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サノスは本当に悪者なの?|映画『アベンジャーズ インフィニティ・ウォー』を観て

こないだ映画館で『キャプテンマーベル』を観て、『アメコミ苦手だと思ったけど、やっぱ面白んじゃね?』と思い直し、AmazonPrime Videoの週末セールで『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』が100円だったので、観ることにした。

色々思うところはあるんだけど(新しいスパイダーマンやっぱり見ようとか、アイアンマンの中の人が好きだ!とか)悪役のサノスが、なんだか悪い奴に思えないのだ。ちょっと待って、アベンジャーズも話聞こうよ!って気持ちになってしまうのだ。これは私だけなんだろうか。。。

簡単にあらすじ

最強の敵サノス。
彼はいろんな星々を攻撃して「インフィニティ・ストーン」を集めていた。スペース・ストーンを6つ集めると脅威的な力を手に入れることができる。サノスは、その力を手に入れて、宇宙の半分を灰にしようと目論んでいた。それを阻止するために、アベンジャーズ、そしてマーベルヒーローたちが結集して立ち上がるーー。

石を守る者と、奪う者の戦いストーリーですね。

なぜ、サノスは石を集めるのか。

サノスが「インフィニティ・ストーン」を集める理由。それは、人口増加によって生じている貧困を解決するため。(と、私は理解している違ってたら教えてほしい)別に、最強の力を手に入れた俺カッコイイとか、殺戮気持ちいい〜とかじゃないんです。(いや、本心はそこなのかな?サノスが明言しないだけで)

これまでサノスは、人口増加を是正するために、他の星を襲い、一方的かつ暴力的に虐殺を行い、人口を減らしてきたのです。それにより、肉親や友を殺され、私怨を募らせる人も多いでしょう。でも、人口が減ったおかげで食料は等しく行き渡り、みんながおなかいっぱい食べて豊かで幸せに暮らせるようになっているのです(それも20年くらいで達成)。

そして今。サノスは自らが行ってきた虐殺を終わらせるために、石を集めている。石を集めると、すごい力が手に入り、指パッチンで人口の半分を消滅させることができる。逃げ惑う人を追いかけ回し恐怖を与えることも、射殺、刺殺、撲殺などの痛みを与えることもなくなるのだ。

指パッチンで死ぬ人々は、砂のようにサラサラとして空気中に舞っていく。10秒もかからない。本人もあれあれ?っと思っている間に跡形もなく散っていく。封神演義の妲己ちゃんのラストみたい、と考えるとそんなに不幸じゃないかもしれない。

サノスの正義。それを止める正義とは、

・宇宙規模の貧困を無くしたい
・身分や美醜、富貧などに関係なく平等に
・命を奪うなら、せめて痛みが無いように

これらを考えてサノスの行動は起こっている。これ、止められる正義ある?

もし、あるとしたら、人々を殺さない方法で「宇宙規模の貧困を無くす」方法を編み出せる人では。もしもしサノスさん、こういう方法あるから、人殺さなくていいんじゃ無い?って言える人だけでは。けして、暴力でサノスをねじ伏せることは正義じゃないとおもう。

特に「平等に」って難しい。行政は、70個のおにぎりを100人に配るってことが苦手だ。1人1個平等に配れないからと、おにぎり全てをダメにしてしまったりする。それをサノスはやってやろうとしているのだ。感情を省くことで。

ワカンダ行きは、不平等の極みでは。※ネタバレ?※

インフィニティ・ストーンが頭に埋まってる人がいた。石がサノスの手に渡るくらいなら、自分を殺して石を破壊してほしいと言った。「自分一人の命と、世界半分の命。救うべきは後者だ」と。ものすごい覚悟。カコイイ!

だけど、それを周りは止めた。「たとえ一人でも殺したくない」「石を頭から取り外してから、壊せばいいよ!」と。(確かに、恋人や友人はそう言うよね)

その、石を取り外す手術を行えるのが「ワカンダ」だった。古い馴染みがいたこともあって(?)、あっさり受け入れてもらえ、手術は始まる。しかし難航。そこへやってくるサノスの手下。ワカンダの戦士は、石を取り外す時間を稼ぐために果敢に戦う。

・・・いや、待って待って!一人を救うためにいっぱい死んでるじゃん!本末転倒じゃん!!

ほらね。感情が絡むと「平等に」ってのが途端に難しくなるんだよね。

目の前の脅威と、問題の根本を間違えるな

そこを間違えてはいけないと思うのだ。

人(宇宙人?)を殺めてはいけない。それも暴力的に、一方的に殺めるのはもってのほかだ。そこは同意。サノス、ダメな子。

でも、サノスの考える根本の問題は「宇宙規模の貧困」。それの解決策を示さなくっちゃ。暴力に暴力で返してどうするのだ、と思ってしまうのだ。(もちろん自己防衛は必要だし、それを否定するつもりはないけど)

アイアンマンの人とか、超頭いいし、実行力もあるんだから、そこんところどうにかならなかったんだろうか。こうしたら貧困なくなるから、地球は攻めなくていいよって。

例えば、医大の女性受験生一律減点問題

テストの点数を意図的に操作する、合格の基準を意図的に操作する。それは確かにいけないこと。でも、これは表面上の脅威でしかない。根本は、医療現場の過酷な労働環境。夜勤明けで日勤に入る。病院に患者がきたら見ないといけない。丁寧な診察をしようとすると待ち時間が長いと怒鳴られ、効率的に進めようとしても患者の身の上話を聞かされ遮ると冷たい医者と罵られる。

ギリギリ以下の人数で現場を回しているのだ。だから体力ないと困るし、産休育休で休まれると困るし、子育てでやめられるなんてもってのほか!になってしまうのだ。

「女性差別する医大なんてサイテー」と思う人は是非、今から健康的な毎日を過ごしてください。怪我は仕方ないかもしれないけど、生活習慣病とか自制でどうにかなるものはどうにかして。病気が重くなる前に、ちゃんと検診受けて。自分が外来を受けるときも、問診票は自分でちゃんと埋めて、待ち時間長いのもそういうものだと受けれて、クレームで人の時間奪わないでください。

医者の仕事が減れば、医師は体力勝負だからとか言われなくなって、産休・育休だってちゃんと取れるようになって、女性だからという理由で差別されることなんて無くなりますから。健康に生きましょう!!

あ、映画の話からそれちゃった。

アベンジャーズは戦う前に、
貧困解決策を出すべきだったと思う

というのが、個人的な結論です。これじゃ映画にならないんですけどね。正義と正論はちがうんでしょうね。

『アベンジャーズ/エンドゲーム』が公開されます。(2019年4月26日〜)サノス死んじゃうんだろうな。モヤモヤ。

関係ないけど、コカ・コーラ ゼロのアベンジャーズ缶かっこいいので、見てみてください。それではアデュー。

https://www.cocacola.jp/2019avengers4/op/

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