めちゃめちゃ痩せた。この記事はハウトゥダイエットみたいな話ではないのでそういうのを期待して開いた人は申し訳ない。クリームパンでもかじりながら読んでほしい。

　そもそも太っていたのかという話。20代までは全く太っていなかった。いくら食おうが運動しなかろうが太らなかった。自分がそういう生き物だと思っていた。

　子供の頃はガリガリもガリガリで腹をへこませて肋骨を浮き出させる一発芸で「デーモンの召喚」と呼ばれていた。俺は遊戯王は全然知らない。

　しかし皆も聞き覚えがあるだろうが「そういう奴は30になったら突然くる」という言葉がある。俺も皆と同じように信じていなかったが、30歳になった瞬間いきなり腹が出た。魔法のように突然だった。あの言葉は真実だった。真実だったからみんなそう言っていたんだ。

　腹だけが出た。触ると皮下脂肪があるわけではない。内臓脂肪だ。おそらく酒のせいだろう。あと胃下垂。

　俺はエロ漫画やエロビデオの男が腹が出ている汚いおっさんだと嫌なタイプで、できればそういうエロは見たくない方だ。

　だがエロ漫画やエロビデオを見ながら自慰をしようとすると自分のちんこに目線をやるたびに自分の出ている腹が目に入ってしまい「疎んでいた存在に自分自身がなってしまった」と落ち込む日々を送っていた。

　もちろんなんやかんや調べて出た腹をへこませる努力はした。エアロバイクを漕ぎまくったりやたらめたら走ったりした。が、努力が間違っているのか努力が足りなかったのかはわからないが出た腹はへこまなかった。あまりにも効果が見えないのでいつの間にかエアロバイクも走るのもやめてしまった。

　昨年職場で受けさせられた健康診断で測った体重は自分の人生で過去最大の約70kgに達し、腹囲はメタボリックシンドローム判定ギリギリと言われた。自分がこんなことになるとは20代の頃は思いもしなかった。

　さらに世はコロナ渦。根暗のくせにあちこちでかけて歩き回るのが好きだった俺もウイルスを恐れて引きこもり、運動量はさらに減った。

　が、痩せた。クッソ痩せた。出ていた腹はへこみ、野には花が咲き乱れ、鳥たちは愛の歌を歌った。

　最近の俺の事情を知っている人は察しがつくだろうが原因の1000%はうつ病(正確にはうつ病みたいななんかそんな感じのやつ)になったためだろう。食欲がなくなり1日の食事は1~2食程度になった。

　また好きだった酒も鬱になってからほぼ飲んでない。意外と飲まずにやってられる自分に驚いている。休職しているためだろうか。働いていたら酒を飲まないなんて耐えられると思えない。別に今も飲みたくないわけではないが、酔いが変な方向に入るのが怖いのと薬と相性が悪いので飲めない。

　最近の運動不足が気になったので買ったニンテンドースイッチのフィットボクシング2も一役買っているかもしれない。毎日とはいかないが週4~6で続いている。

　うつ病みたいなのになったのが9月の末なのでこの食生活がだいたい3ヶ月、フィットボクシング2をやったのが2ヶ月ほど。

　なんだかんだで今体重は62kg程度になった。身長から計算すると適正体重を少し下回る。ピーク時から比べると8kgほど落ちている。ポケモンでいうとタッツーが丁度8kg程度らしいのでタッツー1匹分の脂肪を消した事になる。タッツー1匹分の脂肪を想像すると気持ち悪い。

　猫がだいたい4kgくらいなので猫で言うとだいたい2匹分。猫2匹分の脂肪の塊を想像しても怖い。

　体重なんてただの数字で実際の見た目が全てであると思っているのでこんな記録よりも写真を撮っておけば良かったと思っているが、こんなことになるとは思っていなかったのだ。

　うつ病はさっさと治してしまいたいが痩せたのは怪我の功名。健康的な痩せ方とは言えないだろうが、腹だけは元に戻らないようにしたい。もうエロ漫画の汚いおっさんみたいな腹には戻りたくねえ。