一緒に行くことはできない。

旅行かばんを持って空港に向かう彼を見送った。

お盆休みは、いつも少し寂しい。

日頃は離れて暮らす大切な人たちと、夏のひとときを過ごすのだ。

他愛もないことを話したり、お互いの近況を尋ねたり、美味しいものを食べたり。

二言目には暑いねと言ったり、懐かしい話で盛り上がったり、逝ってしまった彼女に思いを馳せたり。

そんな時間を、ゆっくり過ごして。

そしてまた、元気に帰ってきてね。

ここで待ってるよ。