マガジンのカバー画像

小説たち

61
ニュイの書いた小説達をまとめています。
運営しているクリエイター

#おうち時間を工夫で楽しく

海の見える高台と神様

「このままではダメになる」 そう思った僕は白のサンダルを引っ掛けて、 古びたアパートを飛び…

小説の書き方について

こんにちは! 初めましての方も、 そうでない方もお立ち寄り下さり、 ありがとうございます!…

シャルレ二番館月明りのディスタンス

「月明かりが綺麗ね」 妻の花蓮がそう呟いた。 外を覗くと煌々と空高く、 まんまるの月が登っ…

シャルレ二番館の闘いたい学生

古く煤けた畳のうえに大の字に寝転がってみる。もう1週間近くまともに外に出ていない。 辺り…

シャルレ二番館の出会い

when the night has come and the land is dark… 夜が訪れて 大地が暗くなるとき And the mo…

シャルレ二番館の思ひ出

さっきまでベン・E・キングのstand by meが 隣の部屋から聴こえてきていた。 娘の敦子は隣の部…

それは田舎暮らしを決めたひとりの男性の朝の話し。

夜が明けようとしていた。 ヒュゥ…プクプクプク…とケトルの音が鳴り ほんのり熱めのお湯でぬくめたティーカップに、つい先ほどお鍋で出来たチャイをいれた。 ウバ茶とミルクで炊き出したチャイは口に入れると優しい甘みが広がり、心底ホッと出来る。 もう4月に入ってずいぶんと経ったのに、 外はまだ薄暗く、そして肌寒い。 年季の入った薄茶色のニットのベストを羽織り外に出ると、山桜の花びらが時折ちらちらと舞い降りてきていた。 霧がかかっていて、よくは見えないが今日もけぶる緑のツンと