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ECフィルム上映会


2020年12月11日金曜日-12月13日日曜日 3日間

15:00−21:00(GalleyCafe3の営業中に上映します)

エンサイクロペディア・シネマトグラフィカ(ECフィルム)上映会
入場料500円(当日に限り、途中退場再入場可)+ワンオーダー


ECフィルムの中から、ものづくりをテーマに選んだ15本を上映します。

どれも、5分から30分程のショートフィルムです。

ひとにとって、作るとは何なのでしょうか。

美しいとは、どういうことなのでしょうか。

来年、10年目を迎えるギャラリーからの問いかけです。


*「ECフィルム:エンサイクロペディア・シネマトグラフィカ」は、

世界中の知の記録の集積をめざした映像による百科事典です。

1952年、ドイツ・国立科学映画研究所で、科学映像をめぐる一大

計画が始まり、以後30年近くを費やして数多くの研究者・カメラ

マンが世界各地に赴き、現在は失われた暮らしの技法や儀礼など

の貴重な記録を含む、3000タイトル強の映像アーカイブを制作しました。


イベントのお知らせを冒頭でさせていただきましたが、

このnoteではGallery Cafe 3にて
どうして「作られた後の姿」である作品をお楽しみいただく場である
ギャラリーがわざわざ「作られていく過程」をみなさまにお見せするのかを
お話したいと思います。

もちろん、あくまでもお菓子担当としてギャラリーのお仕事を横目に
見せていただいている立ち位置からのお話ですので、アート(美術、芸術 以下アート)を専門に学ばれてきた方やアートに造詣の深い方には、蛇足であったり稚拙な内容も含んでいると思います。

それでも、あえて、このようにお話しさせてしただくのは、

昔の私がそうであったように
「アートの見方がわからない」、「ギャラリーなんて来たことない」とおっしゃる方々にも、もっと構えずにアート作品や作家さんとの交流を楽しむことを諦めないでほしいと願うからです。

普段アート作品と少し距離のある暮らしを送っていらっしゃる方も、
美術館やギャラリーを巡るのが趣味の方にも、
本日の上映会がよりアートを楽しむきっかけになれば幸いです。


*****
「つくる」とは、

アートの門外漢の私には、いきなり、「ちょっと待った!」がかかりそうなテーマです。

誤解を恐れずに言うと、

「つくる」ということは、結局は「対話する」ことに近い

のだと感じています。

今回は3000本以上あるのECフィルムのアーカイブから「ものづくり」をテーマに、上映するものを選びました。世界各地の暮らしで受け継がれてきたて仕事や、現在では生産性が低いと見なされ姿を消しつつある工業技術の一部を記録したフィルムです。

ですから、これらの「ものづくり」は、そのままアートと同じ意味を持った
作る行為ではありません。
しかし、その行為自身や作られた成果物には、十分美しさを見出す価値を含んでいると感じます。

話が飛躍するように聞こえるかもしれませんが、少しお付き合いください。

ひょんなことからアート作品や作家さんたちと頻繁に向き合う環境に飛び込んでしまった私は、最近になるまで作品や作り手の皆さんとどう向き合えば良いのかわかりませんでした。

けれども、ECフィルムとして記録された過去のものづくりの様子を見るうちに、

作るという行為が、普遍的に、作り手の考えや所作の結晶なのだ

ということに、
今更ながら、しかも当然のことなはずなのに、改めて気づかされ感動してしまいました。

きっと、何を作る場合においても、作るということが、作り手の考えと幾つもの工程を重ねられた行為の結晶だという事実は、大きな視点から捉えると共通することなのではないでしょうか。

コロンビアのアルファコ族が、リュウゼツランで縄を作ることは、
身近な素材で生活必需品を作る知恵と肉体労働の賜物です。

デンマークボンヘルム島のパン焼き、インドのマリカーストの花屋、ヨーロッパの藍染やリボン織りなどは、第一義には貨幣を得るためのものづくりですが、それらが職業におけるノウハウを受け継ぎ、途方もない作業工程を踏んで制作されいるという点では上に例を挙げたアルファコの人々の暮らしの中でのものづくりと同じです。

そして、おそらく、アート作品の背景にも、途方もない制作過程と作り手本人の考えや先達の作家達の技術の下支えがあるという点においては、こちらも上に挙げたものづくりの例となんら変わらないと思ってしまいます。というのも、人が何かをつくりはじめた出発点には、「ものづくり」とアートに境目はなかったはずだからです。

注)アートの語意について
私が、この文章を書くにあたり、「アート」という際は、美術、芸術、学問、技術といったことも含む広い範囲でのアートを捉えています。専門書の中でも「art」を美術、芸術、アートと使い分けて書かれている場合が多くあります。言葉の意味は時代背景によって変化するということも関係しますが、artという言葉には学問、技術という意味が含まれていることもその理由の一つです。

ご興味のある方は
note:https://note.com/というウェブサイトに「美術史たんbot」さんという方が書いた「art=美術なのか?じつはそうとも言えないという話。」という詳しい記事がありましたのでご参考にしてみてください。

EC上映会告知用オモテ

EC上映会告知用ウラ


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