COPDってどういう病気?(2)笑ってゼーゼーいうあの人はまさかCOPDでは・・・

COPDは肺のだけに留まらず、消耗していく疾患であることを前回に書きました。では、肺ではいったい何が起きるのでしょうか?

COPDを持っている方って、ある程度会話しているだけで、もしや、、、と思ってしまします。
それは、笑ったりするときゼーゼーヒューヒューと音がするときです。

同じ症状は喘息でもあるので、区別はできません。しかし、もしもその人がたばこを吸っていたら、COPDの可能性がありうるのです。

さて、ここでCOPDで起こる気管支と肺の変化を図で描いてみました。Barnes先生の偉大なる業績(Barnes PJ. Chronic obstructive pulmonary disease. N Engl J Med. 2000;343(4):269-80.)よりざっくりと改変してみました。

画像1

気管支が枝分かれになっていって、細くなって肺胞に達します。その一番奥の気管支と、ガス交換(酸素と二酸化炭素をやりとり)をする肺胞の図です。
COPDを患うと、気管支に痰がつまったり、狭くなっています(厳密には異なりますが、慢性気管支炎と認識して貰えばイメージしやすいです)。すると、狭いところを急に息すると、ゼーゼーいったり、痰がからんだりすることがあるわけです。
さらに、肺胞領域では肺胞の壁が壊れてスカスカになってしまいます(肺気腫)。たばこで肺が壊れて、酸素を体に取り込む領域の面積が減ってしまいます。
肺気腫と末梢気道病変(≒慢性気管支炎)の両方がおきていて、前者が強ければ気腫性COPD、そうでなければ非気腫性COPDといいます。どっちも同じ病態をみていることになります。

この変化がゆっくりゆっくりとおきていくわけです。ゆっくりとした変化であるため、初期は自覚症状がありません。ある程度進んでも症状がない人もいるのが恐ろしいところです。溶けた肺胞や狭くなった気管支はもとには戻りません。早期発見が重要になります。


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