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古着とOL#015 番外編 90年代と…

90年代に着てたもの

『古着とOL』番外編として90年代が青春時代だった自分の洋服クロニクルを書いて、自分の中にある想いを放出して少し軽くなってみたい…それが狙いです。以降、古着の話はありません。あしからず。

折しも、流し聞きしてたラジオから「いわゆる”渋谷系”から30年経った」という話も聞こえて、当時を棚卸してみたくなったので。

さて、わたしが90年代に着てたもの…(古着以外)

  • DO!FAMILY

  • VIVA YOU

  • bulle de savon

  • A.P.C.

  • トランスコンチネンツ

  • zucca

  • X-girl

  • IRONY 

  • national standard   etc…

これにプラスセレクトショップもろもろかな~。

今は無い、今とは全く違うイメージ・デザイナーのブランドも多々。
当時1枚しか持ってなくてもとても象徴的で感慨深い服。

↑挙げた順番は下に行けば行くほど地元船橋には無く、それこそ渋谷あたりに行かないと買えなかったもの。
ここに挙げて網羅したいんじゃなくて
なんとなく当時の(自分の)ムードです。

ネットで拾った”IRONY”のTシャツ画像。
当時竹下通りを少し入った場所にありました。
『Olive』に載っていて勇んで行って買ったTシャツ。
これではなかったけれど。

スケーター と 雑誌『H』(ロッキングオン)

千葉の公立高校に通っていたので、
ソリッドな(?)カルチャーにもまみえず、
当時発売されたばかりの『チーズ蒸しパン』のおいしさに満足していればそれで気がすんでいました。
90年代初頭はそのように『mc Sister』とグッドガール(っぽい)時代。

93年12月号。モデルは妙子ちゃん?

90年代後半の『Olive』はリセンヌじゃない

そして大学生になって
”当時のOliveの表紙を見れば第2特集まで分かる”位には読みこみました。
当時のスタイリング(今でも現役でご活躍の岡尾美代子さんページなど)が私のおしゃれの「ABC」を作ったのは間違いありません。

REMIXだった

音楽にも言えることですが、
90年代とは50年代から70年代のアーカイブがあって、それを組み合わせて再解釈する”REMIX”というのが、あたらしいおしゃれ手法だった気がします。
音楽ならば、DJとクラブが盛り上がり始めた時代。

ファッションならモノクロ映画や『アニーホール』なんかがお手本。
それを新しい服と古着を組みあわせて着こなしたり。
これが90年代の中ごろまでだったのかな?
『Olive』の代名詞ともいえる”ロマンチックリセンヌ”なムードより
サッパリしていた気がします。そしてそれが90年代っぽい。

X-girlの登場

こっから先は、憶測というか自分の雑誌クロニクルともあいまって、
『Olive』が出典・初出なのか分かりません。
雑誌発行部数が最高だった年がハタチの時だったので、たくさん(立ち)読んでいましたから。

で、あるとき『X-girl』っていうブランドを知るんですね。
今でもブランドの背景をソラで言えません…。
「ん?なんかスケーターからのブランドスタート?」

それでも着てましたよ。着てましたさ。
Pコート風のジャケットを擦り切れるまでね。
あの時代、X-girlを着ない選択はありえませんでした。
着ることがオシャレの参加必須条件だと信じていました。

そしてそれまで「シネマファッション的なトラッドをよし」
としてきた自分にとって、
どこにもない(とんでもない)カルチャーがやってきた瞬間でした。
「グッドガール」からの卒業?

ちょっとワルイけどカッコいい印象がありました。
これがX-girlの背景を知らないまま着ていた自分の言える最大限です。
今もそれ以上言えることないです。

『H』ホンマタカシの撮るナショナルスタンダードと実日子ちゃん

『H』98年9月号。これだよコレ!

