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寒い冬も暖かく 自転車ウェア選びのコツ&使用中アイテムレビュー

この記事はロードバイク Advent Calender2018 の18日目の記事です。

そもそも冬はロードバイクのオフシーズンなわけですが、「冬だからこそキレイな景色がある。見たい。」とか「気温が低い方が走るのに快適」みたいな理由で、どうにかして極寒を回避しつつロードバイクに乗れないか考えたりするわけです。

そこで自転車店やAmazonで冬用ウェアを探してみると、やたらと数や種類が並んでいるうえにノーマルな自転車ウェアと比べてもお値段が張るので「春まで待とう」みたいな消極的対策を取ったりしがちですね?

というわけで、今回は冬の自転車ウェア選びのコツを、自分がいま使っているウェアをレビューしつつ紹介してみようと思います。いろんな好みや考え方があるのであくまで一例ですが、参考にしてみてください。

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そもそも何を揃えれば良い?寒さ対策って何?

基本的には普通の自転車ウェアと同じく、上下+グローブ+靴下が必要です。あとは足元と首まわりにアイテムを追加すれば満点回答だと思います。(個人的に帽子はあってもなくても、という気がしています)

ここでお手本にしたいのは、厳冬期にも活動するスポーツ・登山。3種類のウェアを組み合わせるレイヤリングという考え方で、天候や運動量(発汗量)に対応しています。大まかに風や雨・雪を防ぐアウターレイヤー、体温を保温するミドルレイヤー、汗を吸水発散して汗冷えを防ぐベースレイヤー、だそうです。
つまり「寒さ」を分解して考えると、風と冷気と汗の3つへの対策が有効なんだと思います。

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特に上下のウェアについては「この3つのうち、何の対策が必要なんだろう?(足りないんだろう?)」ということを考えながら選ぶと、失敗が少なくなるはず。
それでは、アイテム毎にまとめて見ていきましょう。

1.ジャケット・上着
2.インナー(上)
3.
パンツ(タイツ)
4.インナー(下)
5.その他小物
6.組み合わせ例(気温10度以下くらい)

※基本的にスポーツウェアを例として並べていますが、気をつけるポイントは街乗り・カジュアルウェアを選ぶ時にも参考になると思います。


1.ジャケット・上着

厚手のサイクルジャージとか耐寒ジャケットとか色々ありますが、チェックしたいのは3点。

・風をしっかり防ぐことができるか(防風)
・汗を逃がすことができるか(カッパ状態ではないか)
・体にフィットするか(袖口や首元にスキマはないか、丈は足りているか)

◆全体に薄手な生地、内側は起毛素材のウェア
 例: PEARL IZUMI アシストジャージ

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冬は死にます。(結論)
なにしろ風を防げないので、どんなに内側に暖かい物を着ていようが冷気が貫通してきます。逆に言うと、それほど寒くない春秋は、適度な暖かさとドライさが良い感じです。


◆前面防風&背面等で透湿+内側は起毛素材のウェア
 例) Lixada 冬用 サイクルジャージ、
   PEARL IZUMI サイクル ウィンドブレークジャケット

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自転車って基本的に前から風が吹いてくるんだから、前面に防風素材使えば寒くないんじゃね?お前マジ頭良いな。という製品。メーカーの苦悩が忍ばれます。
もちろん物にもよりますが、前面素材は普通の防寒着と同じく「風も水分も通さない」ので、かなりの寒さまで耐える力を手に入れることができます。(登りで体温が上がると逆に暑くて辛くなったりしますが。)

ちなみにLixadaは体のフィット感が弱くて冷気が侵入しやすいのと、水分を発散する機能が弱く汗冷えしやすいのがマイナスポイント。


◆薄手の防風・透湿素材+内側は起毛素材のウェア
 例: le coq sportif サイクリング テクノブレン3Lジャケット

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3Lってなんだろう。サイズじゃないぞ。
新素材が風を防ぐうえに湿度は逃してくれて、内側は保温もしてくれるという万能兵器。脇にベンチレーション(写真3枚目)があるので、登りで体温が上がりまくった時に放熱できるのもプラス。
ただ気温が0度に近づくと、さすがに生地の薄さが気になってきます。まあ上にウインドブレーカーでも羽織れば良いんですが。


2.インナー(上)

ウェアの下に着るインナー。夏用ウェアを着れば良いのでは?という宗派もありますが、個人的には機能性インナーを着た方が快適だと思います。

・汗を吸収、発散してくれるか(べちゃっとしたままにならないか)
・保温性があるか(素材、襟の高さ)

1発で見分ける方法として、「レーヨンや綿など、肌触りが良いけど水を含んで逃さない素材を使っていないか」があります。このへんを混紡していると、汗冷えで死ぬことになります。ユニクロのヒートテックが運動に向かないと言われる理由ですね。

◆薄手長袖のインナーウェア
 例:おたふく手袋 ボディータフネス 長袖ハイネックシャツ

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アウター次第ですが、悪くない使い心地。夏用ウェアを着てしまう感覚に近いです。保温機能が弱いのとトレードオフで、水を含むことがない(汗冷えしない)というのが最大のメリット。逆に言うと、走り出しや運動量が大きくない時に辛いです。

