お久しぶりの更新です。
大好きな漫画の話をするマガジンです。
家にある数千冊の漫画の中から、少しずつですがたくさんの人にも読んでほしい漫画たちのことを書いていきます。

第3回目となるこちらの作品のお話を。

「王様ランキング」十日草輔　KADOKAWA

マンガハックにて連載中

ざっくりとしたストーリーをご紹介します。

従える部下の強さ、国民の多さ、街の発展、王様の武力によってランキングがつけられる世界。
剣も振れないほど非力で耳が聞こえない王子ボッジの両親は、とても強い巨人で父のボッジ王はランキングも上位。

亡くなった先代王妃の息子ボッジは、新しい王妃の息子（将来有望）と比べられて、国民からもお城の者たちからも笑われて陰口を言われています。
みんなはそのことに本人が気づいていない、聞こえていないと思っているけれど、実は気づいているし唇の動きで言われていることもわかっているボッジ。それでもいつも笑って、誰にも涙を見せない強さを持っているのです。 

そんなボッジが出会うのは暗殺や盗みを得意とする「影の一族」の生き残りのカゲ。カゲも他の人と同様に最初はボッジのことをバカにして、ただの金ヅルだと思っていたけど、ボッジの強さを知って友達になることを申し出ます。

そこからボッジの人生が変わっていく様子を描いた漫画です。

ストーリーが進むとボッジのことやカゲのこと、周りの人たちのことが少しずつわかってきます。
ストーリーはもちろん面白い。けど何よりもグッと心を惹きつけられたなは、少しずつ登場人物たちのことを知ってわかってくると誰もが完全な善でも悪でもないということ。

ボッジにいじわるをする人たちにも、好きな人、守りたい人がいてただただ「世界を滅ぼしたい！」という大魔王みたいな人もいないんです。
誰かを守るために嘘をついたり、好きな人とただ一緒にいたくて暴走したり、ボッジのためを思って唇を噛み締めながら試練を与えたり。

最初はなんとも思ってなかったキャラクターも、その気持ちや背景を知ると好きになってしまいます。話が進むごとに好きなキャラクターが増えていく漫画なのです。
西村の推しはヒリング王妃です。

世の中はどうしようもなくしんどいことがたくさんあります。
正直自分ではどうにもできないことも、どうにもならないことも。
そんな中で、「王様ランキング」は“強く生きる”ことよりも、“折れても立ち上がることができる”、“周りには思っているよりも自分のことを想ってくれる人がいてくれる”ことを思い出させてくれました。

誰かを守りたいという気持ちは何にも代え難く、なによりも強い。

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