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#1098 伝統的「報・連・相」スキルをアップデートしよう

おはようございます。
仕事が好きだし、楽しいと言い合える女性が増えることが喜び、小田木朝子です。
このチャンネルは、チームワーキングで仕事をもっとおもしろく、キャリアもっと持続可能に、オンラインスクールスクラより、仕事、キャリア、両立にちょっと役立つヒントを配信します。

今日は木曜日です。
毎週木曜日恒例の、一緒にこのチャンネルを運営するなつさんの質問コーナーをお届けしたいと思います。
今週のなつさんの質問はこちらです。

仕事の基本のアップデート「報・連・相」

【先週、上の子の小学校の卒業式を迎え、子どもの成長をうれしく、そして少し寂しく感じているなつです。
前職、人事として新入社員の受け入れや研修を実施していた私にとって、春は初心に立ち返る季節でもあります。
木曜日の質問コーナーのトライアル的な取り組みとして、今日から3週にわたり仕事の基本のアップデートをテーマに小田木所感を深掘りしていきたいと思います。
まず初回のテーマは、新入社員研修で鉄板で出てくる「報・連・相」、報告・連絡・相談を取り上げたいと思います。
私が研修を実施していた際は、上司の立場に立ったタイミングや方法(目を見る、結論から伝えること、悪い報告は先にすること)などがありました。
一方で、最近はコロナ以降、リモートやハイブリッドワークが広がったことや、企業の事業環境も大きく変化している中で、何年も前のままのコミュニケーションの常識も少し変わっているのではないかなと思います。
そんな状況も踏まえて、アップデートポイントについて教えてください。
リスナーの皆さんの周囲でも、自分の新入社員時代の「報・連・相」から変化を感じるエピソードがありましたら、ぜひコメントで聞かせてください。】

なつさん、毎週ありがとうございます。
なんと今日から連続企画を考えてみたということで、企画も立ち上げてくれました。
質問のポイントをおさえると、3回くらいのシリーズで、仕事のアップデートをテーマに小田木所感を深掘りしたい。
今回のテーマは、伝統的な新入社員研修の鉄板「報・連・相」について、小田木さんが考える「報・連・相」のアップデートポイントはどんな点だと思いますか?
こんな感じでいただきました。
小田木所感ですけれども、私の思うところを共有しながら皆さんと一緒に考えられたらなと思います。
「報・連・相」は引き続き大事ですよね。
おさえておきたい基本の一つじゃないかなと思います。
なので、「報・連・相」を否定するではなくて、これをベースに置きながら、どんなアップデートポイントがあるかを、私なりに考えてみたという小田木所感を共有できればと思います。

「報・連・相」に対して無意識にあった前提

「報・連・相」の研修はやりましたよね。
仕事のすごい基礎の部分になっているという方も多いんじゃないかなと思います。
一方で、教えられたというよりも、そんな「報・連・相」を通じて、過去に私自身も持っていた前提がいくつかあったなと思いまして、「報・連・相」に対して、どんな前提を無意識に自分の中に過去に形成したかというのを、ちょっと言葉にしました。

上司が答えを持っている

まず一つは、上司が答えを持っている
これを結構強固に前提に置いていましたね。
「報・連・相」のうち、特に相談に関しては、上司が答えを持っているわけなので、相談することで上司の答えや見解を聞きにいく
こんな感じの結構強めの前提が割りと長くあったなと思います。

すべてにおいて簡潔でなくてはならない

二つ目は、簡潔でなくてはならない。
もちろん簡潔であることは重要なんですけれども、すべてにおいて簡潔でなくてはならない、できる限り余分な情報は削って端的に簡潔にと、「報・連・相」の基本ではあるわけですけど、「端的に、簡潔に」というのをあらゆるシーンに適応させちゃって、むしろ伝わらないみたいなことにもつながっていたのが、端的で簡潔でなくてはならないという前提だったなと思います。

上司のためのコミュニケーション

最後の三つ目は、以前、おなじみ沢渡あまねさんが、どこかで言語化をしている中で、「たしかにそうだな」と思ったんですけど、「報・連・相って上司のためのコミュニケーションだよね」と言ったんですね。
あまりに前提として浸透しすぎて、気づかなかったんですけど、たしかにそうだなと思いました。
上司のためのコミュニケーション。
どういうことかというと、「報・連・相」は、上司が状況を把握して、上司が意思決定をして、上司が適切な指示を出すためのコミュニケーション
これが結構前提になっているなと思います。

くれぐれもこれはこれで大事ですよね。
だけれども、「報・連・相」だけではカバーできないテーマやコミュニケーションが増えているというのが、私たちがおさえておきたい現時点かなと思いますので、次はそっちに目を向けてみましょう。

