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旬の食材がカラダに良いワケ


皆さまこんにちは。
管理栄養士の水瀬あきです。

突然ですが、普段皆さんは食材の旬は意識されていますか?
私が高齢者施設に勤務していた時は、献立作成の際に旬の食材を織り交ぜるように調理師さんや栄養士の先輩からよくアドバイスを頂いたものです。施設では自宅にいた時のように自由にお買い物をしたり、気軽に遊びに出掛けたりする事が難しいので、普段のお食事から季節を感じてもらおう!という取り組みも兼ねていた訳なんですね。勿論、季節感のみならず旬の食材は栄養価が高いというメリットもあるので、積極的に摂っていきたいですね。

-topics-
◆代表的な食材
◇野菜の栄養素について
◆栄養素の役割

ではまず春に旬を迎える代表的な食材を簡単にまとめてみます。

〈野菜〉
春キャベツ・菜の花・アスパラ・スナップエンドウ・新玉ねぎ・新じゃがいも・たけのこ

〈魚〉
鰆(さわら)・鯛・初鰹・鯵・鮴(めばる)・しらす・鰈

〈果物〉
苺・びわ・アンデスメロン・デコポン


他にも色々ありますが、代表的なものだとこの辺りでしょうか…お野菜は聞き馴染みのある(だろう)ものをピックアップしてみました。
春野菜はその独特な苦味や、雪が溶けて春の芽吹きを感じるような綺麗な色味が特徴的ですよね!

魚で言えば、春に産卵期を迎える鰈は子持ち鰈としても出回りますし、めばるは「春告魚(はるつげうお)」とも呼ばれているお魚です。堤防釣りに行くとちっちゃなめばるが釣れることがよくあります♪釣り人には馴染みのあるお魚かも…?


栄養素としても下に記述する通り、免疫機能に作用するような栄養素も沢山含んでいます。


春キャベツ…ビタミンC、ビタミンK、ビタミンU(キャベジン)、カロテン、カリウム、食物繊維などの栄養素を豊富に含みます。
※特に春キャベツは通常のキャベツよりもビタミンCやカロテンが豊富です!

アスパラ…ビタミンB1、B2、C、E、βカロチンをバランスよく含んでいます。アミノ酸の一種であるアスパラギン酸も豊富。

菜の花…ビタミンA、B1、B2、カルシウム、鉄分などの栄養素をバランスよく含んでいます。特にビタミンCが豊富。

たけのこ…ビタミンB群、ビタミンE、カリウム、亜鉛を多く含んでいます。食物繊維も豊富です。

めばる…DHA、EPA、不飽和脂肪酸が豊富です。良質なタンパク源にもなります。


鰈…タウリンが豊富に含まれています。この他ビタミンB12も豊富です。


こういった具合に色々な栄養素が含まれますが、旬というのはその食材がノリに乗っている時なので、やはり栄養素も豊富になるのです。
ここからは上記で出てきた栄養素をざっくり説明していきます。

ビタミンA…皮膚や粘膜の健康を保つ役割、抵抗力を強める働きがあります。妊婦さんは摂り過ぎ注意。

ビタミンB1…糖質の代謝や、疲労回復を助けてくれます。

ビタミンB2…脂質の代謝や細胞の再生を助け、皮膚や粘膜を健康に保つ働きがあります。

ビタミンB12…神経や血液細胞を健康に保ち、DNAの生成を助ける栄養素です。貧血の予防にも役立ちます。

ビタミンC…コラーゲンやヘモグロビンの生成を助け、鉄分や銅の吸収、メラニン色素の生成抑制などの効果があります。

ビタミンE…抗酸化作用が高く、生殖機能の維持に役立ちます。

カリウム…きのこ類やバナナになどにも多く含まれ、むくみの解消などに作用します。腎臓が悪い方は摂り過ぎ注意。

タウリン…体内のコレステロール値の調整、脂質代謝、肝機能の補助、血圧のコントロールなどに作用します。

ざっくりなのですが、このように見ると免疫機能に作用するものだけではなく、むくみの解消や、エネルギー代謝に関するものが多いです。そして栄養素の作用に関しては車のしくみに例えられる事が多く、

人間の体→車
炭水化物→ガソリン
タンパク質→ボディやタイヤ
脂質→オイル
ビタミン、ミネラル→小さなネジや歯車

といった具合に当てはめて考えると、人の身体に対してどんな働きをしてくれるのか分かりやすいですね。

乾燥や寒さに晒されていた冬から、気候も徐々に暖かくなり身体のメンテナンスもしやすい時期になってきました。昔は冬を乗り切る為に塩蔵品や乾物などの保存食を使用していたでしょうから、春になって動き出すに当たり、冬に摂取した塩分とのバランスを取ったり、身体がきちんと動くようにエネルギーを作る流れをスムーズにするような栄養素を含んだ食材が多いのでしょうね。

正に春野菜はそうしたメンテナンスにピッタリの機能が備わっている…と考えると、人と自然というのはとても合理的で驚かされることが多いなと実感します。

みなさんも買い出しの際に春野菜を見つけたら1つでもいいので是非買ってみてくださいね!

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