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発信を続けるコツ「変わり続ける好きを見つめる」

恋をしたとき、好きな人について誰かに「あの人のこういうところが好き!」「あの時、あの人のことを好きになったの」と話をしているうちに、話をする前より自分の想いが深くなっていることがよくあります。

またある時、友人がランチをしているとき「いま動画編集のスクールに行ってて、お仕事にできたらいいなって思ってるんだ」と話してくれたので「いいじゃん!ところでなんで動画編集を始めようと思ったの?」と聞いたところ、友人は好きなyoutuberさんのお話しなんかをイキイキしてくれて、その日の別れ際に「仁美ちゃんと話してたら『やっぱりやろう!』って気になったわ」と言ってくれたことがありました。

自分の中にある「理由はないけど好き」「よくわからないけどなんだか惹かれる」という想いを純粋意欲といったりしますが、純粋意欲は話したり言葉にすることで一層磨かれるようです。「いいな」と思った瞬間の気持ちは、言葉にすることで自分の中にきっと一生保存することができる。

純粋意欲はいつも一定して高くあるわけではありません。
やってみて「なんか違う・・」と感じたり、飽きたり、こんなはずじゃなかったと好きがしぼんでいくこともあるでしょう。
付き合い立てのアベックは最初こそラブラブだけど、付き合っているうちにだんだん熱量が落ち着いてくるのと似ているかもしれません。

でもそんなときこそ大切なのが「自分の純粋意欲を育てる」という意識な気がします。

小説家の村上春樹さんがこんなことをおっしゃっていました。

走り続けるための理由はほんの少ししかないけれど、走るのをやめるための理由なら大型トラックいっぱいぶんはあるからだ。僕らにできるのは、その「ほんの少しの理由」をひとつひとつ大事に磨き続けることだけだ。暇をみつけては、せっせとくまなく磨き続けること。

村上春樹『走ることについて語るときに僕の語ること』


人と人との関係性が刻一刻と変わっていくように、純粋意欲というのも勝手に育っていくものではなく、その瞬間瞬間に移り変わっていくもの。

そして生きていると無意識に純粋意欲をへし折ってしまう機会の方があんがい多いことを自覚するのが、好きを持続させるコツなのかもしれません。

よく「発信をしていたけど苦しくなってしまった」というお声を聞くことがあります。
最初こそ「このことをみんなに伝えたい!」という熱い想いがあったものの、発信しているうちに「発信しなきゃ・・」と義務になり、それが苦しくて辞めてしまったとのこと。

目的(伝えたい)と手段(発信)がごっちゃになると、目的地がわからなくなることがあります。
それを防ぐためには、定期的に誰かと「私はこういうことがしたいし伝えたいんだ」と話して、純粋意欲に水を与えて育てる努力が必要なのだと思います。




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