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フランスの桜の花言葉って生々しすぎやしないか?

桜が散ってきた。満開を終えたので、わたしにとってはそろそろ桜が骸骨の集合体にみえてくる頃合いだ。(※詳細は下記)


みなさん、桜の花言葉をご存知でしょうか。
わたしは26年も生きてきたくせに、ちゃんと知らなかった愚か者である。
日本では、
「優れた美人」「精神美」「高尚」「教養」など、優美さや純潔さなど桜を表面的に解釈しただけのような言葉が多いが
どうやらフランスでは異なるようだ。


月曜日のことだ。
リモートワーク中テレビを消そうとしてOFFボタンを押した矢先にわたしをつなぎとめるかの如く
「みなさんは、桜の花言葉を知ってますか~?」
と、お天気お姉さんの高い声が聞こえてきて、一度消したテレビを再度つけた。

「正解は、、、、『わたしを忘れないで』です!」

、、、

、、、お天気お姉さんの声が頭の中で何度もエコーされた。

「わたしを忘れないで」
フランス語:Nem’oubliez pas.

わたしは、、なんだかどこにも持っていけないむずがゆい気持ちになった。
そのむずがゆさは、またしてもフランス人の感性に圧倒されたからだと思う。やはりあいも変わらず人間味があり生々しく、尊い。
満開の美しい姿を表現するのでなく、あえて散り際に着目しているのだ。
桜が散る様子と恋人たちの別れを重ね、この花言葉になったらしい。
でもわたしは、恋人たちの別れだけでなく色々な想いが詰まっているようなそんな気がしてならないのである。
「終わりがあるからこそ、人生は儚くも美しい。」
人間の生き方にも通ずるところがあるような気がするのだ。


こちらのサイトによると、西洋と日本の桜の花言葉は基本的に類似している。

■サクラ全般の花言葉
「精神の美」「優美な女性」

■西洋・英語の花言葉
「spiritual beauty(精神の美)」「a good education(優れた教育)」

https://rennai-meigen.com/sakurahanakotoba/


196カ国の桜の花言葉を調べないと、一概に言うことはできないが(そもそも全ての国で桜が咲けるわけではないという前提はさておき)
わたし調べによるとこんな生々しい花言葉を創り出しているのは、フランスというお国だけだ。
フランス人の生き方に憧れる所以が、また新たに追加された。

この花言葉を知ってからというものの
桜の花びらが散りゆく時、頭や衣服にどうしてもついてしまうのはもしかすると
桜の最後の訴えなのではなかろうかと思ってしまう。
そして、満開を終えたあとの桜がどうしても骸骨の集合体にみえてしまうわたしの感性は
どこかでフランス人と繋がっているのではないかとすら妄想してしまうのだ。

わたしを忘れないで。

に対してのアンサーソングとしては、

あなたがたの優美なるお姿と思いを、絶対に忘れることはありません。
2021年、少々はやめにお目見えされましたが、今年も我々の春を美しい桃色で彩ってくださりありがとうございました。
また来年も、きっとお逢いできると信じて。ありがとう。さようなら。

と、真面目に全世界に咲いている桜さま各位にお伝えしたい。

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