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#201 私たちはすぐに成果が出るものに慣れすぎている⁉︎

先週は、私たちが運営するオンラインスクール育休スクラの2021年4月期の開講式でした。
なんと23名の受講生をお迎えすることができまして、新しい期がスタートしたわけです。
今回は、初の海外メンバー(中東アブダビから)、初の東北メンバー、そして顔ぶれも様々で、初めての公務員メンバー、教員メンバー、こうした個性豊かなメンバーをお迎えすることができ、みんなが持ち寄ってくれた信頼や期待に応えて、いい学びの場を作っていきたいなと思っている次第です。
そんな開校式でお伝えしたメッセージを、今回はカジュアルに両立サプリ用に編集して、皆さんにシェアできたらと思うのですけれども、お付き合いいただけますでしょうか。

出産後の戸惑いや葛藤ってどこから生まれるのか

皆さん、思い出す、もしくは想像してみていただければと思うのですけども、出産後、これは男女ともになのですけれども、子どもを持つというプロセスを経たあと、いろんな戸惑いとか葛藤があると思うんですよね。
新しい家族ができた。これは嬉しいことなのだけれども、ここで生じる戸惑いとか葛藤、これってなんだろう?
それをちょっと考えてみたいなって思います。

私の場合だと、そもそも育児というものに慣れてなかったし、体も疲れてヘトヘトだったかもしれない。
急に家に籠るようになったことで、孤独感みたいなものも積もっていた。
赤ちゃんって最初本当に小さいんですよね。
ちょっと目を離すと、どうにかなっちゃうんじゃないか?という緊張感みたいなものもあったのかな。
ずっと仕事をしてきた生活というのが、ここでガチャンと切り替わるというか、一回リセットされる中で、「あれ?今日も私、何も生み出してないな」という感覚とか、誰にっていうわけじゃないのだけれども、置いてかれている感覚とか、会社や肩書みたいなものがなくなった、何者でもない感みたいなものが織り交ぜって、戸惑いや葛藤が生まれたのかなって思っています。

さらに踏み込むと、この感覚ってどこから生じるんだろう?とか、なんで育児に入ったときにその生活を大変だと感じるのかな?って、ちょっと私なりに考えてみたので、聞いてもらえますか。

すぐに成果が出るものに慣れすぎている

いろいろ考えて、私が行き着いたのはですね、やっぱり私たちってすぐに結果が出るもの、すぐに成果が出るものに慣れすぎちゃってたのかな。
こういうことなんじゃないかなって思いました。
すぐに成果が出るものに慣れすぎている感覚、皆さんありますか?
どういうことかというと、仕事って短期的に成果が出る、もっと言うと、短期的な成果を求められる、この短いサイクルをとにかく繰り返しているのが仕事なのかなって思います。
今日の仕事って、夕方には一定が終わっていくじゃないですか。
やることが明確で、今日のタスクがあって、今月の目標があって、やったことの結果が出て、それに対して評価やフィードバックが得られて、これを短いサイクルでとにかくグルグル回しまくるっていう、こういう状態に慣れ切っていたのが、たぶんビフォーの状態なのかなって思います。
ここに急に子育てということがポコンと生まれてくるじゃないですか。
びっくりするのですけれども、短期的な成果って一切出ないんですよね。
「今日一日、一生懸命お世話した。そしたら子どもが喋るようになった。」
こういうことはないじゃないですか。
子どもは朝の状態と何も変わってないんですよ。
笑ってくれたり、喜んだりはしてくれるんですけれども、「お母さん、今日もばっちりだったよ」って言ってくれないんですよね。
目標が上から降ってこない。
とにかく何が正解なのか分からないんですよね。
一日や二日でやったことが正解だったか分からないですし、私も10年以上子育てしましたけれども、これまでやってきたことが、今の子どもを見て、本当に正解だったかどうか分からないし、もしかしたらずっと分からない、こういう状態なのかなって思います。

