見てますか、大河ドラマ!!!! 『光る君へ』!!!!
私はもう第一話を見ただけでこのドラマと共に今年は生きていこう……と決意を固めるくらい好みのドラマで、見ていない方はいますぐ見てくれと肩を揺さぶりたい所存であります。面白いよ今年の大河は!!!!!!
さて、『光る君へ』は紫式部の人生を描いたドラマです。で、紫式部といえば『源氏物語』の作者。そして『光る君へ』においては、『源氏物語』をオマージュした場面が、(たぶん)一話につき一エピソード出てくるのです……!!!!
紫式部の人生と、『源氏物語』のエピソードがオーバーラップしながら進んでいく……という構成になっています。というわけで古典オタクとしては『源氏物語』解説をしたくなるのです!! そういうものなんですよオタクっていうのは!!!
第一話 若紫
紫式部もとい「まひろ」ちゃんの幼少期が描かれた第一話。まひろちゃんは雀を飼っていたのですが、その雀が逃げてしまった、という場面が描かれます。そして逃げた雀を探しているときに――幼い藤原道長と出会うのでした。
そう!!! 逃げた雀が、まひろと道長と出会いのきっかけ!!! これはそのまま、紫の上と光源氏の出会いのきっかけのエピソードなのです!!!
ここでは若紫よりも乳母に目を奪われてそうな光源氏……おい……。
しかし小鳥が逃げて悲しむ様子を出会いのはじまりにする、ってかなりハイセンスですよね。現代の少女漫画にもありそうな感性だ。ちなみにこの後光源氏は、幼い若紫にちゃんと(?)目を奪われているので安心してください。
若紫の描写には紫式部も力をいれまくりですが、今となっては完全に落井美結子さんで脳内実写化されます!!!! あの子役さん本当に本当に上手でしたね……!
ひい、美人。
第二話 夕顔
成長したまひろちゃんは、恋文の代筆業に熱中していました。で、彼女が詠んでいたのが、「夕顔を一緒に見た」というエピソードから考え付いた、こんな歌。
「寄りてこそそれかとも見めたそかれにほのぼの見つる花の夕顔」
これもまた、『源氏物語』の「夕顔」の帖に出てくる和歌です。
夕顔は階級も低く、ふつうなら光源氏と出会わないような低い身分の女性なのですが、「光源氏がたまたま通った道で、一軒だけ白い夕顔がきれいに咲いている家があり、その家に近寄ってみたら美しい女性がいた」という出会いから、ふたりの恋が始まります。
そう、「寄りてこそそれかとも見めたそかれにほのぼの見つる花の夕顔」はだいぶ恋愛上手な男の歌……。ねえまひろちゃん、あのラブレター依頼してきた男性の雰囲気に、全然あわないんじゃない……?
というわけでこの時代はまだ和歌上手ではなかったであろうまひろちゃん。彼は和歌ではなく自分の言葉で恋を実らせていましたね! よかったね! 晴れてまひろちゃんは『源氏物語』のネタにもできたわけですし、双方winwinですね。
ちなみにどうでもいいですが私は文学部にいた頃、国文学科の先輩が「すずらんの花を添えた和歌をラブレターでもらった」という話を聞きました。……先輩、雅すぎませんか……? しかし詩や歌をラブレターでもらうのは文学部あるあるです。まわりではしばしば聞きました。や、和歌はあんまり聞いたことないけど。歌詞やラップならよくある。
第三話 帚木
まだ放送されていないですが、予告を見る限り、きっと、これがある……!