはきっと生きていけるわ
もちろん 音痴じゃなければ最高だけれどね




実験的に「あとがき」を別記事にしました。
よろしければ、そちらもご覧くださいませ。


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