そしてさらに、コントローラブルなものにも慣れすぎちゃってだなって思いました。
仕事ってもちろん思い通りにならないこともあるのですけれども、それでも一定の会社のルールの中で、明確なビジネスゴールに向かって、仲間やお客様とも言葉を使ったコミュニケーションで、共通のルール、共通の目標のもと進んでいく、これがいわゆるコントローラブルなものじゃないかなって思います。
要は、工夫のしようがあるし、対処のしようがある。
でも、出産を契機に始まる育児もそうですし、出産というものをターニングポイントにした夫婦関係といったものって、始まった時点ではルールもなければ目標もない、未整備の状態で地球創世記みたいな感じですかね。
感情の激動期みたいな感じだと思うんですよ。
そうやって考えてみると、そこまで私が仕事だと思っていたものは、とにかく目の前のことを追いまくるのが仕事だったなとか、片付いていく達成感だとか、すぐに見える結果がやり甲斐だったのかなって思います。
そういう価値観に浸りきって疑問を持たなかったところから、急に育児になって、例えば育休に入って、「ハシゴ外された感」が半端なかったのかなって。
急に、「正解はないですよ。自分で決めてくださいね。ルールもありませんので、ご自身でお作りください。」こんなふうに言われて戸惑ったことが、たぶんあの当時、「子育てが大変だ、えらいところに足を踏み入れてしまった」と考える根源だったのかなと思います。当時は気付いていなかったですけどね。
なので、子育てそのものが大変だったわけではなくて、子育てというシチュエーションで、無意識のうちに自分の中に起きていた大きなパラダイムシフトみたいなものに戸惑っていたのが、その時だったのかなって思います。

すぐに成果が出るものの中で培った物差しを一回手放して価値観をアップデートしよう

何が言いたいかというと、だから大変だという話ではなくて、短期的に成果が出るものに慣れすぎてしまっているということに気付けたのであれば、じゃあ、私たちがここから何ができるのか、そのことにどんな意味を見出して、この変化にどんなふうに対応していくと、良い未来が作っていけるのかということが考えられるのかなって思います。
だって、これから私たちが生きていく先って、子育てだけじゃなくて、おそらくビジネス環境もそうだし、組織の中で中堅ぐらいのビジネスパーソンとして求められる状況って、たぶん短期的に成果が出なくて、何が正解か分からない状態って、もっともっと色濃くなっていくと思うんですよね。
ということは、ここにどんな意味がありそうか?ということなんですけれども、これから生きていく先の人生にとって必要な変化であって、それまでの短期的に成果が出て、コントローラブルなものに囲まれているという中で培った物差しを、一回手放して、価値観をアップデートする機会だし、そういった状況に対応するのに必要なスキルを磨くチャンスなのかなって思いました。

どうでしょう?何が言いたいんだろう、この人は?って感じですかね。
出産やその後の子育てって、一つの大転換期だと思うのですけれども、たぶん気付かないうちに、私たちが仕事をしていくここから先のフィールドも、おそらく短期的な成果を追いながらも、短期的に成果が出ないものや、正解が分からない状況って、格段に増えていくんじゃないかなと思います。
なので、これまでの自分の価値観に合わせようとしすぎると苦しくなっちゃう
私の場合だと、目の前のことを片付けまくって追いまくるのが仕事だという考え方だとか、すぐに見える結果がやり甲斐だったっていう、モルモットのカラカラの中を走りまくるみたいな状況の価値感ですよね。
なので、これまでの価値観を手放すぐらいのオープンさで、もし今こういうステージにいる人がいたら、この機会に価値を認めていけるといいんじゃないかなと思いました。

はい、そんな感じの話ですね。
私たちはすぐに成果が出るものに慣れすぎちゃっている。
これに気付くと、いろいろものの見方が変わるかもしれないよ。
こういう話でした。
これが育休スクラの4月期の開講式でのメッセージだったのですけれども、自分やこれまでの仕事のやり方や今後どうしていきたいかということにじっくりと向き合って、一緒に良い時間を過ごしていけたらいいなと思いながら、このメッセージを作らせていただきました。

小田木朝子プロフィール

「仕事が好きだし、楽しいと言い合える女性が増えることが喜び」小田木朝子(おだぎともこ)です。
このチャンネルは両立女性のためのオンラインスクール育休スクラから出産後の変化を柔軟に乗り越え、仕事がもっと楽しくなる“知恵とヒント”を平日の毎朝配信しています。2回の育休を経て、現在人材育成・組織開発を行う株式会社NOKIOOの役員をしています。
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