見出し画像

AVS2022(アトツギベンチャーサミット)に参加してきました


標語

今、アトツギがアツい

12月3日-4日と福岡で行われたAVS2022(アトツギベンチャーサミット)に参加してきました。

このイベントはオンラインサロン「アトツギファースト」を運営する一般社団法人ベンチャー型事業承継が主催していて、年に一度、全国のアトツギベンチャーが一同に会して交流したり、学んだりする一大イベントです。

オンラインサロン「アトツギファースト」は全国の若手アトツギ数百人が参加する(おそらく)世界最大のアトツギコミュニティです。ちなみに、このカタカナの「アトツギ」はこのように定義されています。

アトツギとは…

受け身ではなく、企業の永続・社会に必要とされ続ける会社であるために、健全な危機感と野心を持って未来に向かって挑戦していく姿勢意識を持つ人。

https://atotsugi-first.com/

僕はこの「アトツギファースト」のメンターを2018年から仰せつかっていて、メンター役として参加してきました。

設立から4年が経って、メンバーの良も質もむちゃくちゃ上がってるし、メンターの皆さんはどんどん意欲的に自分の事業を成長させてるし、学びが多すぎで視座が爆上がりするイベントでしたので、その内容を一部シェアしたいと思います。

こんな背景まで用意されてました

参加者のバックグラウンドは多種多様

このコミュニティのすごく良いところとして、業種や規模に壁を設けずに多種多様なアトツギが集まるところです。親族だけでやってる企業から上場企業までほんと様々、そして企業の将来図もいろいろで上場を目指している企業もあれば、今のままの規模で尖り続けていきたい企業、別会社をスタートアップとして立ち上げて加速度的な成長を目指している企業など。

僕が特に仲良くさせてもらっている中部地区のアトツギだけをみても、Tear1企業もあれば、玩具雑貨の卸問屋、不動産業、寝具メーカー、繊維メーカーなど様々。うちはカーエレと照明のファブレスメーカーだしね。商流もB2B、B2C、D2Cと様々。

このような多様性があっても経営課題は結構似たものになるのが面白い。各々で悩みや成功体験、失敗体験をシェアしあって、自分の家業の成長のヒントにする、そんな体験ができるのが心地良い。

今回のイベントでも今後のビートソニックの舵取りをする上で新しい気付きやヒントがたくさんありました。

せっかくなのでその一部をシェアしたいと思います。

セッション開始前のひととき

地方の採用について

1つ目のセッションでは地方の採用についてのセッションに参加しました。セミナーのような堅苦しい感じではなくどちらかというと座談会のような雰囲気。このほうが気軽に質問できるし良いと思いました。

経験をシェアしてくれるのは以下のお二人。

立花千月香(株式会社御花 代表取締役社長)

柳川藩主立花家第十八代目。 商社勤務、海外留学を経て家業へ。江戸時代以来400年続く、立花家の邸宅を料亭旅館として経営し、福岡の一大観光名所に成長。「世界の御花」を目指し、柳川エリア全体の観光振興を束ねながら、急成長を続ける。

https://u34.jp/mentor

伊藤彰浩(株式会社伊藤農園 専務取締役)

有田みかんの加工品販売を手掛ける伊藤農園4代目。3代目である父が開発した特別な製法で作られたみかんジュースをブランド化。 フランスの三ツ星シェフにも採用され、EUを中心に世界32カ国の高級百貨店やスーパーで扱われている。 売上は入社当時から12倍に、組織は10名から80名まで拡大し、今なお躍進を続けている。

https://u34.jp/mentor

立花さんからはコロナ禍での大変だったエピソードや、その際に行った逆転の発想など、なるほどなという知見をたくさんもらえました。伊藤さんからは農業の六次産業化をするにあたって業務の違いや急拡大する中での組織づくりなど、今までの失敗話も交えてざっくばらんに経験をシェアしてくれました。

うちのカーエレクトロニクス事業も実は車種の上でのプラットフォームビジネスなので、かなり事業環境が変わりやすいんですよね。そのうえで採用や雇用とどう向き合っていくか、色々考えさせられました。

質問に丁寧に答えてくれるお二人

アトツギ企業のM&A

もう一つ参加したセションはM&Aについて。経験をシェアしてくれるのは以下のお二人。

小平勘太(小平株式会社 代表取締役社長)

大学院卒業後、ITコンサル会社に勤務、主に国内大手食品メーカーのSCMのIT並びに経営コンサルを行う。 東京での農業ベンチャー立ち上げ後、鹿児島での農業生産法人の立ち上げ等を行い、家業である小平株式会社(本社鹿児島市)の代表に就任。エネルギー(LPG、電気、再エネ)並びにIT開発や貿易等の事業を行う商社の経営を行う。

https://u34.jp/mentor

山根太郎(株式会社サンワカンパニー 代表取締役社長)

大手商社から家業、そして父のご逝去に伴い上場企業の社長へ(就任当時は東証マザーズ最年少社長)。異業種出身の経験を生かし、住宅設備機器では珍しいインターネット通販を推進。業界の枠に囚われない積極的な事業展開。尖ったブランディングとグローバル展開で「世界のSANWA」へ。

https://u34.jp/mentor

正直、うちの規模でM&Aって、、、と思ってたところもあるけども実際事業を拡大していくと思うと色々知っておきたいなと思って参加しました。実際のM&Aの経験を聞いてみるとこれがむちゃくちゃ面白い。買収後のカルチャーの作り方や別会社のままにするのか合併させるのかなどテクニカル的なところだけでなく、その際の苦労話なども。

