ありがとう。

忘れたくないことを
忘れてしまいそうで
わたしの代わりに覚えていてくれませんか。

学校という名のオフィスビル。
テストが終わって騒がしい7階。
なぜか自分のクラスだけこの後ミーティングがあるという。
時間前行動しようとする私の周りになぜか人がいる。
囲まれている。

「どした」
「いやテストどうだった」
「できなかったとしか言えない・・・というよりミーティング?」
「あぁそうね・・・あっ今度さ」
「とりあえずミーティングいこ?時間やん?」
「ん?あっ・・・まってリーダーがスタート遅らせるってほら」
「そなの?了解したけど教室空いてるよね?」
「おう?そうだね行くか?ゆっくりいこゆっくり」
「おっけ・・・(?)」

教室に着いた瞬間。

「主役きたぁあああああああああ!!!!!」
「うわぁあああああああああああ!!!!!」
「!?」

ミーティングではなく自分のための送別会だったらしい。

正直その瞬間まで、この国に自分はそぐわないと考えていた。

自分は外国の人で受けられることもなく、
ただ圧倒されて挫折して何も与えることなく去るのだと。

「君はこの期間でいろんなことをみんなに与えてくれたよ」

担任からの言葉に涙が溢れた。

実はこんなサプライズをされたかったと言えるはずもない。

ただ一つ、伝えられた言葉は「ありがとう」だった。

自分の居場所を作ってくれて。
どんな気分でも受け入れてくれて。
自分を見て、信じてくれて。
握手してくれて。
ハグしてくれて。
乾杯してくれて。
写真を撮ってくれて。
プレゼントをくれて。
わたしのために泣いてくれて。

みんなはもう忘れたかな。


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