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躁的に消費するのでは無く、鬱的に監視するのでもなく、バランスを取れと正論も言わず

※この記事は2月に有料記事で先行公開したものを加筆修正したものです。

 僕が創っている3冊目の雑誌「かける人 創刊直前号」がいよいよ完成しました。「推し事のキャリアデザイン」という特集で、僕の記事では、推し事のこれまでについて掘り下げる方法と、その先をどう見つけていくのか、ということを書かせていただきました。
 当初は、方法論に終始する予定でしたが、書きながら自分の体験と織り交ぜた方が良いなと思い、大幅に書き直しました。
 さて、実はこの3冊目の雑誌「かける人 創刊直前号」の製作開始と共に考えていたことがいくつかありました。

 その中で一番強く感じたことが、「推し方の丁度良いところを見つけていく」ということです。
 かつての選抜総選挙のように大量課金する時代は終わりました。
 いや、ひょっとすると、握手会や配信イベントなどでそれは生きているのかもしれませんが、無理な大量課金には限界があると僕は思っています。持続可能性が無い、と言い換えても良いかも知れません。あの躁病的に大量課金する快楽から僕は手を切ろうと思っています。
 では、反対に鬱病的なものは何でしょう?
 それは、じめじめとメンバーやファンの揚げ足を取ることに必死になることだと思います。わざわざメンバーのところや、楽しんでいるファンのところへ冷や水を浴びせるような行為です。また、そのような内容のまとめサイトやコメント、動画にも同じようなことが言えると思います。僕は昨年から、この手のアカウントは全てブロックしています。
 じゃあ、「バランスが取れた推し活をしようね」という小学校の先生みたいなことしか、言えないんでしょうか?
 
 SKE48を推し始めて、10年ぐらいにもうすぐなるでしょうか?
 僕は薄い推し方しかしていないので、自分のことをベテランのファンとは思っていませんが、そろそろ新しい推し方を考えていけないかな、と思っています。
 1つは、僕らは推すということを覚えて、暮らしが変わったと思います。
 アイドルと出会う前と比べて時間の使い方やお金の使い方、また、自分のSNSなどの使い方も変わってきたのではないでしょうか?
 じゃあ、今度は暮らし方を変えることで、推し方も変えられるんではないか、と僕は考えています。
 たとえば、僕は都会から田舎に引っ越すことで、それまで現場中心だった推し方がガラッと変わりました。「コト消費」が出来なくなり、「モノ消費」への欲も薄い僕は、都会に住んでいた頃以上に、推し関連のグッズを買わなくなり、ひたすら読書や映画鑑賞をするようになりました。読書や映画鑑賞から知ったことや考えたことを、SKE48と結び付けて考えてブログに書くという冷静に考えると「何故、そんな面倒なことを…」という不思議な推し事をしていました。これは、読書や映画鑑賞を暮らしの中心に置いたからこその推し方の変化だと思います。
 今の推し方で大満足という方には、関係の無い話だと思いますが、少しだけ推し方に変化や選択肢が欲しいという方は、是非、今日から更新が始まるこのマガジンを読んでいただきたいです。色々な方に原稿をお願いして、皆さんと共有していこうと思っています。推し方が変わるだけでなく、たとえば、推し事の解像度が上がった、ということもあるかも知れません。

 そして、もう一つやっていこうと思っていることがあります。
 それは良質な発信をしている人を増やしていこうということです。読んでみて、心が動いた記事や動画を作る人や、発見のあるものを作る方、そして、最後に「こ、この人、どうかしている!!」という熱量のある方。そういう方々を自分なりにフューチャーしていき、推し方の文化を少しずつ変えていけないかなと思っています。そのためのマガジンをこのnoteで無料で更新していこうと思っています。「何故、そんな面倒なことを…」をとまた言われそうですが、その方が僕の暮らしが少しよくなるというミニマムな願いもあるからです。

 もし、良かったら、この試みに付き合っていただけたら嬉しいです。
 

こんな大変なご時世なので、無理をなさらずに、何か発見や心を動かしたものがあった時、良ければサポートをお願いします。励みになります。