ビートソニックもアフターマーケットという比較的古い業界なので、後継者がいない優良企業とか今後出てきそうな気もします。シナジーがあればM&Aも視野に入れて時間やノウハウを買っていくのも選択肢に入ってくるかもと思わせてくれるセッションでした。参加してよかった。

教室みたいな懐かしい感じ

アトツギの広報・PRについて

これは僕が担当させてもらったセッション。全国各地からわざわざ集まった方々に向けてできる限りの経験をシェアしました。僕に関してはオフレコ無いので詳しくシェアしますね。

セッションを一緒に担当してくれたのは尊敬するミセス突っ張り棒、竹内さん。古参Makuake仲間。

竹内香予子(平安伸銅工業株式会社 代表取締役)

新聞記者から転身。時代の変化に合わせて創意工夫を行う3代目「つっぱり棒博士」。つっぱり棒のイメージを一新するような、使い方を変えたデザイン性高い製品「LABRICO(ラブリコ)・DRAW A LINE」などを発表し大ヒット。

https://u34.jp/mentor

話させてもらった内容をまとめると以下のような感じ。

1、僕もまだまだ試行錯誤中で正解はわからないけどやってきた中での経験をシェアしたい(逃げ道)

2、平安伸銅 竹内さんはすごい。自分自身が看板(ツッパリ嬢、突っ張り棒博士)になり他社と差別化してるし、突っ張り棒コミュニティをゼロから作ってファンベースのPRも推し進めてる。本当にB2CのPRの見本。

3、アトツギ界で定説のように言われているSNSやnoteの活用は向き不向きがある。(事業による向き不向きは当然のこと)自分の性格でも向き不向きはある。 PRは継続が大事、不向きな方法はどうせ長続きしないから無理してやらなくてもいいのでは。

4、僕は製品こそがブランディングだし、製品こそがPRと思ってる派。一貫性が大事なので、利益が出てる製品でもその一貫性から外れていたらラインナップから外している。(他社と差別化できてない製品とか)

5、社長やアトツギができるユニークなPR方法もある。それはSNSやリアルでエンドユーザーや顧客とコミュニケーションを取ること。「社長がリプくれた」「社長に会ったことがある」という経験は我々が思っているよりも効果が大きいと思う。

6、お金をかけずにやるPRは時間がかかる。回り道を嫌がらずコツコツやってくしかない。

PRは業種や業態や業界、あとその人の性格によっても答えが違うと思うので方法論では語れないと思っています。本や定説を鵜呑みにするよりもじっくりとユーザーや顧客と向き合って答えを探し出していくモノかと。

偉そうに話してたけど、僕もいろいろ試してる最中。

ビートソニックでは長きにわたって「痒いところに手の届く製品」や「解決策がないと思われてた課題に対する解決製品」を提供し続けてきました。今はようやくそれがブランドとなりつつあり、ユーザーから直接「あれできないの?」「これできないの?」と製品アイデアをもらえる会社になってきました。これは本当に誇らしいこと。そういうアイデンティティを無形資産として残してくれた親父(先代)には本当に感謝。

ぼく
竹内さん

素晴らしいイベントでした

お互い同じような目的を持ちながらも、利害関係がなく、こんなにざっくばらんに知見が吸収できる機会は本当に貴重だと思いました。

一般社団法人ベンチャー型事業承継が掲げるビジョン

挑戦するアトツギが
日本経済に地殻変動を起こすエコシステムを実現する

https://take-over.jp/

が、一歩一歩近づいているという実感が持てる一日になりました。

アトツギ界のジャンヌ・ダルク
Makuake中山さん
運営してくれた社団の方々

江上さん&かめライダーありがとうございました

今回、100人以上が集まるということでどんな会場なんだろうと思ったら、なんと自動車学校。アトツギファーストのメンターを務める南福岡自動車学校の江上さんが学校を休校にしてまで会場を貸してくれたとのこと。(感謝)

江上さんの代役で参加したかめライダー

アトツギファーストのドアを叩いてほしい

今回書いたような(その他にもたくさんの)知見を浴びるほど得られるのが「アトツギファースト」

地域別の定例会や業種別のミーティング、今回のAVSなどのイベントで互いの悩みや課題を共有しつつ学べるので、全国の意欲的なアトツギは一度入ってみるのが良いと思います。

メンバーはアトツギのみ

「家業の10年先のメシの種を蒔く」をコンセプトに、同じ境遇のアトツギが互いの体験をシェアしながら解決策を探ることを目的としているため、39歳以下の承継予定者限定となっています。コンサルタントや民間企業の参加はお断りしております。またメンバーへの営業行為が見受けられた場合は、退会をしていただく場合があります。

テーマは「未来につながる挑戦」

アトツギの挑戦は、新規事業、業態転換、新市場参入だけではありません。組織力強化、DX、業務改善、営業力強化など、社内の改革を推進しているうちに新規事業の種を見つけてもらうことも推奨しています。

主役=メンバーの自走コミュニティ

このコミュニティはインフルエンサー型ではなく、一人ひとりのメンバーが主役です。メンバーはイベントやミートアップの企画や運営を自由にして頂けます。メンバーが企画した新規事業・業務改善などの進捗状況や課題をシェアする「ミートアップ」は年間250回超(令和3年度)。

https://atotsugi-first.com/


この記事が参加している募集

企業のnote

with note pro

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?