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【J2リーグ】新たなる可能性と強みの開放【ロアッソ熊本対ジュビロ磐田】

こんばんは、かなり遅くなってしまいましたが試合を見ることが出来ましたのでレビューを書いていきたいと思います。

とりあえず戦前のデータ。

直近5試合、全く勝ててない相手。。
それでも熊本も爪を研いできているだけに、力を示したいところ。

スタメンとシステム、得点者は以下の通り。

得点者
3分 ドゥドゥ(磐田)
8分 山田大記(磐田)

◼️前半
熊本は週半ばに天皇杯、しかも120分フルで戦い抜いてからこの試合に臨んでいることから、疲れは心配のひとつ。

さぁどうマネジメントしていく?と思ったらいきなり失点。
しかも3分と8分、時間を置かず連続で失点してしまって、マネジメントも何もなくなってしまいました。。
左ウイングは松岡→東山に変わってはいたものの、プレスはこのチームの根幹を成す戦術なだけにやれる、と思っていたらキレイにクロスが上がってしまいます。
普段なら中で跳ね返してくれる安心感もあったし、磐田の前線は高さや強さを前面に押し出してくるタイプではなかっただけに、跳ね返してくれるかと思いきや、微妙なところにクロスが上がり、3分にドゥドゥが味方のトラップを横取りボレーで先制。。
8分には同じようなアーリークロスから、今度はファーにいた山田の美しいボレーで田代ノーチャンスの失点。。

この2失点は、完全に疲れからフワッと試合に入ってしまっていた証拠。
失点した後もヌルっとした感じがあって、天皇杯の疲れ恐るべし…!と感じざるを得ませんでした。
普段なら江﨑辺りが締めて跳ね返しますし、天皇杯で休みをもらっていた黒木辺りがカバーしなければいけないところ。
ハイプレスも出来ていませんでしたし、コンパクトに出来ていない状態で3バックを丸裸にされると熊本は厳しいです。

何はともあれ失点は失点。
前半10分まででいきなり2点を追いかけることになった熊本。
ギアを上げてガンガン仕掛けていく…かと思いきや、プレーが淡白。
疲れもあるのかな…と思いきや、磐田の戦略であることが徐々に分かってきます。

4-4-2でまず守備ブロックを形成。
2トップはアンカー役の上村を消す形で横並びになります。
プレスは守備的プレスにとどめ、プレースペースを作らせないことが前提の守備。

低めのラインで熊本を迎撃

熊本の3バック同士がパスを回したり、ドリブルで前に運ぶのは許容範囲としている様子でした。
プレスのスイッチはサイドハーフ。
3バックからパスが回ってきたらサイドハーフがプレスして押し戻す感覚。
ボールが奪えればなおよし、奪えなくても3バックへ押し戻すことが出来ればよし、と割り切った印象でした。

特に東山は鈴木に封殺されている印象があり、ボールの奪いどころに設定→そのまま前進する拠点ともなっていました。
大本もドゥドゥと松原のWチームで封殺されてしまっており、松原との1対1で勝負するところまでいけていないのが現状でした。。

こうなると+1の動きをしてくれる島村や、抜群のキープ力を誇る平川に預けて打開したいところですが、ここにも磐田の守備。
平川は2セントラルMFで管理されているため前に楔のパスが刺せず。
島村に至ってはMF上原とCBのリカルドグラッサで管理されており、特にライン間で受けようとすればリカルドグラッサがラインブレイクしてチェックにきます。

黒木がドリブルで運んで前進はするものの、そこから前が完全に詰まってしまった状態になってしまっていたのでパスも刺せず後ろに戻す、ということが続き、そのまま前半終了。

◼️後半
ハーフタイムに熊本が交代選手を投入。
左ウイングで機能しきれてなかった東山を下げて松岡、粟飯原を下げて伊東俊。
公式戦では初のゼロトップのような形にして追撃を図ります。

本来、ゼロトップをやるのであればワンタッチ、ツータッチで捌けるフィジカル的にも負けない選手を最前線に置いて、その選手が開けたスペースを突破力のあるウイングが突いて打開を図るのがオーソドックス。
そこを伊東俊にやらせるのは若干荷が重いのかな、という感はありました。。
もしやるなら平川を最前線に置いてレイオフ→伊東から展開、という形ならまだ機能したかも。
この形はそもそも、低いラインでブロックを敷く相手を崩す為の対策だったのかもしれません。

ゼロトップ採用時の狙い

これだとチームの強みであるボールキープ力の完全なる解放には至りません。
このままですと2枚のセントラルMFとCBとで管理されてしまう可能性がありますが、後ろの3バックがボールを運べますしボールを回すことも出来ますので、ここでまずリスク管理まで含めて前進。

そして全体をコンパクトにした状態で伊東が下がってくる→縦パスを刺す→レイオフで平川が前を向ける状態を作り、引き出されたCBの裏に松岡、島村の両ウイングが走り込む、ここまでの形が出来て初めてゼロトップの本領発揮となるかと。

このゼロトップ、公式戦では初披露となりましたが熊本にまた新たなる可能性が生まれたな、と感じました。
もちろん使いどころは限定されますしまだまだ練り上げる必要はありますが、これがもし機能すればJ2リーグでは屈指の攻撃力を得ることになります。

…とここまで書きましたが、試合自体は初披露となったゼロトップがいきなり機能するわけはなく、伊東と平川、島村で中央が渋滞してしまって余計に攻撃が停滞してしまいました。。
そして磐田もそれに付き合うような形でペースダウンし、スコアは前半のままタイムアップとなってしまいました。

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