にゃっほー@おやなぎアレルギークリニック

医学博士。 日本アレルギー学会専門医。 日本小児科学会専門医。 「アレルギーでも苦労し…

にゃっほー@おやなぎアレルギークリニック

医学博士。 日本アレルギー学会専門医。 日本小児科学会専門医。 「アレルギーでも苦労しない=不苦労」をモットーに新潟県長岡市で ”アレルギー専門” クリニックを運営しています。食物アレルギーやアトピー性皮膚炎を中心に、アレルギー疾患の治療・管理に役立つ情報を発信していきます!

最近の記事

『食物アレルギー対応レシピ集』を配布しています

    • 「アレルギー科」に騙されてはいけない

      はじめに食物アレルギーで通院されている皆様。 『アレルギー専門医』を探して右往左往された経験はありませんか? 「アレルギー科」の看板を掲げている医療機関を探す 「アレルギー外来」をやっている医療機関を探す 「口コミ」でアレルギー専門の医者を探す 様々な方法がありますが、残念ながらこれらの方法で『アレルギー専門医』を探すのは困難です。 「アレルギー科」の看板は信用してはいけない「小児科・アレルギー科」「耳鼻科・アレルギー科」「皮膚科・アレルギー科」「内科・アレルギー科

      • 『たまごボーロ1粒』に含まれる鶏卵量

        鶏卵アレルギーと『たまごボーロ』鶏卵アレルギーのみなさん。 鶏卵摂取練習に『たまごボーロ』を使用したいと思ったことはありませんか? 『たまごボーロ』は片栗粉を主原料としており、口の中で溶けやすい食品です。そのため、離乳食時期でも食べることが可能です。甘くて美味しいのでほとんどのお子さんは大好きですね。 鶏卵アレルギーで少量の鶏卵摂取が可能となった後、「ゆで卵黄」や「ゆで卵白」を練習に食べるのも一つの方法ですが、ゆで卵を作るのもなかなか手間がかかります。 そこで『たまごボ

        • 食物アレルギーの治る確率

          食物アレルギーが治る確率はあまり公表されていない近年、食物アレルギーのお子さんはかなり増え、全体の10%を超えるまでになりました。 食物アレルギー患者数は毎年調査が行われ、かなり正確に把握されています。 一方、食物アレルギーの治り方についてはあまり公表されていません。3大アレルゲン(鶏卵、乳、小麦)は成長に伴って耐性を獲得しやすい食材と言われていますが、はたして小学校入学までにどのくらいの割合が治るのでしょうか? 食物アレルギー耐性獲得率患者数のように正確なデータは存在

        『食物アレルギー対応レシピ集』を配布しています

          『鶏卵アレルギー』 が多い理由

          食物アレルギーの第1位は 『鶏卵アレルギー』みなさん、食物アレルギーの原因食材第1位は何かご存知ですか? 正解は『鶏卵』です! なんと鶏卵だけで食物アレルギーの4割弱を占めています。 それでは、なぜこんなに鶏卵アレルギーが多いのでしょうか? 理由は明らかになっていない残念ながら現在のところ ”なぜ鶏卵アレルギーが多いのか” については確定的な結論は出ていません。 しかし、近年発表された様々な研究結果から、鶏卵アレルギーが多い理由について私なりの解釈が固まりましたので

          『お祭り』には危険がいっぱい

          夏祭り真っ盛り新型コロナが5類感染症に変更されてから初めての夏です。 今年は各所で夏祭りが開催され、盛り上がっているようですね! 夏祭りは盛大な花火大会や色とりどりの屋台が立ち並び、めちゃくちゃ楽しくてテンション上がりっぱなしですが、食物アレルギーの患者さんにとっては危険がいっぱい! 私の病院勤務医時代には何度か夏祭りの日の救急当直を担当しましたが、多くの『食物アレルギー誤食』を経験しました。 今日は食物アレルギーの方に『お祭りの注意点』をお話しします。

          3大アレルゲン以外の食品はなぜ「完全除去」なのか

          はじめに一昔前まで、食物アレルギーは「完全除去(全く食べないようにする)」のが基本でした。しかし、近年の研究で ”症状が出ない程度の量を食べ続けた方が食物アレルギーが治りやすい” ということがわかって来ました。 そのため、最近では「主治医と相談の上、自宅で少量を摂取する」という方法が一般的になって来ました。 実際に私の外来でも、食物携行負荷試験などで閾値を確認し、それを超えない量を自宅で食べてもらっている患者さんが数多くいらっしゃいます。 しかし、自宅で摂取練習をする食

          3大アレルゲン以外の食品はなぜ「完全除去」なのか

          食物アレルギーに配慮した離乳食の進め方

          食物アレルギーの「初症状」はほとんどが離乳食中年々患者数が増加している『食物アレルギー』。初めての発症は「離乳食中」が圧倒的に多いです。 特に上の兄弟が食物アレルギーだと、下のお子さんの離乳食は「どうやって進めたら安全なんだろう?」と不安になりますよね。 離乳食の安全な進め方離乳食の進め方は様々な方法があります。 離乳食の進め方をまとめたサイトや本なども数多く存在しますが、どれも少しずつ方法が異なっており、どの進め方が良いのか迷われている方も多いと思います。 ありていに

