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結局、フォルケホイスコーレとは何だったのか。 #22

時折香る牧畜の匂い、
美術室から差し込む太陽、
あの友達の笑い声と歌声、
どこまでも広く大きい空、
なかなか晴れてくれない冬の日、
珍しく晴れた日、日向ぼっこをしたこと、
焚き火と、ホットチョコレートと煤の匂い、


デンマーク・フォルケホイスコーレで芸術を学びながら過ごした4か月間は、あっという間に幻に変わり、日本での生活にも馴染んできた。

結局、わたしにとってのフォルケホイスコーレとは、なんだったのか。
帰国して3か月半。言葉にできていなかったあの日々のことを、ようやく、ここに書き留めます。


(フォルケホイスコーレとは↓)

(なぜわたしが、フォルケホイスコーレに行ったかは、こちらで↓)




①生きていることに、ありがとう。


フォルケホイスコーレはテストもなければ、成績もない、
あれを頑張らなきゃいけない、これをしないといけない、ということもほとんどない。
決められたスケジュールはあったものの、15時以降は基本自由時間。


よく知らない国で、多くの自由を与えられたなかで、

1日が終わり眠りにつくとき、
1DAYコンタクトを1箱使い終えるたび、
肌で感じる温度がだんだん寒くなっていったとき、
どんどん日が短くなっていったとき、

「一旦ここまで頑張った!おつかれさま!」
と自分に声をかけていた。

ただ、息を吸っていることに感謝をし、吐いていることに安心を感じる「生きるをする」生活
東京にいたときは気づいていなかった、もしくは、当たり前とされすぎていた、「生きること」へのすばらしさ、実はそれだけで尊いんだよってこと、このゆるりとした生活がはっきりと教えてくれた。


②すべてが美しいわけでは無かった。しかし、ここにきてよかったと思う瞬間は、確かに存在している。

「今は本当に辛いと思う、でも、フォルケに行ったことが貴女の代名詞となって、フォルケという言葉ひとつで広がる素敵な出逢いがたくさんあるよ」

現地でうまく馴染めなかったとき、憧れの人に言われたこの言葉の意味が、今でははっきりと分かる。デンマーク生活中の日記にはネガティブなことも多く書いてあったが、今ではその感情をすべて抱きしめられる。それは帰国してから、フォルケホイスコーレ繋がりで増えていく出逢いがとてもとても素敵なものばかりで、その度に「ああ、行ってよかったな」と心から思うからだ。そんなご縁の一つで、デンマーク発祥のある魅力的なお店で働かせてもらっている。あのときにもう片方の選択をしていたら、おそらく出逢っていない。

きっと、どんな感情にも出来事にも意味があり、自分を創っていく一部になる。ポジティブなことが未来の自分へのお守りになるのはもちろんのこと、ネガティブなことだって自分を成長させる、変化させてくれるスパイスのようなもの。そう考えると、美しくないもの、それらの感情すら愛おしくなった。

③些細な変化や違和感を見過ごさないで生きたい。

今回、フォルケホイスコーレへ行った目的の1つに、「自分がなにをしたいのか、なにに心踊るかを見つけたい」があった。大学生活も後半に差し掛かり、徐々に近づいてくる進路選択。その前に一旦立ち止まり、自分をもっと知りたかった。

しかし、新しい世界に潜り込んで自分を探しにいった結果、余計に何者なのか分からなくなった。あれ、自分、こんなところもあったんだ、あれ、日本にいたときと感じ方が違う、あれれ...??
そう思うと目的は完全に達成されていないかもしれない。だが、自分にフォーカスを当てて過ごしたことで、ある変化があった。

デンマーク滞在中から、自分の心、特にネガティブな感情や出来事に敏感になっている自分に気付き、そんな自分を受け入れ、自分が心地よく居られるような心の状態を自分でつくっていくことを心掛けた。


例えば、出国前は単発バイトですらも全力でこなしていた。しかし、たった1度きりしか会わない人に対して、必要以上にパワーを消費することは自分を傷つける要因にもなる。そうならぬよう、力を入れるところは思いっきり入れて、抜くところは抜く。

他にも、自分の内側にあるものを多く主張するようになった。前までのわたしは意見があってもぶつけられなかったし、どうしても相手の顔色を伺ってしまう癖があった。しかし、その自分の我慢が積みあがることで、かえって自分の心を傷つけてしまう。自分の心を守るため、はっきりと主張をする。

これらはすべて、自分というジェンガが崩れたら立て直しがとっても大変なことを知っているから。倒れないように、でも強く立てるように、優しく触れるようにした。そして今は、この立ち方がものすごく心地よい。

この心の変化で切れた縁はそこまで。本当に自分に必要なご縁だったら、どんな形でも繋がるはずだから、
そんなことも思っている。

海を眺めるのが大好きでした


④さいごに

自然豊かで、人があたたかい、Hyggeな国デンマークで暮らせたこと、フォルケホイスコーレに行くという選択をした自分を誇りに思います。あの日々はいつの間にか幻になってしまったけれど、心の中に大切に残り続けるはずです。

そして、環境が変わって物理的な距離ができても、心の距離は近いままで居てくれる友人たち、大切な人たちがもっと大切になったデンマーク生活でした。デンマーク生活をやりきるために必要不可欠だった人たち、読んでくれてますか~~!!!わたしの自慢は、いつどんな環境に置かれても、素敵な人たちに恵まれることです。いつも、ありがとう~~。


大好きなアーティストが言っていたのです。
「『10年先もう死んでいたってなんとなくいいよ』なんて曲をかいたけど、10年経った今、生きてきてよかったな」と。そう言える日々を過ごしたいです。


またどこかで、きっと訪れるであろう再会を楽しみにしています。
最後に、お気に入りの写真たちを📸

心癒される焚き火の時間☺︎
こんな指輪たちもつくってました
Mikkellerにもいったよ🍺
寮のクリスマス料理、おいしかったです^^


nunu.

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