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『自転しながら公転する』山本文緒

🌎あらすじ🌎
母の看病のため実家に戻ってきた32歳の都(みやこ)。アウトレットモールのアパレルで契約社員として働きながら、寿司職人の貫一と付き合いはじめるが、彼との結婚は見えない。職場は頼りない店長、上司のセクハラと問題だらけ。母の具合は一進一退。正社員になるべき? 運命の人は他にいる? ぐるぐると思い悩む都がたどりついた答えは――。揺れる心を優しく包み、あたたかな共感で満たす傑作長編。



🌎感想🌎
なんて愛おしい物語だろう!
まさかこの小説は私のことを書いてないよね!?と思わされるシーンが度々あった。
30代ってとにかく激ムズである。
特に友達がガラッと変わる。
既婚、未婚、バツイチ、子有り無しetc…
毎日目まぐるしく、まるでジェットコースターみたいだ。
そんな慌ただしい毎日を、作者である山本文緒は主人公の都の尻を叩きながら激励する。
特に貫一との恋愛は壮絶だった。
私ならあんな人は正直無理だ。
でも、都には何か感じるものがあったのかもしれない。
恋愛ってフィーリングが大事なんだと今更ながら気づく。
条件ばかり追いかける虚しい自分は、きっといつまでも独身なのだろう。
とりあえず、人ってどうやって恋愛を始めるんだっけ?🤔(重症笑)


♡こころの付箋♡

p320
両親の老いを、それに伴う病気を、そしてその先にある死を、自分1人だけで受け止められる気がしなくて、一緒に受け止めてくれる人が欲しかった
p653。
別にそんなに幸せになろうとしなくていいのよ。幸せにならなきゃって思い詰めると、ちょっとの不幸が許せなくなる。少しくらい不幸でいい。思い通りにはならないものよ。

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