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【J2リーグ】爆発力と持続力と【藤枝MYFC対ロアッソ熊本】

こんばんは、今週もロアッソ熊本の試合レビューを書いていきたいと思います。


今回はJ3で何度も闘った藤枝との対戦。
熊本は清水戦で惜しくも敗れているだけに、連敗は避けたいところ。
藤枝も4戦負けなしで来ており、ここもまた負けたくない、という双方の思惑が絡み合う一戦となりました。

そんな両チームのスタメン、システム、得点者は以下の通りです。

得点者
16分 大本祐槻(熊本)
17分 島村拓弥(熊本)
40分 粟飯原尚平(熊本)
46分 松岡瑠夢(熊本)

◼️前半
お互いがハイプレス、ポゼッションを得意とするチームなだけに、序盤から試合は激しいものに。
最終ラインからビルドアップしようとするのも同じなら、それを阻害しようと前からハメにいくのも同じ。
違うとすれば最終ラインからのビルドアップのやり方が違うだけ。

藤枝のビルドアップ

熊本と大きく異なるのが、まずGK。
パス回しに加わるのは同じですが、ポジショニングが大きく異なります。
4バック時の左CBのような位置取りをし、次にCBも左右のCBをSBのような位置取りをさせます。
そしてWBを押し上げて幅取りをさせます。まるで昨季のサガン鳥栖の最終ラインでのビルドアップを彷彿とさせるような形を取り、前進を図っていきます。

これに対し熊本はGKと中央のCBに対しては粟飯原が、SB然としたポジショニングをする両CBに対してはウイングの松岡、島村がそれぞれマークにつく形で対応します。
熊本のハイプレスが効いたのか、藤枝は最終ラインから前進することが出来ず、だからといってハイプレスをひっくり返すロングボールを蹴る訳でもなく、膠着状態に。

結局、無理に縦パスをセントラルMFやトップ下の選手に刺して、カウンタープレスで引っ掛かる結果に。
こういったプレーは熊本の得意なプレー。
ここから熊本のペースになっていきます。

最終ライン+GK+上村の5人のビルドアップ隊でパスを回し、右サイドから下りてくる島村、竹本に縦パスを刺していきます。
勿論藤枝もハイプレスを掛けてくるのですが、藤枝とは文字通り桁違いの練度でパスを回していき、プレス回避していきます。

ここで大きくものを言ったのが、中盤でフリーマンの如く動き回る島村の動きです。
元々のポジションは右ウイングですが、久保建英の同僚のダビド・シルバやマンチェスター・シティのベルナルド・シウバのようにポジションを変えつつ中央や時には左サイドまで動き回ってパスを受けることでボールを引き出していきます。
これには藤枝のセントラルMFやCBも、どちらがマークするのか?誰がマークするのか?でかなり戸惑っていました。
おまけに実際ボールが島村に入ったとして、ボディコンタクトしても簡単には倒れませんし裏返しで更に前進することもしばしば。
特に前半は藤枝のDF陣がほぼ捕まえることが出来ず、独壇場となっていました。
結果、前半のゴール全てに島村が関わっており1ゴール3アシストという恐るべき結果を挙げてしまいました。

◼️後半
後半、ハーフタイム時点で藤枝が流石に手を打ってきます。
左CBと中盤にテコ入れをし、島村の下りる動きやラストサードでの動きを阻害しようとする思惑があったのでしょう。
それと同時に前半30分くらいから緩くなっていたハイプレスを復活させようとしたところもあったかと思われます。

それと同時に右WBの久保を使ってドリブルによる前進を実現していました。
更にそこからトップ下の横山や渡邉といった前線の選手を使うことで前進、フィニッシュまで狙うようになっていきます。

ここからカウンターを狙いたい熊本は、松岡を下げて突破力のある東山を投入しますが、その際に島村も下げて大崎を投入するのですが、ここで潮目が大きく変わります。

島村が行っていた下りてパスを受ける動き、左右のライン間を取る動きがなくなってしまい、パスによって前進が難しくなってしまいました。
大崎は特徴が違い過ぎますし、大崎は最前線でロングボールを収めたり、ハイプレスの1stDFとして走り回らせるのがより正しい使い方。
一応、右ウイングとして足元にボールを何度か受けていましたが、足技にはかなり不安があるせいかボールの取り所に設定された節がありました。
ハイプレスでは走り回って何度も相手にボディコンタクトを仕掛けていましたが、後ろが連動しておらず無駄追いになることも。

それと重なって暑さとそれまでの消耗もあり、次第にハイプレスが間に合わなくなっていきます。
そしてここからは藤枝がポゼッションし、熊本に襲い掛かってきます。

熊本もテコ入れとして藤田、土信田を投入してパスワークの復活とロングボールの収めどころをふたつに設定するように。
ハイプレスをひっくり返す動きを狙いつつ2ndボールを拾ってポゼッション回復、といきたかったのかもしれません。
その代わり右の大外を走る大本を下げてしまったことで、ポゼッションに必須の横に広げる動きが少なくなり、また土信田が想定よりボールが収まらず、ここもボールの取り所に設定されてしまっていました。
攻撃を受け続ける熊本、86分にやっと阿部海斗を投入して守備を固めるようになります。

得点ランキングトップを走る渡邉をトップ下に下げて岩渕をトップに張らせる謎の采配にも終盤助けられ、何とか試合終了。
勝ち点3とクリーンシートを手にしました。

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