          食物アレルギーに配慮した離乳食の進め方

          原因不明のアナフィラキシー

          アナフィラキシーとはアナフィラキシーは、アレルギー反応でも特に重篤な状態であり、「アレルゲンなどの侵入により複数の臓器に全身性にアレルギー症状があらわれて生命に危機を与え得る過敏反応」と定義されています。 複数の臓器とは、皮膚・呼吸器・消化器・循環器・神経などを指します。(アレルギーポータルさんHPより) 簡単にいうと「全身でアレルギー反応が起きている重篤な状態」ということです。 アナフィラキシーの原因アナフィラキシーの原因として、「食べ物」や「ハチ刺され」などはすぐに思

          親子での ”唾液接触” がアトピー性皮膚炎発症リスクを下げる可能性

          ”唾液接触”の重要性和歌山医科大学の研究グループが発表 先日、和歌山県立医科大学らの研究グループは、生後12か月までの乳児の期間における親との唾液接触が、子のアレルギー疾患の発症リスクと関係があるとする研究結果を発表しました。 腸内細菌が発達しているほどアレルギーになりにくい 近年の研究結果から、腸内細菌が発達(多くの善玉菌を含んでいる状態)している児の方がアレルギーを発症しにくいのではないかと推測されています。 ただ、今までそれを裏付ける研究がほとんどありませんでした

          親子での ”唾液接触” がアトピー性皮膚炎発症リスクを下げる可能性

          ほぼたま

          まさに「ほぼ卵」! 代替卵「ほぼたま」卵が高すぎる コロナ禍や世界情勢の混乱、円安など様々な要因が重なって物価上昇が続いている昨今。とくに食材の値上がりは家計を直撃します。 その中でもとりわけ値上がりが目立つのが「卵」です。 物価上昇だけでなく、国内での『鳥インフルエンザ』の大流行により、卵は相当な値上がりが続いています。いつもの倍近い値段が付いていたり、そもそも「売っていない」という状況も目にします。 キューピーの大発明「ほぼたま」 そんな中、ある商品が注目を浴び

          症状が出る ”ぎりぎり量” じゃなくても良い

          ”ぎりぎり”の量じゃなくても良いおさらい 食物アレルギーは「症状が出ない程度の少量」を食べたほうが治りが良い 以前、食物アレルギーは「完全除去」が基本でしたが、近年の研究で「症状が出ない程度の少量」を食べ続けると治りが良いことがわかっています。 閾値(いきち) 食物アレルギーで「症状が出てしまう最小の食品量」を『閾値(いきち)』と呼びます。食物傾向負荷試験などで、症状が誘発されたギリギリの量が『閾値』になります。 食べ続けるのは「閾値の1/10量」でもOK 上記のように

          症状が出る ”ぎりぎり量” じゃなくても良い

          食物アレルギー治りかけは味に『違和感』を感じる

          食物アレルギー治りかけ時期明らかな症状が出なければ「摂取できた」→『除去解除』 食物アレルギーでは、じんま疹、眼の充血、嘔吐、腹痛、咳、呼吸苦、顔色不良、ぐったり等々、様々な症状があります。 原因食品を食べてみて、上記のような ”明らかな症状” が出なかったら『症状なし』と判断され、「摂取できた」ことになります。 およそ1食分を摂取して明らかな症状がなければ『除去解除可』と判断されることが多いです。 「食べられるけれど違和感」 しかし、食物アレルギーの治りかけの時期

          食物アレルギー治りかけは味に『違和感』を感じる

          『ステルスリニューアル』にごご注意

          ステルスリニューアル食物アレルギーでは「原材料表記」の確認が必須 食品表示法により、表示が義務である「特定原材料7品目」と表示が推奨されている「特定原材料に準ずるもの20品目」が制定されています。 近年は食物アレルギーへの関心が高まっており、ほとんどの食品パッケージに「特定原材料7品目」だけでなく「特定原材料に準ずるもの20品目」も記載されるようになりました。 食物アレルギー患者さんやその家族は、誤食を避けるため、スーパーなどで買い物をする際にパッケージ裏の『原材料表記』の

          『ステルスリニューアル』にごご注意

          食物アレルギーおしゃべりサークル

          食物アレルギーの 『交流の場』 がほしい食物アレルギー患者さん・保護者さんは安全な日常生活を送るために様々な情報が必要です。 食物アレルギー対応のカフェ・レストランなどの情報 3大アレルゲン(鶏卵、乳、小麦)を使用していないパン屋さん 自宅でのアレルゲン除去離乳食の作り方 市販食品にどのくらいの量のアレルゲンが入っているの などなど、挙げればキリがありません。 以前は『患者会』がアレルギー患者さん同士の情報交換の場でしたが、コロナ禍で大人数が集まってお話しをするの

          食物アレルギーおしゃべりサークル

          スギ花粉症とトマトアレルギー

          スギ花粉症の人は『トマトアレルギー』になりやすいスギ花粉症の皆様、『トマトアレルギー』の人はいませんか? 実は、スギ花粉症の人はトマトアレルギーになりやすいんです! 私のクリニックには多くのスギ花粉症患者さんがいらっしゃっていますが、そのうち数名が『トマトアレルギー』患者さんです。 花粉ー食物アレルギー症候群(Pollen-Food Allergy Syndrome:PFAS) スギ花粉症の人がトマトを食べると、のどの不快感、痛み、唇の腫れ、ピリピリ感が出てくることがあ