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「古今和歌集」でAIアート③(在原業平)

世の中に たえて桜の なかりせば 春の心は のどけからまし

訳:世の中に桜がまったくなかったならば、春の心はのどかだっただろうに(引用:『100分de名著 古今和歌集』渡部泰明著 NHK出版)

桜がそこで咲き誇っているだけでも落ち着かないのに、春霞や春ならではのぼんやりとした光、そして桜吹雪の悪戯で視界が遮られてしまう分、業平の想像力は膨らんで、余計に心は穏やかではいられなかったのでしょう。

そこに来て、真っ直ぐとは相対することが叶わない想い人のことが頭を過った時に、せめて後ろ姿だけでも全景を考えてしまう。

これでまた、業平は気もそぞろ。

純粋だけど、だからこそ濃厚な男の胸の内。
今の世ならば炎上スレスレの精神世界が露見しても、千年前は共感を呼んだんですね。味わい深いです。

ちなみに、この絵を描いたキーワードはこちら。

桜=Cherry blossoms
満開=in full bloom
桜吹雪=cherry blossom snowstorm
袖の長い日本の着物を着た男=a man wearing Japanese kimono with long sleeves
興奮=excitement
恋=love
狂おしい=madness
恍惚=ecstasy
烏帽子=eboshi
日本風建築=Japanese-style architecture
十二単を纏った女性=a woman wearing Juni-Hitoe
御簾の内側から裾だけ見える=only the hem visible from inside the blinds
10世紀の京都=10th century Kyoto
春の柔らかい光=soft light of spring
薄ぼんやり=vaguely

古代の日本文化にまつわるキーワードが、いい感じで無視されていることが分かります(笑)。そりゃ無理もない。

だからこそ、書き手(私)のイメージとは違えども「Japanese kimono」がグローバルに理解されていることに驚嘆します。


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