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[ファンタジー小説]メア・イノセント~夢と瀬踏み その7

登場人物

「」お兄さん 話の主人公 昔の記憶が曖昧 彼女達の兄という訳ではない
『』フェティ  元気で活発な青肌の女の子 ミーディットとは双子
【】ミーディット おとなしめなフェティの妹 夢に関する秘密がある?
ウツツム族 青い肌の種族 夢を見ないらしい 晴れの日が苦手




あらすじ 双子と一緒に〈瀬踏み〉をする事になった
     とりあえず寝るまで遊ぶ事に・・・
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【「貴方は、時間で溶ける宝石を持っている・・・
 目の前の険しい道を通れば・・・目的の場所まで近くなるだろう
 ただし・・・その時の危険も
 それ相応になる事を忘れてはならない・・・」】

『まぁこの場合リスクを取ってでも急ぐべきだよね!』

・・・僕達は今、ミーディットが持ってきた
テーブルトークRPG形式のボードゲームをしている

このタイプのゲームは
2人ではなかなか遊ぶのが難しかったようだ

プレイヤーは、僕とフェティ

ミーディットは
ゲームマスター(進行役みたいなの)をしている

【うん、じゃあお姉ちゃんはリスクをとって進むんだね・・・ 
 
 「貴方が・・・崖道を通っていると・・・
 空から大きな鳥がこちらに向かって来ているように
 感じる・・・」
 ダイスをふって30以下なら見つからずにすむよ・・・】

1の位と10の位の
2つの10面ダイスをふって値を決める

『よーし、私は、ここぞという時上手くできる
 才能があるから、大丈夫だろうね
 ・・・てやぁ!

ぐるぐると回るダイスの数字は

1の位は6
10の位は7で

76の数字に・・・

つまり失敗だ


【残念・・・見つかっちゃったね・・・
  お姉ちゃん、戦闘だよ! 「さぁダイスを振りたまえ・・・」】

なんだか、ミーディットがとても生き生きしている気がする

「ミーディットって、こういうの好きなんだね」

【あ・・・うん・・・
 変かな・・・】

「ううん、全然そんなことないよ
 なんていうか・・・こういう部分を見られて
 良かったなぁって思って」

ねぇねぇ見てみて!! 05が出たっ!
 これって、クリティカルだよね?!』

【ちょっと待って・・・計算するから
 ・・・・今のお姉ちゃんのキャラの攻撃力だと・・・
 一発撃破だね・・・すごい、お姉ちゃん】

『うふふー、やっぱり私ってこういう窮地に強いんだよねー♪』

【それじゃあ・・・次はお兄さんのターンね】

こんな感じで時間が経っていった
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テーブルトークRPGってめちゃくちゃ時間がかかるみたいで
結局、今日はクリアまでは行かなかった

気付けば寝る時間まで経ってたんだから驚きだ

紙に数値とかを記録して
また今度遊ぶことに

『ふぁ~あ・・・お風呂めんどい
 今日1日くらい入らなくていいよね?』

【もう・・・お姉ちゃん
 お泊り会の日くらい
 横着しないでよね・・・!】

『うぅ~だるい、ねむい、つらい・・・さんだんかつよう』

そう言って、部屋から出ていくフェティを見ながら

僕とミーディットは寝る準備をする

【お兄さん・・・その・・・
 今日は瀬踏みをするから
 ベッドじゃなくて、一緒に床で寝て欲しいの・・・】

3人サイズの寝袋を敷きながら言うミーディット

「うん、そういう事なら全然
 ・・・それに自分だけベッドも
 申し訳ないような気もするし・・・」

もともと、お泊り会と言われた時
僕は、硬い床の方で寝ようと思っていたくらいだし

【あとね・・・ウツツム族以外と
 瀬踏みする為に必要な道具があるんだけど
 ・・・驚かないでね】

そういいながら、彼女がカバンから取り出したものは
2つの輪っかがついた植物のようなもの

「え・・・?これって・・・手錠?」

【うん・・・これは〈ユメルミの腕輪〉・・・って言う名前で
 ユメルミ草のツルを編んだものなの】

ユメルミの腕輪

 【そ、その・・・必要なものだからだよ・・?
  わ・・・私の趣味とかじゃないからね?!】

再三言われると、少し疑ってしまいそうになるが
素直に必要なものなんだろう
ーーーーーーーーーーーー

・・・それから、歯磨き後にお菓子を食べようとする
フェティをなだめたりしながらも

なんやかんやで、寝る準備が出来て行った

『手錠は2つあって~
 1つはおにーさんと私の手に
 もう1つはミディちゃんとおにーさんの手
 ・・・だよね?』

【ごめんね・・・お兄さん
 なんだか捕まったヒトみたいにさせちゃって・・・】

「ううん、別に気にして無いから大丈夫だよ」

むしろ、この明らかに違和感のある、この状況が
少し楽しみになっている自分がいる・・・

・・・もちろん変な意味ではなく

『それじゃあおやすみ~』

フェティが蝋燭を消して
部屋が真っ暗になる・・・

流石にすぐには寝れなかったけど
少しずつ眠気がきて・・・・
そして・・・犬・・・・が・・・

続く

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