そして90年代も後半になって
私は「カルチャー」を着るように なっていくんですね。
言葉が正しいかわかんないけど。

もちろん服としてかわいいのは言わずもがな。
ただ更にそれにプラスして「かっこいいの意味」がないと
服は着ちゃいけないことになってました。

「”かっこいいの意味”がない服は着てはいけない」

    『おしゃれ or die』奥 光子著,ガシガシ編集部刊(1998) 
存在したかもしれない本

さてはて…
では ”かっこいいってなぁに?”

それはファッション誌を飛び越えて、
カルチャー誌・音楽誌をクロスするような服ってことでしょうか?
だからロッキングオン(←社名にいちいち怖気づくゼ)の『H』に
載ってたナショナルスタンダードは輝いて見えたし(ホンマタカシだし)!

これと同じものを清水の舞台から飛び降りる気持ちで
出張先松本のナショナルスタンダードで買いました。
生涯忘れえぬ買物かもしれません。

ちっとも読んでなかったけど
究極は『STUDIO VOICE』を着てみれたら本望だったのかもしれません。
そういうどこか「頭デッカチン」な自分にしてしまったのが
90年代の自分のごうなのかもしれません。
”サブカル男子”っていうどうにも好きになれないことばがありますが、
それにさえなっていないあぶくのような”90年代っぽい”自分。

一方で90年代は燦然とかがやいていて、
おもしろくってたのしくって仕事もその延長で
ほんとうにほんとうに楽しかったのです
(雑貨の仕事をしていました)。

ただ仕事でモノを選ぶ際も「意味」ばっかり追っていた気がします。
「この服を着るとなんだか気分があがる!楽しくなる!」
そんな気分でノーブランドの(古着を含む)洋服をいつの間にか
選べなくなっていました。

これは苦しい…
そしてそのルールを作ったのは自分なんだ。

あたしゃ、サザエさんTシャツが着たい!

↑なぜ、ちびまる子ちゃん口調なのか分かりませんが…
そしてそんな時を経て今…
とにかく今年は、サザエさんTシャツが着たいです↓
ってか去年から着たかったです。

これ。
サザエさん・ワカメちゃん・イクラちゃん

Tシャツほどメッセージ性の強いものはありませんね。
自分のモットーの宣誓!
着ているTシャツ(のツッコミ)から話が広がったなんていうことも
どうやらあるらしいですし…。

何度も話題にして飽きられますが、
”自分の知らないバンドTは着ない”というおしゃれ御法度もありますよね?

ってことで、
”サザエTシャツのおしゃれにおける座標はどのへんか?”
とか考え始めるとキリがないんですよ。

はい、自分が90年代に作ったオシャレのクサビ。
「そこにかっこいいの意味はあるかい?」
って90年代(の自分)が追いかけてくる…
ちょっとホラー。
ああ!あああ!あ゛あ゛あ゛!!

サザエさんというか長谷川町子さん自身は
非常にオシャレでカッコイイです。
それは間違いありません。
しかし、町子さんの描いたサザエさんを着て歩くことは
それとはまた別の次元に思われ…。

少なくとも90年代にタイムスリップしたら、
サザエTシャツは、にべなく「NO!」と突っ返されるハズ。
例えばLOEWEとコラボしたサザエTとかだったら着るだろう。
つまり、そういうことだ。

そういう価値観に片足をまだ突っ込んでいる自分としては
サザエTシャツを着て今夏歩くことは
「”変さ”にギアを入れろ!
もお、どおにでもなれやいっ!」
くらいの”気つけ”がないとやってけない…

長谷川町子美術館関係各位
大変申し訳ありません…
一市民の勝手な妄想Storyによるタワゴトにすぎません。

とにかくここに至るまで3000字弱。
原稿用紙1枚強で述べられた90年代からの自分おしゃれクロニクル…。

自分が変わったよ、多分。

そして、なぜ今サザエTシャツがいいのか自分で良く分からない。
分からないままにしておきたい(意味論で拘泥するから)。

では、着ることにするぞ!
よし👉(指さし確認)!


表:書いたもので「恥ずかしさの先頭に立つ!」 裏:読んだあとに「なんとはなしにおしゃべりしたりお散歩したくなるような…」そんな”かの地”まで帆走おねがいします。