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くるりの20曲によせて

 2020年3月29日。朝起きたら季節外れの雪が降っていた。もう季節まで狂ってしまったのだろうか…嬉しさよりも、どちらかというとがっかりしまった。この日も外出自粛ということで大人しく家でじっとしていたのだけれど、そういや岸田君が「くるりの20曲」というハッシュタグでプレイリストをあげてたので、自分も選んでみようかなと思い立った。ライナーノーツというには痴がましいけど、最近想ってることと合わせて、つらつら綴ってみる。

 選ぶにあたり、まずは1stから聞き直して、好きな曲をどんどん選んでいった。20曲なんてあっという間、参った・・・選べないぞ。なんかルールを決めよう、と思い基準になったのが、今の気持ちだった。ちょうどライブも中止になったタイミングであまり表には出さなかったけど、それなりに落ち込んだし考えたりもした。

 1曲目は「さよならストレンジャー」。くるりの20曲を選ぶなら「さよなら」から始めたかった。Twitterでは面識もない人の意見が、どんどん流れては消えていく。嘘か本当かもわからない事柄に好き勝手に物を言い、とても面白いと思えない冗談やコラージュ画像などにいっぱいいいねが付いてたり、そういうものにうんざりしてまったので「さよなら」というか、距離を取りたい気分だった。だったら、中間にあたる10曲目も「さよなら」で始まる曲がいいなと思って、「さよならリグレット」に決めた。そしたら前半はアルバム曲で固めて、後半はシングル曲にしよう。最後3曲はアンコールの設定にしてC/W曲にしようと決めて、大枠はできた。

 ”希望と云う名の棒グラフと絶望を記すマーカー
   誰が書く
   結局 僕等は何にしない”

 プレイリスト作るときは満遍なくが私のルールなので、なるべく偏らないように色んなアルバムから選ぶようにした。最新作からは「ソングライン」。ここで前半の重たい雰囲気(自分で選んでる癖に・・・)をビールのプッシュ!でちゃらにして、ビールの後は「温泉」。落ち着いたら、みんなで温泉に行きたい。今の私のささやかな願い。シングル曲は割とすんなり決まった。ここいらへんで、くるりの曲って「何処かに行きたい」曲が多いなって気付く。何処へも行けない僕等の曲。

 "スマートに大好きなこの曲と旅に出たいのにな"

 不要不急という曖昧な表現が好きじゃない。そんなもの誰かに決められたくない。毎週、毎週詰め込んでいたライブの予定も、友達と会う予定も不要不急なんかじゃない。全部引っくるめて生活、生きがい。大袈裟に言えば、それが無くなってしまうのなら、別にそんなに生きてたって仕方ないかなぐらいに思ってる。姪っ子の成長は見たいけど。自分自身にはあまり興味がない。

 ”無駄なこと何も言わず
   祈ろう 祈ろう 全部捨てちまいな”

 こうやって文章にしてみると冷めているみたいだけど、そんなことはない。大体いつも物事を想像するときは最悪まで想像する。癖なのだ。予防も大事だけど、なんせ見えないウイルス。100%予防できるなんて保障はない。もしかしたらこの先割と長い期間大好きなライブに行けないだけじゃなくて、ライブという行為自体を見直されてしまうことだってあるかもしれない。一度付いてしまった傷は、きっとそう簡単には治らない。ただ今は、少し歯をくいしばるときなのかなということ。そして、希望のまなざしが闇を切りさくように。最後はこの曲と決めていた。

 "その線は水平線
   大きな 大きな 水たまりだよ"

くるりの20曲 -20200329-
1.さよならストレンジャー
2.Morning Paper
3.飴色の部屋
4.ハム食べたい
5.カレーの歌
6.アマデウス
7.窓
8.ソングライン
9.温泉
10.男の子と女の子
11.さよならリグレット
12.ハイウェイ - LA mix
13.ばらの花
14.ワールズエンド・スーパーノヴァ
15.HOW TO GO
16.街
17.東京
18.pray
19.The Veranda
20.その線は水平線 Ver.2

https://open.spotify.com/playlist/5uSTzHv5L0winy7vBkZ3g2?si=7rrihmN7RHyJqt2J33GjeA

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