息子のいいたかったこと

先週末、息子を保育園に迎えに行った時のこと。
息子はいつも帰りたがらずにぐだぐだするので、その日も先生や他の夕方までの子どもたちは、おやつを食べに教室に入り始めていた。さっと息子を脇に抱えてエントランスルームまで来たところで、いきなりぐずり出し始めた。「学校、学校いる!ドア、ドア開けるー!うあああああー!」と、泣き叫んで教室に戻ろうとする。先生が今日はお昼寝を全くしなかったと言っていたので、それが原因ですごく機嫌が悪いのだろうと思っていた。何度も「帰ってコーンフレーク、おやつ食べよう」とか「パパ帰ってくるよ」と言っても、全く耳に届かない。学校を出る時にこんなにぐずったことはなくて、いくらなんでもこれはちょっとぐずりすぎだと思った。どうしようもないと決めつけて、靴も履かせずに半ば強引に建物の外に出た。柵も無理矢理に越えさせてスロープの半ばまで来た時、息子は言った。「バイバイ、バイバイいう!」と。息子は眠くて機嫌が悪いのでもまだ遊び足りないのでもなく、ただみんなに言えなかったさようならをちゃんと言いに戻りたかっただけだったのだ。私は一瞬、たじろぎ、「ああ、バイバイ言ってなかったね。言いに行こう」と言って急いで中に戻り、息子は先生と友達にバイバイを言って泣き止んだ。
少し前まで息子は、バイバイいってねと言っても、ちゃんとバイバイをしなかった。なので、さっきみんなと別れる時、私は息子にバイバイをいうことを怠ったのだ。みんなにちゃんとバイバイ言いたかったんだね、ごめんねいうのを忘れちゃって、と言いながら涙が出た。でも、違う。本当は忘れていたわけではない。いつも言いなさいと言ってもバイバイをちゃんと言ったり言わなかったりだし早く帰りたいからと、めんどうだと思ってしまった気持ちが息子にバイバイを言わせなかったのだ。私は息子の意思を自分の都合で勝手に作り変えて、自分の解釈の中で息子をわかろうとしていた。とても恥ずかしく、情けなかった。
子どもがどうして泣いているのか、納得してくれないのか、それには必ず理由がある。こどもはただ泣いているだけではなくて、伝えたいのだ。
真に相手のことを考えて行動していれば、このようなことは起きなかった。自分の傲慢な振る舞いが、子どもにそうさせたのだった。
毎日同じことを繰り返していると、めんどうに思って適当になってしまうことがある。無意識にやってしまうことが恐ろしい。そうならないように、毎日、自然と気持ちを切り替えていきたい。とはいえ慣れてきてしまうと、また同じように無意識に、となってしまいそうだが…。
この日、息子が私に気付かせてくれたたくさんのことは、絶対に忘れない。息子、ありがとう。子どもと向き合うことは自分自身との向き合いなのだと、いつにも増して思わされた。


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布部文子

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