「報・連・相」だけでカバーできないコミュニケーション

これは、「私が考える」ですけれども、「報・連・相」だけでカバーできないコミュニケーションとは、今、何があるか?大きく三つぐらいあるんじゃないかなと思っています。

答えがないコミュニケーション

一つは、答えがないコミュニケーション
これですよね。
上司も答えを持ってない。
チームの中でも、何を目指すのか、何のためにやるのか、これをいったん固めるところからスタートしなきゃいけない。
こういう状況が、めちゃくちゃ増えていると思うんですよね。
答えがないコミュニケーションということは、平たく言うと、相手や仲間と一緒に探求していくというコミュニケーションになると思います。
これが「報・連・相」じゃないとしたら何かというと、論理的思考ファシリテーションという感じですかね。
例えば、それは答えがないなとか、ゴールが決まってないなという状況があれば、「前提は何だ?」とか、「今、何を考えるべきか?」とか、「状況や起こっていることをどう見るか?」「現時点で仮置きができるゴールは何か?」こんな感じで順序立てて問いを設計しながら、自分たちなりの答えを探求したり、いったんスタンスを取って決めていく。
これに必要なのは、間違いなく「報・連・相」ではないですよね。
論理的思考とファシリテーションかなと言いましたけれども、答えがない状況で使うコミュニケーションは「報・連・相」じゃないなと思います。

端的に簡潔にだけでは伝わらないコミュニケーション

二つ目が、端的に簡潔にだけでは伝わらないコミュニケーション、これもすごく増えていますよね。
端的に簡潔にだけでは伝わらないというと、じゃあ、何が必要かというと、意見の交換ではなくて、意見の背景とか意見の意図をちゃんと相手に聞くし、自分自身も伝える、これが大事ですよね。
端的に簡潔に伝えたけれども、意図がちゃんと伝わってなくて、なんか誤解を生んだとか、手戻りが生じた。これは日常的に結構遭遇するシーンじゃないかなと思うんですけど、意図や背景をちゃんと相手に聞くし、自分も伝える、すなわち、対話ですよね。
これも「報・連・相」とは明確に使い分けて、かなりのシーンで必要になっているコミュニケーションだなと思います。

振り返りと内省のためのコミュニケーション

「報・連・相」だけではカバーできないコミュニケーションの三つ目は、振り返りと内省のためのコミュニケーションですよね。
もし「報・連・相」が上司のためのコミュニケーションだとするのであれば、振り返りと内省は自分のためのコミュニケーションですよね。
これを一人でやるんじゃなくて、相手に問いかけてもらって、自分の考えだとか感情を言葉にすることで、自分の理解を深めていくとか、経験からの気づきを大きくしていくとか、それを次に生かしていくというのが、振り返りと内省のためのコミュニケーションだと思います。
ここまでしゃべるとピンときたと思うんですけど、これがいわゆる1on1ですよね。
経験を生かすために不可欠で、習慣的にやるかやらないかで成長のスピードが劇的に変わる
振り返りと内省というのは技術だから、繰り返してうまくなっていくし、手ごたえが大きくなっていく。
これも「報・連・相」とは決定的に違うコミュニケーションの形だと思いますので、この辺が非常に重要になってきている。
これも、今、押さえておけるといい大事なポイントかなと思います。

コミュニケーションのカードを増やしていく

そんなことでいろいろ話しましたけれども、「報・連・相」のアップデートポイントというなつさんのお題をいただきましたが、結局「報・連・相」は「報・連・相」で大事じゃないですか。
さらに、何が言いたいかというと、「報・連・相」だけじゃなくて、コミュニケーションのカードを増やしていくということが、たぶん私たちにはすごく大事ですよね。
今の状況に対応、適用しながら、手ごたえのある仕事を仲間と一緒に実現していくために、コミュニケーションのカードをできる限り多く持つ。
「報・連・相」だけじゃなくて、論理的思考とファシリテーションができるとか、対話と議論をちゃんと使い分けができるとか、自分の経験を振り返って成長につなげるために1on1みたいな機会をうまく活用できる。
こんな感じで、コミュニケーションのカードを増やしていく。そんなアップデートポイントがあるんじゃないかなと思いました。

いかがでしょうか?
なつさん、今週も質問をありがとうございます。
シリーズで続けていきますとコメントをしてもらっているので、次回も楽しみにしています。
それでは、次のチャプターで「先週の一番放送とコメントありがとうございますのコーナー」をお届けします。

先週の一番放送は、「落ち込みからの回復」を取り上げたこの放送!

続きはぜひVoicyでお聴きください。

小田木朝子プロフィール

「仕事が好きだし、楽しいと言い合える女性が増えることが喜び」小田木朝子(おだぎともこ)です。
このチャンネルは両立女性のためのオンラインスクールスクラから出産後の変化を柔軟に乗り越え、仕事がもっと楽しくなる“知恵とヒント”を平日の毎朝配信しています。2回の育休を経て、現在人材育成・組織開発を行う株式会社NOKIOOの役員をしています。
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