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映画「君の名前で僕を呼んで」の感想


こんにちは。
本日はアマプラでもうすぐ見放題が終了すると情報を得て急遽見た「君の名前で僕を呼んで」の感想を書きます。

~あらすじ~
1983年夏、北イタリアの避暑地。17歳のエリオは、アメリカからやって来た24歳の大学院生オリヴァーと出会う。彼は大学教授の父の助手で、夏の間をエリオたち家族と暮らす。はじめは自信に満ちたオリヴァーの態度に反発を感じるエリオだったが、まるで不思議な磁石があるように、ふたりは引きつけあったり反発したり、いつしか近づいていく。やがて激しく恋に落ちるふたり。しかし夏の終わりとともにオリヴァーが去る日が近づく…。(Amazon prime videoから引用)

まず、映画を見始めて思ったのが、避暑地で夏を過ごす優雅さがすごい。私はまだ寒さの残る3月にこの映画を見たので、夏の映像がそもそもまぶしいのに加え、夏の虫たちの声と映画の日中によく入る牛の「モ~」という鳴き声からなんとも言えない胸がきゅっとなる気持ちになりました。美しい街並みと美しい自然の風景、豪華なおうちとご飯、おしゃれな家具、どの場面を切り取っても絵になるな、と思いました。
学がなくて申し訳ないですが、海外の人たちは夏に避暑地なんてところに行ってあんな優雅に過ごすものなんですか?日本でも田舎に別荘を持ってて…みたいなのあったりするけど、そういう感じなのかな?まず、田舎に避暑地に行って川を泳いで、音楽を聴いて、自転車に乗って、たばこを吸って、めちゃくちゃ素敵な生活ですね、いいな~。
時代が1983年ということもあって携帯電話や電子機器がない時代だというのもこの田舎の映像を美しくしている一つの要因に感じます。川に泳ぎにいくシーンが頻繁にあるんですけど、もし今の時代(というか日本?)だったら急に川に行って泳ごう!とはならない気がするし、携帯は濡らせないからどこかにおいておく必要があるな、とか思うけど、映画ではチャリを投げ飛ばし川にインしてたんですよね。憧れますね。

あと私はそこまでたくさん映画を見ないからかもしれませんが、オリヴァー何考えてるんだろう?と良く思っていました。英語の理解力が無いから字幕で見ているので、字幕では補われていない表現や詳細もあったのかな。そこで理解が追い付かなかっのかな。もう一回見たら発見があるのかな?私はオリヴァーがエリオと関係を持つ以前に、オリヴァーがエリオに好意を抱いているように見えなくて、オリヴァーがエリオを受け入れ好意を寄せていると伝えあうところで「え!そうやったんか!」とびっくりしました。なので、最後のシーンでオリヴァーが婚約すると知って、ちょっとオリヴァーが悪い大人に思えました。17歳の少年が悪い大人にたぶらかされたようにも見えた。

でも、オリヴァーが最後の電話で、エリオのオリヴァーに対する気持ちをエリオの両親が受け入れてくれていることに対して「僕だったら矯正施設行きだ」というような発言をしていたところから、きっと作品の中では描かれていない彼の生い立ちや彼のセクシャリティなどに対する葛藤があったのだろうということを勝手に想像しました。エリオとオリヴァーはユダヤ人という共通点がありましたが、ユダヤ教(ユダヤ人=ユダヤ教徒でもないのかもですが)では同性愛はどのように考えられているんでしょうか。どちらにせよ1983年ではまだ現代のように同性愛が受け入れられていないのかな、と思えます。オリヴァーがこれまでどんな人生を歩んできたのか分かりませんが、彼にとって、エリオとの夏の思い出が彼がエリオに電話で伝えたように忘れられないものになってほしいな~と思いました。

エリオの両親もとても魅力的なキャラクターでした。
エリオとオリヴァーの関係を見抜いて、受け入れて、そのうえで肯定する言葉を息子に投げかけることができるって、すごいですよね。
オリヴァーが去った後に悲しみに暮れるエリオに、お父さんが投げかけた言葉がとても素敵で、きっとこの作品が賞賛される要因の一つになっているんだろうな~と思いました。

これからエリオとオリヴァーはどうなってくのかな?とエリオが涙を流すエンドロールを見ながら考えていました。きっと二人の中の忘れられない思い出として残っていくということなんでしょうか。私がオリヴァーの奥さんだったらそれはそれでめちゃめちゃ嫌ですね。でも、どうしようもなく魅力を感じて、ひかれあっていてしまう人物に出会えたこと(しかも北イタリアの避暑地なんていうドラマティックなロケーションで)はなんだかうらやましいです。
もしかしたらオリヴァーにとって初めて自分のセクシャリティが受け入れらた場所かもしれませんし。エリオとオリヴァーの場合(私にはエリオの心情しかくみ取れなかったのでエリオの気持ち的にですが)性的に魅力を感じた部分もあったかもですけど、互いのキャラクターとか学があるところをリスペクトしあっていて、それも良かったです。
エリオがだんだんとオリヴァーに惹かれながらも葛藤していく様子や迷いなら、思いが通じ合った後も彼がここから去るさみしさを常に抱えている表情も、切なく愛おしかったです。

全体的に、映像がきれいで17歳のエリオがかわいくてピアノの音色が美しいという印象でした。たばこすごい吸うな~とか、めっちゃ踊るやんとか、そういう世界もしれて学びになりました。
サウンドトラックも楽しみたいと思います。


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