ミュシャにどっぷり「アール・ヌーヴォーの女神たち」
グランフロント大阪で開催されている「アール・ヌーヴォーの女神たち」に行ってきました。
アルフォンス・ミュシャ(ムハ)のオリジナル作品約150点に加え、ミュシャの絵を映像化したイマーシブ(immersive、没入感)な企画展です。
※ ミュシャのオリジナル作品は撮影可、映像作品は写真のみ撮影可(フォトタイムは動画も可)でした。本記事の写真はいずれも条件に合わせて撮影したものです。
会場に入り、まず目に入るのは「ジスモンダ」。
女優サラ・ベルナールの舞台ポスターで、ミュシャの名声を確立した作品です。
急遽ポスターを制作することとなったものの、クリスマス休暇で主だった画家がパリにおらず、ミュシャが引き受けることになったものでした。
他の作品と比べると余白が多く、装飾も控えめですが、何より2メートル以上もあるその大きさに驚きます。
同じフロアには、「椿姫」、「ハムレット」やロレンツィーノ・デ・メディチを描いた「ロレンザッチョ」などの大判作品がずらりと並び圧倒されます。
映像コーナーでは、部屋の3面全体を使ってミュシャの作品が上映されます。
髪がなびき、まばたきをする女性たち。まさに「アール・ヌーヴォーの女神たち」でした。
続いて、オリジナル作品では、ミュシャの代表作ともいえる「四季」、「四つの花」、「四つの星」などの連作、「黄道十二宮」や「JOB」をはじめ、さながらミュシャの図録の世界に入り込んだかのようです。
とりわけ目を奪われたのが「桜草」と「羽根」の2作品。
もともとは単独作品だったようですが、よく似た構図から連作として扱われるようになったそうです。
解説パネルの記載「見た人はその美しさに感嘆の声を上げる」のとおり、思わず息をのみます。
本展では、ポスターや装飾パネルだけでなく、ミュシャの絵をあしらった小物類の展示もありました。
レストランのメニュー表、お菓子の箱、香水、皿など、手に取りたくなるものばかり。
ミュシャの世界にどっぷり浸れる展示に、やっぱりアール・ヌーヴォーはいいなぁと実感しました。
ベル・エポックのパリといえば、オペラ座の怪人を思い起こします。
美しく華やかな時代でした。
ミュシャの展覧会、ずっと行きたかったんです。
会期末が迫るなか無理をして訪れた甲斐がありました。
本展出品作はすべて「OGATAコレクション」のもの。会場では、所蔵者の尾形寿行さんらしき方のお姿もお見かけしました。
これだけの蒐集と展示に心から敬意を表します。
巡回の計画もあるようですので、機会があれば是非。
おすすめです。
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