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【プレミアリーグ】ジェラードのゲームモデル分析、やってみた【第17節 ノリッジ対アストン・ヴィラ】

いつもお読みいただき、ありがとうございます。

今までなかなか出来ていなかったんですが、現在アストン・ヴィラを指揮するジェラード監督が採用するゲームモデルの分析を今回は書きたいと思います。

何故なら、スコットランドのレンジャーズを復活させ、リバプールの将来の指揮官候補として推されている監督が、一体どのような戦術を用いてアストン・ヴィラを率いているかという興味がまずひとつ。

もうひとつは、リバプールで長年活躍して日本でもファンが多い(私もそのひとりです)ジェラードが偉大なリバプールのレジェンドから指揮官になってどんな道を歩んでいるのか、有能か?無能なのか?という興味があります。
今回は直近のアストン・ヴィラの試合から分析していきたいと思います。

ちなみに両チームのスタメンはこちら。

両チーム共に4-3-3、中盤はノリッジは逆三角形、アストン・ヴィラは3センターの違いはあるものの、ほぼ同じ布陣となりました。


・ボール保持、非保持の布陣

ボール保持時の布陣:4-3-3(中盤は3センター)
ボールを保持した場合、システムを大きく可変させることはなくボールサイドのSB、中盤のボールサイドのセントラルMF、3センターの中央、ボールサイドのウイングで菱形の四角形を作り、パスを繋いで前進していきます。
相手の守備がセットしている場合、ウイングもしくはSBがサイドの高い位置でボールを持ったらインナーラップによりポケットを使いに進出してきます。
使うのはセントラルMFの場合もありますが、サイドプレーヤーの場合もあり、そこは選手の位置で変わります。
ポケットを使う、ハーフスペースを使うという意識は高いものがあります。

ボール非保持の布陣:4-3-3(中盤は逆三角形)
ボールを持っていない、非保持の場合は4-3-3の形を維持しながら今回はドウグラス・ルイスが相手のキープレーヤーをマンマークする、という形をとるのでドウグラス・ルイスがアンカーのような形で若干下がり、中盤の形も逆三角形となります。


・攻撃の主原則

主原則:パスを繋いで前進するが、前が空けば縦に早く展開する場合もあり。

準原則
・SB、セントラルMF、ウイングで菱形の三角形を作り、パスコースを確保する
・パスの優先順位はウイングの前のスペースであり、そこが空けば縦に素早くパスでスペースに向けて展開する。
・SB、ウイングについては高い位置でボールを持ったらインナーラップによってポケットを突く動きを行う。同様の動きをセントラルMFによって行う場合もあり。
・偽SBや偽9番といった複数のポジションチェンジは行わず、あくまで所定のポジションを距離感を図りつつ維持する。


・攻撃→守備の切り替えの原則

主原則:カウンタープレスは行わず、4-3-3の形にセットするまではリトリートしつつ後退

準原則
・ゲーゲンプレス、超攻撃的なプレス等は行わず、前線からのプレスはセンターラインを越えてきた場合のみ行う。
・前線の3トップはCBのボール保持は良しとする。中盤への楔のパスを出させないようカバーシャドーを行い、中央のパスコースを切りつつ中盤と最終ラインは4-3-3の形でセット出来るよう時間を稼ぐ。


・守備の原則

主原則:相手SB、ウイングにボールが入ったところがボールの奪取地点とする。CB、セントラルMFはセンターレーン、ハーフレーンを人を置いて潰す。

準原則
・ゾーンディフェンスの立ち位置を基本ポジションとする。
・ボールホルダーについてはセンターラインを越えてきたところからプレッシングを開始する。
・SB、ウイングへのパスコースを制限するため、カバーシャドーや部分的なマンマーク(今節の場合はドウグラス・ルイスが担当)を取り入れる。


・守備→攻撃への切り替えの原則

主原則:素早く4-3-3のポジションを取ることでポゼッションを回復し、可能なら前進する

準原則
・素早くポジションのバランスを整え、菱形のリンクが作れる状態にする。
・ウイング前のスペース、あるいはポケットが空いていたら積極的にランニングする
・ポゼッション時はボールを失わないことが前提、GKやCBへのバックパスも良しとする。

かなりざっとではありますが、今回の試合で見えた傾向から書き出してみました。
パスコースの作り方はコンテがよく使うチェーンという手法を使っていて、攻撃で縦に早く展開できるなら早く、というのも共通しています。

守備は意外とマンCと共通点が多く、ゾーンディフェンスを採用しつつマンマークの併用、カバーシャドーによるパスコース切り、この辺りはペップ・グアルディオラとも共通点が多く、難しいことはさせてはいないものの要所ではしっかりと最先端の戦術を浸透させていました。


・おわりに

いつものテイストとはかなり違いますが、たまにはこういうのもいいかなと思い、書いてみました。

ご要望等があれば、随時分析などしていきたいと思います😊

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