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朝の時間を活かせ

    夜が明けていくのを眺めながら朝のひとときを満喫していると、あたかも自分がカントやゲーテのようになった気持ちがすることでしょう。カントは朝5時に起きて仕事をしていましたし、ゲーテは夜明けを楽しみながら詩を書いていました。日の出前に起きて外を眺めると、小鳥たちのチュンチュンと鳴く声、山の燦然と昇りくる太陽、人通りは絶え、大地がシーンとして、聖なる時間がそこにあります。朝は本当に金貨を蓄えているといってもいい。朝になった時に、ポケットの中にはキラキラに輝く金貨が 24枚入っているのです。コレを大事にしなければなりません。もし皆さんがお金を捨てたいと思うなら、それを捨てたらいいでしょう。しかし、決して朝の時間を捨ててはなりません。皆さんが歩いている時、手に一杯の金貨を持って、その金貨をドブの中にやたらと捨てている人を見たならば、気でも狂ったのか、と思うでしょう。しかし、たいていの人は、金貨以上に尊き価値のある時間を捨てている人を見てもなんとも思わないのです。どうか、お金を経済的に使うように、時間もしっかり予算化して、最高に生かして使おうではありませんか。
    朝の時間の不思議な特色は、しばらく物質世界との関係が絶えているということです。心が非常に自由な、自然な、伸び伸びした状態にあるということです。社会学者マックス・ウェーバー、文豪トルストイ、詩人ヴァレリーなど、多くの世界的な仕事が朝に生まれています。W・A・オールコットは、「仕事に成功した人で、早起きしてその日の計画を立てなかった人はめったにいない。」と言い、朝の時間を活かすことを強調しています。朝の時間の大切さを知る人は幸いであります。
    古くて新しい言葉を皆さんに問いかけておきましょう。それは、「一日一生」という言葉です。これは内村鑑三氏によって有名になった言葉ですが、もともとは、聖書の中の「一日の苦労は一日にて足れり。明日の事ことを思いわずらうなかれ。」  というイエスの言葉からきています。  一日は希望への出発であります。「さあ、今日は自分は何を発見していこうか。今日一日を実り多いものにするにはどうするか。今日の夜には一体何を刈り入れようか」そうした気持ちで一日を始めることです。日々何かを探求し、発見していこうとしている人にとっては人生は勝利の連続となるしかないのです。怠惰の毎日に流されている人と、毎日が新しい出発だと思い、向上していこうと決意している人、この両者の違いはとても大きなものになっています。
「今日よ来れ、今日という日をよい一日にしよう。」(D・ハートマン)
「毎日が、新しき始まりである。毎朝、世界は新しく創られる。」(W・トライン)

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