通学路
家の玄関を開けて外に出る
絵に描いたような雲が広がる青空を見上げる
少しひび割れたアスファルトを歩く
遠くに雪の残る山が見えて
道端にきれいな色した花が咲く
毎日のように通った友だちの家を横目に
ただただ歩く
靴紐がほどけてるのに気がついて
ありんこがせっせと歩いてることにも気がつく
桜がこんなにきれいだなんてことも
子どもの頃は気がつきやしなかった
昔遊んだ秘密基地へと続く道
草でぼーぼーになっている
本当におれたちだけの秘密になっちゃったね
みんなで集まって陽が暮れるまで話した木のベンチも
壊れて使用禁止になってしまった
あんなに幸せだったことも
こんなに特別だったことも
誰も歩いてないこの道を
ずっとずっと歩いてきたから気がついた
もうあの頃には戻れない
変わらない日常を手に入れるために