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ドアを閉めて、25分間ムシになってみようかな。 『変身』 カフカ

きくよむ文学

1912年ころ書かれた、仕事疲れに不条理。

ユダヤ人 フランツ・カフカ 29才。『変身 ( へんしん ) 』
ドイツ語から日本語翻訳者: 原田義人 ( はらだよしと )

不条理だけど、自分自身の正常化バイアスと、家族のいる家のなかでの、まずい状況回避のやりとりがコメディ。

カフカの晩年のエピソードとして、ドーラ・ディアマントより次の様な話が伝えられている。ベルリン時代、カフカとドーラはシュテーグリッツ公園をよく散歩していたが、ある日ここで人形をなくして泣いている少女に出会った。カフカは少女を慰める為に「君のお人形はね、ちょっと旅行に出かけただけなんだ」と話し、翌日から少女の為に毎日「人形が旅先から送ってきた」手紙を書いた。この人形通信はカフカがプラハに戻らざるを得なくなるまで何週間も続けられ、ベルリンを去る際にもカフカはその少女に一つの人形を手渡し、それが「長い旅の間に多少の変貌を遂げた」かつての人形なのだと説明する事を忘れなかった。

wikipedia

2001年『アメリ』(原題: Le Fabuleux Destin d'Amélie Poulain )という映画が公開されました。ジャン=ピエール・ジュネ監督のこの映画のなかで、上記のエピソードはフランスに舞台を変えて、アメリの ‘’人を幸せにするいたずら‘’ のひとつに取り入れられていました。

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