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ローソンフレッシュピックの健全な事業循環を考える

最近始まったサービス、ローソンフレッシュピック。事業としての循環を図解しながら考えてみました。

最初に

ローソンフレッシュピックとは生鮮スーパーの食材をアプリで朝予約して、夕方ローソンで購入できるサービスです。(サイトより)

朝の8時までにアプリで予約しておけば、その日の18時以降に指定したローソン店舗で受け取れます。

特徴としては

成城石井やKitOisix(ミールキットのみ)などと提携しており、色々なブランドの食材を購入することができます。

理想の循環

理想の構造としては左上のユーザーを起点として、アプリで注文し、物流センターから配送され、店舗で購入(受け取り)という循環が、継続的に行われることです。

しかし、必ずしもスムーズに循環がされるわけではありません。

ユーザー獲得の難しさ

仕事の休憩中や通勤時間などの可処分時間に予約をしておいて、会社の帰りにコンビニで受け取って帰ることができるサービス。通勤という会社員の動線に沿ったものなので利用しやすいと思います。

便利なのはわかりますが、忙しい会社員は既に別サービスを利用しています。

生協やOisixなどの食材宅配サービスは、かなりの競合だと考えます。ローソンフレッシュピックは「宅配時間の制約を受けない」のが強みですが、宅配サービスのユーザーは、宅配時間の制限を受けても利用しています。

一度、宅配サービスで作られた習慣を崩すのは容易ではありません。

実際にNewspicksの記事では、「別サービスで間に合っている」というコメントも見つけました。

人が習慣を変更するコストは極めて高いので、新しいサービスを浸透させるのは簡単ではなさそうです。

最適な物流システムの構築されているのか

上記では、ユーザー獲得の難しさを書きましたが、試しに利用してみる人も多いと思います。その時の体験がスムーズで、別サービスより自分にフィットしていると思った場合は生活の中に取り入れていくでしょう。

ユーザーにスムーズに体験してもらうには、アプリの設計も大切ですが、物流システムが円滑に動くことも重要になってきます。

物流センターでは、ピッキング作業(各店舗に配送する商品をピックアップする作業)があります。

フレッシュピックが運用されると、普段より細々としたピッキング作業が追加されるので、現場に無理のないオペレーションを構築することも必要になってきます。

無理があると運用に歪みが生じ、続けることは困難になります。

2配送リソースの対策

配送リソースは、この事業に欠かせません。コンビニ事業はもともと配送リソースを持っているので、フレッシュピックにも活用できます。ただ、積荷が過剰に増えるとドライバーの負担が懸念されます。

ローソンは、ドライバーの負担対策も考えているようです。

ちょうど一年前くらいの記事で、「ローソン、配送減便へ。異なる温度帯を同時に」というものがありました。これは、物流センターから店舗への配送を5回から4回に減らす検討をしているというものでした。

配送トラックの種類は、おにぎりなどの定温商品、デザートなどのチルド商品、雑貨などの常温商品、アイスクリームや店舗で調理する冷凍品の4種類あります。

このうち、季節によって配送量の増減が激しい冷凍品を扱うトラックを改造し常温商品も一緒に積めるようにするそうです。

ドライバー人材の確保も難しくなっていくので、このような対策は効果的だと思います。

サプライチェーンマネジメントを強化

コンビニエンスストアは協力工場などから物流センター、物流センターから店舗への配送、物流センターの運営については外部委託しています。(日刊工業新聞より)

このように企業グループ内での関係に留まらず、対等な企業間で構築される物流システムのことをサプライチェーンマネジメントと呼ぶそうです。

人材不足が深刻になっている昨今、コンビニと物流業者はより協力的に対策することが大切だと考えます。

店舗オペレーションコスト

実際、このサービスを使ってみるとコンビニの店員さんが少し大変そうに見えました。店員さんが会計までに行う行動は下記の通りです。

一つ一つの作業は難しいものではありませんが、これだけ見ても会計までの動作が多いです。ユーザーとしても、店内の商品を購入するより時間がかかるため、少し面倒な印象を受けました。

まだユーザーが少ないというのもありますが、店舗で混乱しているということはなかったです。

コンビニの店員さんは、宅配サービスや、光熱費などの振込なども対応しているので、オペレーションコストは元々高いと思います。それに加えて、フレッシュピックの作業があると更に大変なのでは?と思いました。

最後に

ローソンフレッシュピックを知って、試してみたいと思いました。それと同時に、事業自体に興味を持ちました。

そこで最初に、この事業に対してどんな意見があるのかをNewspicksで読みました。そこでは、大きく分けて2つの立ち位置があるような気がしました。

ユーザーとしての意見なのか、事業の中で働く者としての意見なのか。対立しているわけではありませんが、くっきり別れています。

私はローソンや物流で働いたことがないので、ユーザーとしてしか接点がありませんが、事業の中で働く人の意見も理解できました。

事業を俯瞰してみれば、偏りをなくして考えることができるのではないかと思いnoteを作成してみました。

最後まで読んで下さりありがとうございます。

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