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ジブリ映画レビュー 借りぐらしのアリエッティ

製作 2010年
監督 米林宏昌

とある郊外に荒れた庭のある広大な古い屋敷があった。
その床下で、もうすぐ14歳になる小人の少女・アリエッティは、
父ポッドと母ホミリーと3人でひっそりと静かに暮らしていた。
アリエッティの一家は、屋敷の床上に住む
ふたりの老婦人、女主人の貞子とお手伝いのハルに気づかれないように、
少しずつ、石けんやクッキーやお砂糖、電気やガスなど、
自分たちの暮らしに必要なモノを、必要な分だけ借りて来て暮らしていた。
借りぐらしの小人たち。
そんなある夏の日、その屋敷に、
病気療養のために12歳の少年・翔がやって来た。
人間に見られてはいけない。見られたからには、引っ越さないといけない。
それが床下の小人たちの掟だったが、アリエッティは翔に姿を見られてしまう。
「おまえは、家族を危険にさらしているんだぞ」
アリエッティは、父に反発する。
「人間がみんなそんなに危険だとは思わないわ」
アリエッティは、生来の好奇心と向こう見ずな性格も手伝って、
次第に翔に近づいて行く。(アマゾン商品紹介より)


小人が主人公で、ストーリーも小さくまとまってるんだけど、
その小さい物語の中でよくぞここまで心にしみる話に仕上げたものです。
これはこれで泣けるんだよな~
心臓病を患っていた少年が、
小人を見てしまい、何とか仲良くなりたい、と思うのだけど
それは小人らにとって、かえって危険にさらす行為で、
樹木希林が声を演じるハルさんにも見つかってしまい・・
アリエッティのお母さんがハルさんに捕まってしまう。
アリエッティは少年に助けを求め、二人が協力してのお母さん救出劇
がこの作品の山場です。
しかし割とあっさり助けられて・・・。
ハルさんがもうアリエッティたちにとっては凶悪な巨人なんですけど


まあ、他の作品の悪役に比べればスケール小さい悪役で・・・
ハルさんが小人を捕まえたいのは、別に、世間に知らしめて売名しようとか、どこかに売って金儲けしようとかいう事ではなく
ただ、女主人貞子に自分が小人を見た、という事が嘘じゃないと証明したいだけ。
それでも、小人たちは掟によって引っ越さなくちゃいけなくなる。
そして、少年とアリエッティの別れのシーンでおわり。

救いたいと思うんだけど、結局救えず・・。
むしろ追い出すきっかけになってしまった。
だけど救いたいと思ったことは決して無駄ではなく、
そこから自分の生きる勇気をもらうという話。

描いていることは「思い出のマーニー」と同じです。

思い通りにいかないすれ違いと切なさ
そこにある素朴な優しさが

じんわりと心に響きます。

米林さんの2作品。確かにジブリの遺伝子は受け継いでいますが、駿さんにも高畑さんにもない、オリジナルの哲学持ってるようで。
なかなかいいじゃないですか~。


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