夏の入り口
「平成最後の夏」っていういかにも日本人っぽい盛り上がり方をした今年の夏は異常な暑さが少々フライングで襲いかかってきた。
「こういう夏は尻すぼみになる」とか夏の入り口で言ってたやつは出口がまだ見えてない。
僕の夏は食べるつもりじゃなかったかき氷を食べた時から始まった。
今どきのふわふわのかき氷でとても大きかった。
味はイチゴでもメロンでもブルーハワイでもない、紅茶のかき氷だった。
(「結局ブルーハワイってなんなの?」って質問したときに「エルヴィスプレスリー主演の~」って話し始めるやつとかき氷のシロップって全部同じなんだよって「親のおはよう」ほど聞いたうんちくを昨日聞いたかのように言うやつは絶対友達少ないと思う。)
さて、僕はその紅茶のかき氷をこれからホテルに行くだろうって幼稚園生はわからないだろうけど小学生ならこれからそういうことするんだろうってわかるカップルの隣で食べた。
そんなに脚擦ったらやけどしちゃうよと思いつつ、小さめのお店では露骨な愛情表現の端々が聞こえた。
一方で僕は大きなかき氷の3分の1食べたとこで3分の2が崩れた。
その絵はまさしく4KTVでみるフルHDのアニマルプラネット、
「密着250日、シロクマの生態に迫る!」そんな企画書が見えた。
踏みしめた瞬間崩れ落ちる氷河に驚くシロクマを考えるとこんな涼しいカフェでキンキンでお洒落なかき氷を食べている自分が情けなかった。
そしてただただ泣きそうだったが、「あっ」という声にならない声をカップルの愛の囁きが消し去った。
これが僕の夏の入り口。
皆さんの夏はどんな始まり方をしましたか?
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