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何かを制限させること

感染症と社会の「落としどころ」

みなさんは、休日何をして過ごされているでしょうか。きっと、感染に気をつけながら楽しんでおられるのではないでしょうか。
自粛の世の中がやっと終わりつつあり、街には活気が戻っています。新型コロナウイルスの感染者が増えたようなニュースもあまりありません。まあ知らんところでじわじわと増えているのですが。

新しい生活様式、マスクをし感染対策を十分に行って日々を楽しもう、そのような幸せな日々になりつつあります。
人との交流を楽しんだ結果、罹患してしまったとします。そして他人にうつしたとしても、重症にもなりません。ちょっと長めでしんどい風邪ですからね(残念ながら後遺症に悩まれる人も確かに居ます)。お互い様なんだけどよォ、なんでお前体調悪いのに飲み会来やがったんだこのビチグソが!で済むと思います。
結婚式や受験など大きな人生ベントに関与しなければ、お互い様なのだから人間関係がこじれることも無いでしょう。

そういった社会的な「落としどころ」が出来たのは大きいです。今後は「マスクやチックン(ワクチン)は要らんかったんや!」「5類にしろや!(という一方で、会社はいつから働いていいのか診断書を求める)」
といった「小競り合い」が永遠に続く至極平和な世の中となるでしょう。僕がそういったつまらんツイッターしか見てないのかもしれませんが。
そう、この感染症は社会的に落ち着いたのです。もちろん、やばいところを報道しない事由が発動しているおかげではありますが。

制限を課したものに対する「報復」

さて、今まで外出を控えろ、自粛をしろワクチンを打て散々言ってきた人には、コロナウイルスがワクチンと変異により、軽症の雑魚ウイルスになってしまった現在、
「今まで医療従事者の方一生懸命頑張ってくれてありがとう」ではなく、
「てめーらの制限にどれだけうんざりしてきたのか思い知れッ!」という投石不可避状態となっているでしょう。
僕はこれは仕方ないと思っています。何かを制限するものには、それ相応の批判を浴びる覚悟が必要です。それが、他人に意見を述べる当たり前のことだと思います。

さて、自分は院内感染管理部に所属しています。「院内感染対策」を考案し、院内に周知・推奨する立場にあります。どれだけ社会がWithコロナになろうが、病院の内部にはコロナを入れるわけにはいきません。抗がん剤を投与する予定の人が、コロナで延期になったり。それがもしも患者さんや家族ではなく、医療スタッフからの伝播であるとすれば、「誰でも罹るのだから仕方ない」と許容されるものではないでしょう。
都道府県の感染フェーズによって、院内隔離期間、実習生の受け入れや面会、会食制限、就業制限など、いろいろな文献を読み、覚悟をもって決めてきました。このルールはおかしい!俺に破らせろというクソみたいなクレーム野郎にも何度も戦いました。どれだけ恨みを買っているかはわかりません。

制限するものは規範を守る責務がある

制限を課す人間は、当たり前ですがその制限を守る必要があります。
ところで、僕はゲーセンによく行ってるイメージがあると思いますが、昔よりは全然行かなくなりました。音ゲーなんてみんなが触るので、しょっちゅう手をあらっては、アルコールスプレーを吹いています。15分居たら、しばらく外に出てから続きのゲームをしています(濃厚接触者の定義より)。


大好きだったライブに行けなくなる

コロナ前、一番大好きなことはライブ鑑賞でした。唯一の趣味と言えたでしょう。コロナ前の1月、川本真琴の渋谷クアトロのライブのとき、「これからおそらくコロナウイルスで世の中は大変になる、お体に気を付けて、応援しています」、というファンレターを渡した記憶があります。ライブハウスは3密とのもので、まったく行けなくなりました。

屋外のライブには、日本環境感染学会のガイドライン通りに、目をガードし、マスク装着とワクチンがあれば行ってもいいと思うんですが、クアトロのようなライブハウスには足が遠のいてしまいました。

細々とライブを再開したときも、これ行こうかな、でも人の多い電車で遠出しないといけないし、会場の感染管理がどうなるか分からないし。
そして、この僕がライブに行って感染、なんてことがあれば、火で焼かれて、院内感染管理部の信用は失墜してしまうでしょう。
ずーっとずーっと そんなことばかり考えていました。
そうしたら、なんだか疲れてきました。

家と職場の往復しかなくなりました。だって、対策して外に出るとかもう大変じゃない。楽がいいし。家でごろごろしてた方がいいし。
休日に何かの予定を立てることもなくなりました。

何かの予定を立てることもないので、休日に無関心になりました。どこに行こうとか積極的に考えることは無くなりました。新たなライブがあるときも、感染のリスクが少しでもありそうなら、諦めるようになりました。
先日も大好きな川本真琴のライブも、予告を見逃してしまいました。

年だけ取りました。

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