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【J2リーグ】機能しないよゼロトップ【第27節 ロアッソ熊本対ファジアーノ岡山】

こんばんは、なかなかレビューを書く時間が取れず遅くなってしまいました。。
後れ馳せながら、対岡山戦のレビューを書いていきたいと思います。


直近5戦のうち3戦が引き分けということでパンチ力に欠ける両チーム、対戦成績全体で見ると負け越しているので今日は勝ちたいところ。

そんな両チームのスタメン、システムは以下の通り。

◼️前半
ゲームの流れとしてはボールを持つ熊本、受けて立つ→カウンターの岡山という形に。
岡山の前線2枚が守備的プレス、サイドハーフも最終ラインに吸収される形になるため、熊本のボールキープが容易に。
なおかつ3トップの中央にトップ下が本職の伊東俊を置いていることもあり、アンカー脇やウイングバック的な動きをするサイドハーフの前のスペースを使うことが多かったです。

熊本の保持時の布陣

熊本は保持時は3-1-5-1のような形になり、5レーンを埋めてパスコースや選択肢を増やしていく形を志向していますが、この日もその形で岡山を脅かします。
特に右ウイングの島村は内に入ったポジショニングをしたかと思えば、上村と同じ高さまで下りてきてボールを引き出します。
これにより自然と右サイドでのビルドアップが増えていきます。

でもこれだとひとつ問題があります。
『なんのための伊東トップなの?』という問題です。
右サイドでボールを引きだし、左サイドで仕留める、というのは仕組みとしてあっていいと思うのですが、この一連の流れに伊東が殆ど絡んでこない。
だからといって、しつこいぐらいに伊東を真ん中に据えて使っていく意図が見えてくる、ということもないんですよね。

トップに伊東を置く、ということは裏抜けや最終ラインをピン止めするポストワークを求めない、ということでもあります。
その代わり求められるのは中盤に下りてきてパスワークを円滑にすること。
あとは引き出したCBの裏のスペースに目掛けて突っ込むウイングやトップ下、サイドハーフへパスを出すことです。
そこを一番求められての起用なのに、やっていることはライン間をフラフラ漂うのみで、意図を持ったアタック、というところまではいきませんでした。
これだったら粟飯原スタメンでよかったのでは?と感じてしまいました。

消化不良な保持面の話はこれくらいにして、非保持面ではどうだったか?というと、これまた消化不良です。

非保持時は5-4-1になる熊本は、前線から伊東がプレスする形を時折見せましたが、基本はひとりで追いかけるだけなので後ろとの連携はなし。
早めに5レーンを埋めてしまい、人と言うよりスペース、レーンを管理する形の守備に変わっていきます。

もちろん人を見る意識は変わらないのですが夏の暑さもあってかトランジション時のハイプレスはあまり激しくせず、早めに撤退してしまいます。

ならばハイボールで負けないような形が出来ていたかというと、何度も櫻川にボールを収められては末吉や佐野のサイドハーフ、3センターにボールを供給されていました。
前々から書いているように、このチームは守りきる設計をされていないチームです。
極端な話をすればマンチェスター・シティのように攻めて攻めて、攻め抜くチーム。
守りも攻撃の準備のためにやるもので、後ろにブロックを築いて弾き返す、というやり方はチーム設計と全く違ったもの。
ロングボールで押し込まれ、後手の対応をさせられている時点でチームとしてはバツな対応、ということです。

保持のところでも話しましたが、伊東を何故起用したか?というところにまた立ち返ってしまいます。
ファーストプレスの強度、戦術理解度、スピード、やはり物足りなさを感じてしまいました。
保持の面で物足りないのはまだしも、非保持の面で物足りなさが出るのは深刻です。
もちろん、ひとりで全てやれるほどサッカーは単純ではありませんが、やり方によっては1+1=2以上のものが出せるのもサッカー。
伊東のボールキープ、パス、得点力はチームにとって貴重な資源。
ACLに出場するような、選手層が厚いチームとは違うので一層の工夫は求められます。

守備でいい循環が得られないことから、23分に失点します。
左サイドでボールを持った佐野からパスを受けた田中雄大がシュート、ゴールを陥れられます。
40分に竹本が島村のドリブルのこぼれ球を押し込んで同点にしますが、攻守のちぐはぐ感は前半ずっと続いていきました。

◼️後半
後半に入っても、ちぐはぐ感は続きます。
外回りでボールを回す分には最終ラインも入れてボールを回すので、ある程度回るのですが裏のスペースにボールを入れるとなるとその前の準備が出来てないので跳ね返されるかその前にバックパスで戻すか。
なかなかゼロトップが活かされません。

状況を打破しようと先に手を打ってきたのは岡山でした。
54分と68分、前線、サイド、中盤に一気に新しい力を注入してきました。
熊本は72分に粟飯原と道脇、FWふたりを投入して前線にポイントを作りに出てきます。
ここからオーソドックスな大木サッカーを展開していきましたので、ゴールに迫る機会も増えていきます。

ですが追加点を手にしたのは岡山。
86分から出てきた福元友哉が左サイドでボールを持つとクロス性のボールがそのままゴールイン。
熊本としては勝ち点1を分け合う形か…というのが見えてきたところでの失点だっただけにかなりガックリ来た失点でした。。
結局そのままタイムアップとなりました。

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