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高機動幻想ガンパレード・マーチ ―思い出のゲーム3選その2―

学生時代、とりわけよくプレイしたゲームが三つある。
20年以上が経過したので、記録しておくことにした。

高機動幻想ガンパレード・マーチ

(2000年、アルファ・システム/ソニー・コンピュータエンタテインメント、PlayStation)

突如地球に侵攻してきた「幻獣」
その襲撃に人類は敗走し、生存できるのは南北アメリカと南アフリカの一部、日本のみとなっていた。

その日本では、九州に上陸した幻獣に一大決戦を仕掛けるも壊滅的敗北。本州侵攻が迫った今、ただ時間稼ぎのためだけに、熊本に少年兵が動員された。
主人公は、その少年兵の一人。幻獣が活動を休止するまでのおよそ2か月を生き延びること、それが目的である。

人類の生存圏は青色の地域のみ

ゲームシステムは、極めて自由度が高い。

学生生活を送りながら、突発的に起こる戦闘で生き抜くのが基本線だが、戦車兵として、あるいは生身の身体でひたすら幻獣を狩ることもできるし、整備士や指令として後方から支援することもできる。
戦闘を放棄して恋愛や学生生活にのめりこむこともできれば、クラスメイトの靴下を集めることもできる。ときには浮気して刺されることもあるかもしれない。

絶望的な状況に置かれた学生たち、過酷な戦場で生き残る術を伝える教師。NPCもそれぞれ意思を持って行動するため、人間関係はどんどん変化するし、(同性や動物を含め)恋人や親友をつくることができる反面、八方美人を続けていればやがてその代償を払うことになる。

争奪戦

一方、ゲームバランスはシビアで、戦死すれば生き返ることはないし、イベントであっさり死亡するクラスメイトもいる。
幻獣との戦闘で大きな被害を受ければ戦局全体が敗勢になり、一方、勲章を求めて幻獣を狩りすぎると幻獣の出現そのものが減るジレンマもある。もっとも、その勲章を得たとて、クラスメイトたちが喜んでくれるわけではないのだけれど。

スキル訓練や戦闘のシステムも独特で、慣れるまでは思うようにいかないだろうが、習熟すれば、人型戦車士魂号の両手に超硬度大太刀を構え、縦横無尽に戦場を駆け回ることができる。
装甲重視か遠距離攻撃か、プレイスタイルも人それぞれ異なることだろう。

絶望的な戦況といえば、「信長の野望」の姉小路や「提督の決断」の大和特攻などもあるが、ここまで死と背中合わせな状況は、そして自らの選択でそれに抗うことができるものは多くない。

熱狂的、あるいは狂信的なファンの存在、そして複雑錯綜した裏設定を作る公式(芝村裕吏氏)でも知られるこのゲーム。現在ではプレイできる環境はあまりないだろうが、是非一度、このシリアスな世界に足を踏み入れてほしい。

――どこかのだれかの未来のために
  マーチを歌おう
  そうよ未来はいつだって
  このマーチとともにある――


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