この製品自体は夏の利用を想定しているだけあって、かなり薄手で体温を逃がしやすい作りになっています。真冬はまったくおすすめしないですね。

◆吸湿速乾で保温もしてくれるインナーウェア
 例:CW-X JYURYU(ホットタイプ)

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上でも書きましたが、「吸湿速乾」と「保温」はだいたいトレードオフなので、自分の体質と走るスタイルにあわせてどっちに寄せた方が快適か探ることになります。

mont-bellジオラインとか、おたふく手袋の冬用シャツも良いですが、個人的にはこのCW-XのJYURYUが一番快適です。とにかく汗を吸ってすぐに発散してくれるのに保温性も高い、という不思議ウェアになっています。下着メーカーワコールの本気って感じでしょうか。愛用中。


3.パンツ(タイツ)

上着に比べて各社とも製品ラインナップが貧弱な印象。汗についてあまり気にする必要ないのが上着との差異。

・風をしっかり防ぐことができるか
・体にフィットするか(袖口や首元にスキマはないか、丈は足りているか)
・脚が曲げやすいか(ペダリングを邪魔しないか)

◆全体的に薄手、裏は起毛素材
 例:PEARL IZUMI パッド付 プリントサイクルロングタイツ

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冬は死にます。
またかよって感じですが、やっぱり風が防げないのが辛いわけです。ただ、インナーと靴下次第ではかなり耐えられます。

◆前面防風&背面等は透湿+内側は起毛素材
 例:Wellcls 冬用 レーサーパンツ(3Dゲルパッド付き)

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前は風を通さず、後ろは透湿素材という例のパターン。脚が冷えるのはペダルを回してないけど風が吹き付ける時、つまり下りで顕著ですが、こういうのを着ているとだいぶ快適です。

ただこの製品(Wellcls)は足元に隙間があるという弱点を抱えています。特に長時間立ち止まってると冷気が這い上がってきてつらい。以前使っていた防風のタイツに戻ろうかなあという気分です。耐えられなくはないんですが……。


4.インナー(下)

ロードバイク乗りは下着(インナー)履かないとか言うけど履くよね?履きましょう。

・丈の長さが合っているか
・脚が曲げやすいか(ペダリングを邪魔しないか)

◆薄手、速乾性のロングタイツ
 例:mont-bell サポーテックライトタイツ

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上着のインナーと違って、保温性が低くてもそれほど気になりません。そんな中でも注意したいのは丈の長さで、靴下と折り重なっている長さが大きいほど、動いても気にならない&冷気を防ぐことができます。

同じくモンベルで言うとメリノウール製タイツなど保温機能が強化された物も気になっているのですが、使ったことがないです。もし5度以下で長時間走る機会があれば購入を考えるかも。


5.その他小物

グローブ、靴下。そしてネックウォーマーの利用をおすすめしたいです。

◆グローブ
 例:GOLDWIN ナノフィットグローブ

・風をしっかり防ぐことができるか(防風)
・手首を長めにカバーできるか
・快適にレバー操作できるか(ミトン状態になっていないか)

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革や合皮が多様されているタイプは手が動かし辛いくせに大して保温性がなかったりするので、個人的に敬遠しています。
それよりむしろ、全体の丈が長めでウェアとの隙間がない(手首が出ない)かが重要では?と思います。防風と保温のバランスを取りたい。

◆靴下
 例:DexShell 防水通気靴下 Thermolite socks

・汗を吸収、発散してくれるか(べちゃっとしたままにならないか)
・保温性があるか

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足元は、靴やシューズカバーで防風、靴下で保温というのが基本的な役割分担です。ただ、この防水通気靴下を探し当ててからは「靴下だけで良いや」と思っています。(シューズカバーは着脱が面倒というのもあります。)

この靴下、雨風を防いでくれるうえに保温性が高いという神のようなアイテムです。元はスキーとか登山とかそっち用っぽいですね。厚手なので、シューズ次第で履けない危険性はありそう。

◆ネックウォーマー
 例:EXIO ネックウォーマー フリーサイズ

・首から顔まで覆うことができるか(フィットするか)

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1000円以下で買えるのに、めちゃくちゃ使い勝手が良いのがネックウォーマーです。鼻から耳、首を覆うようにつけると、体感の寒さをかなり和らげてくれます。不審者になるのを厭わなければ町中でも使えるすごいやつです。

暑くなったらすぐに脱げて、ポケット等にしまうことができるのも高ポイント。


6.組み合わせ例(気温10度以下くらい)

「今日は結構寒いけど昼間は気温上がるっぽい。それなりに距離を走るつもりだけど、どうしようかな」みたいな日の組み合わせ例です。

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防風性を少し捨てて、熱や汗を逃がしやすいようにしています。いざ走り出した後に予想以上に寒いなんて時は、着脱可能なネックウォーマーと折りたたみウインドブレーカーを着る。逆に暑くなったら前とベンチレーションを開けたりして調整します。


まとめ

いろいろと書きましたが結局は冒頭の通り、風と冷気と汗の3つをどう対策するか?というところに集約されます。

難しいのは個人の体質やその日の運動量、天候・気温などによって必要な機能が変化するところですが、対策が見事にハマると「すごい、極寒の環境なのに全然寒くない!しかも快適!」という無敵状態で疾走することができます。自然と笑いがこみ上げてきますよ。マジで。

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寒い冬も、(できる限り)暖かく快適なライドを楽しみましょう。


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