見出し画像

A大退院治療終了

5月26日(金)A大退院

三泊四日でRADPLAT(超選択的動注化学療法併用放射線療法)を実施しました。一回目の動注療法の後に先生が電話をくれ、順調にいっていますとのことでした。

退院当日は、午前に五回目の放射線治療を行うため14時半に迎えに行きました。待合室で待っていると、エリザベスを付けたフランが先生に連れられて出てきました。生きて帰って来てくれてほっとしました。

点滴のルートのところ右前脚に止血テープ、動注療法を二回実施したので、鼠蹊部の動脈のところを左右一か所ずつ糸で縫った状態。
糸がある状態なので、エリザベスを付けてくれたとのことでしたが、なんだか必要なさそうですねという話になり結局外しました。

診察室に移って実施状況を説明してくれました。
火曜二回、水曜一回、木曜一回、金曜一回の放射線治療。水曜と木曜に動注療法による抗ガン剤投与を実施。
麻酔を何度もかける必要があったけど頑張ってくれましたよとのことでした。
術前にCTを撮りましたが、やはりリンパ節に転移があったとのことでした。肺にはまだ転移は見られなかったとのことでしたが、CTで判別できる大きさの転移がないだけかもしれないということでした。

RADPLATは無事成功と言うことでした。効果はすぐに出る場合もあるし、後から効いてくることもあるという、なんとも微妙な感じ。腫瘍の種類や状況によるようです。

今後は、一週間から十日後に鼠蹊部の抜糸をする。それまでは、安静に過ごして、抜糸後は消炎鎮痛剤と抗ガン剤の投与を行って、一か月後に診せて下さいとのことでした。

腫瘍の状況確認する為に、今後、毎回CTを撮るのかと思いましたが、一概にそういうものではないようです。毎回、CTを希望される飼い主さんも、段々とそういう感じではなくなるそうです。
ただ、今回の治療を終えて、どれだけ腫瘍が小さくなっているかを確認するのがあたりまえと考えていましたが、そういうわけではないようです。
根本的に動物のがん治療は根治を目指す治療でないということかもしれませんが、実際にQOLが維持されていれば、それでいいと言う考えなのかもしれません。そこは人間のがん治療とは明らかに感覚が違います。

消炎鎮痛剤はプレビコックスといい、扁平上皮癌の進行を抑える症例があり、抑制効果が確かなもの。

がん細胞において発現が増強されているCOX-2(シクロオキシゲナーゼ2)は、がん細胞のような異常な細胞が死滅する作用のアポトーシスを抑制したり、がん細胞への栄養血管を誘導する血管新生を促進したり、免疫機能の低下の等に関与していると考えられている酵素。

その酵素を阻害することにより、腫瘍の増殖を抑制するもので、口腔内の扁平上皮癌の進行を抑える効果が報告されているとのことです。
長期使用で腎臓などに障害がでるということが言われているが、実際の症例で腎臓がやられた例は見たことはないとのこと。

抗ガン剤はパラディアというもので、正確には分子標的薬と言う抗ガン剤。二年ほど前に発売されたもので、肥満細胞腫に対するもので、本来は適用外ではあるものの、猫の口腔内扁平上皮癌に効果があった報告があるそう。

従来の抗ガン剤が細胞分裂の活発な部分を一律に叩くものであるのに対し、分子標的薬は、腫瘍が血管を誘導し増殖しようとする作用(血管新生)を阻害する事に特化した薬とのこと。

従来の抗ガン剤と違い、細胞分裂の活発な正常な細胞(毛母細胞や骨髄細胞)への影響が少ない前提で使用されるので、いわゆる抗ガン剤の副作用のようなものはないはずだが、消化器系毒性、吐き気や下痢といった、副作用がみられる。しかし、投与量に気を付ければある程度コントロールできるとのこと。

やはり今回の治療の効果があったという明確なエビデンスがほしいと思うのは欲張りなのでしょうか。
術前のフランの状態では、あっという間に口が機能しなくなり、飲食が出来なくなっていたでしょうから、飲食できる状態が維持できていれば効果があったという判断にはなると思いますが、実際に、これだけがんが小さくなったという事実が欲しいなと思いました。

次回の6月29日の診療の予約をして病院を後にしました。
抗ガン剤、消炎鎮痛剤の投与に関しては、D病院の先生が週何回かA大で働いているので、引き継いでくれるということでした。そこまでのつながりがあるとは幸運でした。

病院を出たところで、トイレシートを引いておしっこをさせようとおもいましたがしませんでした。フランは、家のトイレシートでしかトイレはしません。
結局、帰途のキャリーバッグの中でおしっこをしてしまい、膝上にバッグを乗せていたので、私のズボンが濡れてしまいました。
抜糸と今後の治療の相談には、8日後の6月3日にD病院に連れていくことにしました。

<費用> 放射線治療の料金。動注療法に関しては研究対象と
     言うことでカテーテル代のみの負担。

レシートの内訳を載せますが、強引にまとめてあったりして正確ではなさそうです。医療用品の項目に色々と合算しているようですので、内訳は参考程度にどうぞ。
実際の内訳は、三泊四日の入院料と5回の放射線治療費、それに付随する麻酔料、各種検査料、動注療法のカテーテル代金の合計という感じになると思います。
正確に見積もりたい方は、いくつか前の記事に書いた診療料金によって計算されると良いと思います。待合室に貼ってあった、診療料金表の画像データも持っているので気になる方は声をかけて下さい。

再診料 3240円 放射線治療 27000円 麻酔料 56700円
CT検査料 21600円 放射線量計算 32400円 入院料 19440円
血液検査 13608円 医療用品 150166円 麻酔料 67500円
注射料点滴料 28378円 レントゲン検査 7776円
内金 -50000円    合計 377808円

 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?