見出し画像

みたものの記録「セールス・ガールの考現学」

予告編


初モンゴル映画。
伝えたいことは、わりとよくある殻を破るであったりやりたいことに踏み出すだったり。そんなことよりリアリティと愛くるしさがよい映画だった。

主人公の前半のボンヤリモードと後半の差は、日本でいうとウォーターボーイズの石原さとみと今の石原さとみくらい違う。どちらにおいてもそれを見抜ける才能ってすごいなと素直に思う。
一見アダルトグッズ屋の店員という飛びぬけた設定であるけど、なんとなくの閉塞感の描かれ方が身近に感じた。誰に強要されたでもなく、特別ドラマチックなわけじゃなく進んでいくところがいい。

音楽も割といい。同じバンドが複数提供しているので一貫性があるチルな雰囲気、ヘッドホンをつけるときの「Power On」という立ち上げの音、暫しの沈黙が本当に自分がつけているときのようだ。一部界隈ではモンゴルのメタルはいいと言われているのはきいていたけど全般いい曲がそろっているのかもしれない。


主人公が真顔でいたずらをしかけるのが好きだ。両親や犬にも、無断でバイアグラを飲ませてちょいにやけ顔でいるのに、天井にこびりついたモノには大声で笑う。前半からグラデーションで笑顔が大きくなっているとすると天井が最高潮になる。

すっぱり気持ちいいところで終わらないじゃん!とも思うが、それもまたリアルのように思う。猫や象は死に場所を仲間に見せないというし。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?